令和二年12月5日. 12:05.
はじまりはじまり
夢と言えば、大抵、物語とは言えないような無茶苦茶な構成である。
瞬間であったり、理解できない急な場面の転換であったり。そして自分でもうまく把握しきれないから、他人に話すことには戸惑ってしまう。
だが先ほど見た夢はあまりにも長く、そして物語のような構成になっていたのでこれを記す。
1、
「うーーーん。」どうやら車の中にいるようだ。
午前11時くらい: 吹雪の中、黒塗りの車で年上の友人らと(僕は5,6歳の男の子、彼らは15,16歳くらい)僕の家族の別荘に向かっていることがなんとなく分かる。やがて別荘に到着し荷物を運ぶ手伝いをした後、入り口のドアに入る手前で気を失う。目が覚めると、トラックの荷台の右隅にいた。記憶がなく、また私はうっかりものであるから「間違えて入ってしまったようなので帰してもらってもういいですか?」と周りの大人にお願いする。しかし、乗組員(運転席に1人荷台では前の方に1人、後ろに4人いた気がする)は「自分の責任だろ。」といって笑う。彼らは全身黒で、マントを付けている。どうしようか。前の窓から見るに、トラック集団が5台ほどで逆V字を組んで走っていて、このトラックは右の最後尾にいるようだ。
午前12時くらい: やがてデパートに到着する。そこで1人が降りる。トイレだろうか、と思って軽くみると、驚いたことにそれは※村越だった。とてもやせていた。こちらに目を合わせようとはしない。また出発する。
午後3時くらい: 冷静になってみると、どうやら彼らは運送業者のようだ。荷台には荷物がちらほらと積んである。僕はこう言う。「もし僕が死んだらどうする?やがてお前らの名前が割れるぞ」そう、彼らはみんなネームプレートを首から下げており、その名を書き留めれば証拠として残せると考えた。しかし、こう言われる。「捨てればいいのさ。」僕にはもう打つ手がない。
日没前: 自暴自棄になってなんとか外に逃げようとするが、彼らは止めようとしない。そこで気づく。「外は-20°くらいか?」「ああ、それにお前の家からは100キロ近く離れている。凍死するだろう。」いったいどうすればいいのだろう。私が着ているのは緑の薄手のパーカーである。
少したって: 1人が言う。「だがよかったな。1人はお前を助けたいみたいだ」車は来た道を戻っている。どういうことだろう。「途中でデパートに寄ったやつがいただろう?そいつを連れ戻しに行っているんだ」「なるほど、そこからなら家まで10キロくらいだから、家に帰れると?」「ああ、大丈夫なんじゃないか?」村越!!
※村越とは、、私の高校時代の1年3年の同級生である。髪は校則違反のツー風呂で中学はサッカー、高校はテニスをやる。私と関係したのは主に昼休みの校庭でのサッカーだろう。特に親しいという訳ではない。特徴的なのはそのファッションで、Yシャツの片方をズボンから出すという驚くべきセンスの持ち主で、仲間内では村越ファッションと呼ばれ、教師からは叱られていた。
2、
後日談/数年後: 車で屋敷に着く。だがもう昔の自分ではない。自分には悪魔が宿っている。ところで屋敷の中では、8人ほどがそれぞれ3グループに分かれて立ち飲み、大道芸、ダーツをやっている。ここでは意識が各グループの間をドローンのように移動した。自分のようなものが家に入って来る。ただ意識はいまだ空中にある。「ただいま」彼らの反応は覚えていない。「もう行くよ」私の格好は下がタキシード、黒の革靴、上はぶかぶかで切りっぱなしのオレンジTシャツのうえに黒のコートを羽織っている。私はそこで完全に自分を捨てた。あくまに身を渡した。彼らが待つ荷台に戻る。それからは彼らに言われるままになんでもした。それだけ普通なら嫌なことでも。もう何も感じない。やがて私は荷台の中で地位を築き上げた。荷台の後ろ半分は私のものだ。荷物の上に座り、本が目の前に積んである。だがもう心はない。
おそらく、コナン、ハンターハンター、嵐が丘、そして寝ていた部屋の寒さが夢の中で合体したように思う。3度寝の1時間の間に見て、それから1時間ほどで書いた文章だ。
おわり