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5-1. 手記 6
手記、その六
証言者 テスタ・カウルスタッグ
ミリア、ミリアはどこにいるの? どうして私をここから出してくれないの?
私がやったなんて、そんなこと信じてないわよね。妄言よ。誰かの策略だわ。私があんなことするわけがない、できるはずもないのに。
どうして誰も信じてくれないの? 私を見たって皆言うけれど、あの時私は寝ていたの。本当よ。だから私にできるはずもないの。
ミリアを呼んでちょうだい、私の可愛くて素敵な娘を。あの子ならわかってくれるのに。
――だから、私はやってない!
私を見たっていう、目撃者が嘘をついているの。何人もいるって言うけど、夜遅くのことだから、皆寝ぼけていたのよ。
やめて、そんな目で私を見ないでよ。
どうして皆、わかってくれないの!