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役に立つかもしれない!? ~異世界開発ベンチャー企業論~  作者: imuran
新商品(新ルート)開発編
12/27

2人と求人

「えぇ!?2人もですか?」

「そう、ほぼ同時みたい」

「掲載されてまだ1日も経ってませんよ?」


 おはようございます、と園田さんと八木ちゃんも登場。

 雑談と会議が始まります。


「どうしたんですかぁ?」

「おっはよー八木ちゃん! 今日から掲載の求人に、もう応募が来てるんだよ、しかも2件!」

「早いですねぇ、最速記録ですよぉ」


 八木ちゃんは、あんまり驚いてない気がするなぁ

 ちょっとしたことでは動じなさそう。

 いつか驚かせてみたくなった。


「おはようございます、2件同時なんですって?」

「京子ちゃんおはよう! そうなんだよ、すごくない?」

「仁和さん、ちゃんとフィルターかけたんですか?誰でも見られるようになってません?」

「えー、ちゃんとかけたわよ」


 あ、それ私も同じこと思った。

 たぶんフィルターって、異世界の耐性がある人しか、見られないようにする仕組みのことだよね?

 仁和さんが可哀そうなので、別の案も出しておこう。


「えっと、じゃあそのフィルターになにか問題があったとかですかね?」

「あれってどういう仕組みなんですかぁ?」

「知らないよー、たぶん魔法じゃないかな」

「フィルターつけるのにお金って、かかるんですかぁ?」

「フィルター代、別料金がいるよ」


 八木ちゃんはお金の事になると、ちょっと厳しくなるね。


「どうするんですか?いったん求人の掲載をストップしますか?」

「どうしよっかー?」


 みんなでうーんと考えている。

 私は、その求人が気になってしまったので、

 ちょっとスマホで見てみました。


 "シフト制、制服貸与"

 "昇給あり、月給+インセンティブ"

 ふむふむ?

 聞いちゃう?忙しそうだけど聞いちゃおうかなぁ。


「仁和さん、インセンティブってどういう意味ですか?」

「あー、成果報酬って意味だよ」

「なるほどー」


 ・・・・・・?

 仁和さんの説明が薄味だ!!!

 眼鏡期待したのに! 

 病院食ぐらいの薄味だった。


「仁和さん、いつものやらないんですかぁ?」

「そうですよ!お腹痛いんですか!?」

「体調悪かったら、言ってくださいね?」

「ちょっと!?大丈夫よ!」


 仁和さんは囲まれてしまった。


「インセンティブねぇ、あんまりテンション上がらないんだよー」

「仁和さんでも、そんなことあるんですね?」


 仁和さんは、ゆっくりと眼鏡をかけ、いつもよりゆっくりと話しだしました。


「インセンティブという言葉は、もともと"結果を導いた原因"といったニュアンスの言葉だったんだよー、けど今ではすっかり"従業員への成果報酬"という意味になっちゃったんだよ」

「あら、そうなんですね?」

「成果報酬は、インセンティブの1つに過ぎないんだけどね、まぁビジネス的に成果報酬を言い換えただけだよ」

「残念そうですね?」

「うん、本当の意味はとっても深い、いい言葉なんどよ、まぁ求人に書いてあったらほぼその意味だよ」


 それでもちゃんと眼鏡で説明してくれる。

 そうこうしているうちに、始業の時間になりました。


「さ、仕事を始めましょうか、仁和さんは応募の2名に連絡とって、面接の予定立ててください」

「はーい!」


 さて、私も仕事を始めようかな。


 お昼休み。

 仁和さんが、時間になるや否や私の前にきました。


「あおのちゃん!2人とももう返事あったんだよー 2日後の午後に来るから、マニュアル読んどいてね」

「わ、分かりました」


 ちょっと不安。


「大丈夫!私も行くからいっしょにやろうね」

「は、はい!」


 いっぱい安心。


「ちなみに、あっちでやるからね」

「あっちっていうと、異世界の方ですか?」

「そうそう、適正も見られるしね」

「大丈夫ですか?求人のフィルターのエラーか何かで、耐性の無い人だったらまずいんじゃ?」

「私たちがいるから大丈夫だよ」

「そうなんですね」

「そうなんです」


 異世界で面接かー、どこでやるんだろう。

 会場の場所とか、どうやって伝えるんだろう

 異世界に住所ってあるのかな?

 は!そういえば頂いた名刺に会社の住所があったのでは?


 ふと、石さんの名刺をアプリで見てみると。

 "異世界-1番町-562-5 ゴーレム建設 1番町支社"


 あるんだね、住所。

 こんど"ゴレ建"見に行ってみようかな。

 しかし私に、石さんが見分けられるかな?


「ところで面接ってどこでやるんですか?」

「ウチの異世界営業所だよ」

「あーそういえば、休憩所ありましたね」

「基本、部長が常駐してるよー」


 部長かー、一度だけ見たことあるんだけど、

 THE、中間管理職って感じの男性だったような。

 あんまり覚えてない。


「じゃ、準備しといてねー?」

「かしこまりましたー!」


 ふふん、何を隠そう私は、暗記は得意なのだ!

 2日後なんて余裕だよ。

 後輩になるかもしれないからね、かっこ悪いところは見せられないね。

 なんだか楽しみになってきた。


 そしてあっという間に2日後。

 その間、他の応募は一切ありませんでした。

 業者に確認してもらったところ、求人の異世界フィルターもちゃんと効いているとのことでした。


 2人とも何者なんだろう?

 私は、仁和さんと一緒に異世界の営業所に行き、準備をしていました。

 部長は忙しそうに何処かへ行ってしまいました。


「さて、ゲートまで迎えに行こうか?」

「はい!」


 元世界側のゲートの近くで、2人と待ち合わせしています。

 一応、同行した方が安心だからね。


 仁和さんと一緒にドキドキしながら、待ち合わせ場所に到着すると、

 そこには、方向性の違う美少女が2人立っていました。

 仁和さんが、ニコニコしながら近寄ります。


「こんにちは!面接の2人かな?可愛いね」


 ナンパか!?


「はい、よろしくお願いします!」

「よろしくお願いいたします」


 "洋風お嬢様"と"和風お嬢様"がそこには立っていました。

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