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傾国令嬢 アイのカタチを教えて  作者: 紫藤朋己
四章 学生三年目
80/142

4-18














 ミラージュの鏡の力。

 それすら、原初の力。


 ミラージュが嘘を言っているとは言わないが、完全に理解するのは難しかった。

 ミラージュの言う通り、私の中にある人間の常識が邪魔をする。息をしていないものは生き物ではない。生き物は栄養を取り込んで、種族繁栄のために生きているもの。鏡はそこにあるだけのモノに過ぎない。


 半分、理解。

 半分、理解できない、したくない。

 わがままな脳内。そんなモノが存在しているとしたら、私は何者だという話になってしまうから。


「どうしてわからない? 鏡はこんなにも動いている。生きているのに。貴方のことを必死に映し出しているというのに」


 部屋の四方にある鏡。

 いずれにも、対峙する私とミラージュが映っている。


「鏡はそれ自体が動いているわけではないでしょう」

「中身は動いている。現に私は中の世界に入り込むことができる」

「貴方だけでしょう?」

「私だけでも、入れていることに変わりはない。私は逆に意味が分からない。貴方たちは鏡を生きていないというくせに、草木は生きているなどと言う。あれは動かないだろうに」

「でも、成長するわ。呼吸だってしてるみたいだし。鏡は放っていても成長も劣化もしないでしょう?」

「鏡も息をしている。その証拠に、表面が汚れていく」

「それは埃が溜まっているだけで……」

「長い月日が経てば、割れて死にもする。時間の感覚が貴方たち人間と違うだけ」

「……」


 平行線。

 交わらない会話の線。

 まるで別種族と会話している感覚。言葉は通じているのに、意識は通じ合わない。


 でも、だからこそ、ミラージュの言いたいことはわかった。

 私は絶対に、鏡が活きていることを認められない。それこそが、常識。人と一緒に育って培った意識。モノは生きていない――それこそが、人の作り上げた世界の基礎なのだ。

 そんな世界ではモノは生きられない。原初は、死んで然るべきだ。


「私の存在が、お母様を証明する最後の手がかり。私の力が唯一、お母様の存在を明示する」


 ミラージュの光沢のある髪は、確かに私の今までの人生で見たことがない特徴。鏡の中を移動するという能力も、相手の力を反射する力も、未知。

 鏡の、娘。どうやって生まれたのとか、父親は何なのとか、色々と疑問は尽きないけれど、どうせ聞いても理解できないでしょうし。今は、そういう存在がいることを受け止めよう。


 ふと、鏡を見やった。

 さっき見たのと同じ、私とミラージュが向き合っている。


 その中で、ミラージュが私に歩き寄っていた。驚いてミラージュを見るが、彼女は動いていない。鏡の中だけ、ミラージュは現実と違う動きをしている。

 鏡の中でミラージュは床に落ちたナイフを拾って、それを私に突き刺した。心臓のあたり。さく、とナイフは簡単に私の身体を貫いた。


 痛み。

 衣服の内側から血が流れて、服が赤く染まった。


「……え?」

「どうせ死なないだろう。殺させてもらった」


 私は後ろに跳んでその場から離れる。鏡の中でも、私はミラージュから距離をとっていた。


「鏡面は、お母様そのもの。その中の世界も、お母様そのもの。子は母の胎内で育つ。大切に、愛情を受けて。私はお母様の中では、無敵。わかった?」


 現実のミラージュもゆっくりと近づいてきた。

 能面の彼女、少しだけ楽しそうに見えた。


「そして鏡は、この世界すべてを映し出す。鏡は世界の真似をする生き物。でも、こうは考えたことはない? 鏡が真実で、この世界こそが偽物だって。現実こそ、鏡に引っ張られる」


 振りかぶられたミラージュの拳を受け止める。


「お母様こそが、世界」


 視界の端に、鏡の中での私が首を切られたのが見えた。現実も、堕ちる。赤色と共に。


「――」ごとん。


 今日はよく首が堕ちる日ね。視界が揺れるから気持ちの良いものじゃないんだけど。


 戻る。

 現実の方で、ミラージュを蹴り飛ばす。

 鏡の方では、避けられる。避けた後、四肢を、内臓を、容赦なく突き刺される。そのたびに現実の方でも痛みを伴い、鮮血がほとばしり、私はよろめいてしまう。防御しても、よけきれない。


 でも、問題はない。

 少しだけ不安だったけれど、鏡上の攻撃でも、私は無傷。鏡を注視して、鏡の中でもミラージュに近づかないように気を付けた。


「……化け物め」

「化け物ね」


 二つの声が、重なった。

 あれだけ汚さないようにしていた服が、真っ赤。今まで私が戦ってきた中で、ここまで好き勝手にやられたのは初めて。どう返していいか、反撃の意図もつかめない。


 ミラージュは、化け物だった。

 私と、オナジ。


「貴方はどういう理屈で死なないの? こんなに傷つけたのに」


 ミラージュも困惑していた。

 私だって知らない。


 けれど、強敵と対峙するたびに、私は私を知っていく。化け物は、私の仲の化け物を明らかにしていく。


 エリクシアの時は圧倒的な戦闘力を。

 ミドルの時はなにをも防ぐ防御力を。

 バレンシアの時は驚異的な回復力を。


 知らない私を、知ってきた。

 そのたびに、私は人間から遠ざかる。自己評価していた脆弱な私が離れていく。


 今、ミラージュと戦う事で、また、知った。傷を負って、致死の攻撃を受けて、納得した。

 私は、回復しているのではない。傷なんか、最初から負っていないのだ。最初からなかったものになっている。溢れる鮮血や一瞬発生する傷は、傷ついたフリをしているだけ。人間に見えるように、傷ついているだけ。本当は、怪我すらしていない。痛みだって、虫に刺されたようなもので、すぐに掻き消える。痛いふりすらしている。


 人間を、模倣して。

 人間に、憧れて。

 人間を、真似して。


「あるいは、私は貴方と同じなのかもね」


 鏡は、相手を映すもの。相手と同じ動きをし、真似をするもの。

 ミラージュが鏡の原初を持つというのなら、私だってそれに近い。人間の真似をして、人間に見えるように怪我をして、人間に思われるように笑って。


 鏡に、近い。

 王家の金獅子と同じ。鏡の原初だって受け継がれてきて、たまたま私にも宿ったんじゃないの?


「違う。鏡面を受け継いでいるのは私だけ。貴方と私は、根本的に異なっている」


 拒絶。


 なんでそんなこと言うの?

 どうしてそれがわかるの?

 試してもいないのに。


 複雑な感情。貴方と私が一緒であることを証明したい。同じ化け物であることを証明して、同族がいたことを喜びたい。

 でも、証明したくない思いもある。私のことをこんなにも知りたいのに、これほどまでに知りたくない。私が、決まってしまう。私という存在の理想が遠ざかる。


 相反する感情は、煮立って震えて私になる。


「試してみましょう? もしかしたら、私たちは血が繋がっているかも」

「ありえないと――」


 私は一足でミラージュの目の前に立って、その首を掴んだ。


「試してみれば、いいじゃない」


 貴方が死ななければ、わかるでしょう?


 思い切り、首を握りしめる。普通の子だったら一瞬ではじけ飛ぶはずだけど、ミラージュは原初直系の化け物。流石に硬かった。「く、」私を蹴り飛ばして距離をとる。


 ダメ

   ニゲチャ、ダメ


「【風斬】」


 風の刃にて、ミラージュの胴体を一閃する。素肌に当たったのに、ガキン、とミラージュの腹部からは金属と金属がぶつかるような音がした。まだ、無事。

 視界の端。鏡の中ではミラージュが私を思い切り殴りつけていた。ナイフで、あるいは四肢で、私を攻撃している。私の身体が赤く染まり、あるいは痣で青くなる。


 で?

 瞬きするよりも早く、私は私を取り戻す。

 ミラージュは強い。でも、強いだけ。私とは立っている土壌が異なっていた。


「【水牢】、【熱線】、【天変地異】」


 詠唱を繰り返す。


 あたり一面を水で満たした。虚空からあふれ出した水は、ミラージュの足をとり、動きを鈍くさせる。水かさは増し、所長室に空いた穴では吐き出しきれない水量が、即座に部屋を満たした。

 お互いの吐く息が泡となる。私は指を差し向けた。発生する熱。水の中を奔る一本の線。それ自体はミラージュに避けられたが、私は放出を止めない。熱は水の中を伝播していき、それを熱湯に変える。沸騰するような温度の中、ミラージュの顔が恐怖に歪んだ。

 お互いの肌が、熱で煮立っていく。身体の内部が、外部が、危険な状態に達する。


 ミラージュは鏡を見やるが、鏡の中への移動ができていなかった。水の中では、鏡は映す姿を変える。本来の綺麗な姿ではなく、歪んだ形を映し出す。


 こんなところで戦ったことなんかないでしょう? いくら頑丈とはいえ、人間の姿をして、息をしているんだから、抗えない現象というものがあるわ。

 吐く泡が大きくなり、逃げ場所を探す目。


 最後。

 【天変地異】で、ミラージュの足元の土壌を砕いて、水の逃げ道を作る。水はそこに飲み込まれていき、渦を作り上げミラージュはなすがままに、ぐるぐると回って水流に飲まれていった。


 土の中に消える熱湯。

 が、そこまでいって、ミラージュの姿が消える。

 空気中に出られたから、鏡を使って逃げたのね。


 水がはけた後、ミラージュが私の背後から現れて、両腕を使って私の首を絞めてきた。息荒く、本気の力。

 背後だから直接は見えないけれど、鏡で見える彼女の姿は、満身創痍。身体は水浸し、熱湯で水膨れが生まれ外部はぼろぼろ、内部の気管もいくつかやられたのか呼吸も苦しそう。


 これくらいで死なないのは流石。

 でも、あと三回も続ければ死んでしまいそう。


 私は、熱湯に浸されても、首を絞められて息ができなくても、死にはしない。無限に刺されても、無限に殴打されても、無限に四肢を引きちぎられようとも。

 私のまま、ここにいる。


 一向に死なない私に痺れを切らしたのか、背後のミラージュの力が弱まったのを見て、私は彼女を背負い投げた。床に叩きつける。


「がっ」

「おわり?」


 げほげほとせき込むミラージュ。声もがらがらだった。


「……何十回と、殺したのに、どうして……」


 表情には絶望が張り付いていた。


「そういうものだから、仕方がないわ。貴方はぼろぼろね。確かに、私と貴方は違うみたい。試せてよかったわ」


 にっこりと微笑む私と、

 顔を引きつらせる彼女。


 私とミラージュは違う。とっても安心して、底冷えするくらい不安だった。


 第二世代、化け物のミラージュ。私を何十回も殺せるくらいに強くて、普通の人間だったら何回も死んでるところを生き残るくらいに頑丈。


 それでも、私の足元にも及ばない。私は、敗北しない。

 生きていくたびに、世界の広さを知っていって、強大な相手とやり合って、そうして私は私の強さと異常性とを知っていく。


 私はまだ、異端。

 さあ、ワタシッテ、ナンデショウ。


「さっきの話の続きをしましょうか」


 私はミラージュの顔を掴んで、引き寄せた。

 まっすぐに目を見る。可哀想に怯えてしまった可愛い彼女を。


「や、やめて、殺さないで……。わ、私は、死にたくない……」


 そこにミラージュ従来の無表情はなかった。怯えて震え切った弱弱しい生き物。肉食動物と草食動物のような関係性だけが転がっている。

 きっと今まで、こんな目に逢ったことなんかなかったんでしょう。初めてをもらっちゃった。


「それは私が決めることではないわ。貴方が決めることよ」


 みしみしと、指は音を立てる。

 死の近づきに、ミラージュは震えた。


「わ、わかってる。シクロは返す」

「うん」


「三人との戦闘もやめる」

「そうね」


「捕まえてる覚醒遺伝持ちの人間も、開放するっ」

「そうでしょう」


「……え、えと、所長も、差し出すから」

「いらないけど、もらっておきましょう」


「え、ま、まだ? こ、ここは、閉鎖するから……許して」

「それがいいかもね」


「……え、え、もう、他になにを……」


 焦って困って引きつる顔。

 ああ、可愛い。

 生殺与奪を握られた子は、私にすべてを差し出すしかできることがない。

 私の思うがまま。私のもの。


「いいわよ」

「え、」

「貴方の研究に、付き合ってあげる」


 表情がぽかんとした顔に変わる。


 お母様を取り戻したいという熱い思いを無下にするのは可愛そうだし。私の思い描く未来、化け物たちが笑って暮らせる世界に、この子は使えるもの。私の許可の下で動いてもらえば、私が抱く不安だって飼い慣らせるかもしれないし。


 人が狂うのは、寒暖差。あるいは、過度の緊張と緩和

 極寒の地から暖かい布団に寝かされれば、もう毛布が手放せない。

 私は暖かい毛布にもなれるの。


「私は貴方の目的を果たすために、全力を尽くしましょう。貴方が笑えるように、環境を整えてあげる。貴方の邪魔する相手を退治してあげる。だから、貴方のすべてをちょうだい」


 貴方は、化け物。

 だから、私と一緒にいましょう。


 冷たい唇に温かさを落とすと、ミラージュの眼が見開かれた。

 彼女の頭の中はぐっちゃぐちゃなはず。さっきまで殺し合ってたのに、今は愛し合っているんだもの、気持ちはわかるわ。


 でも、選択肢はないでしょう?

 私はエリクシアの時に知ったの。

 緊張の中にある緩和、殺意の中にある愛情、強いものに従う事、それって、絶頂するくらい気持ちいいらしいから。


 私が手と口を離すと、ミラージュは呆けた顔でその場に蹲った。


「さて、それじゃあシクロを迎えに行きましょう。案内してね、ミラージュ」



 ◇



 ぼうっとするミラージュを前に、私は地下への階段を下りていく。

 ふらついたので、抱きとめてあげた。


「大丈夫?」

「あ、ええ」


 私を見る目は、警戒と安堵。頬を赤く染めてはいるが、自分の感情を整理しきれていないみたい。まだ私を飲み込めていないみたい。

 でも、いいわ。私という激薬を一度でも飲み込んでしまえば、抗う事は出来ないでしょうし。私の愛は、中毒性と多幸感を煽る。

 ミラージュはもう、私のもの。じっくりと、溶かしてあげる。


 階段を下りた先には、開けた明るい部屋。

 みんながいるであろう部屋。


 私は笑顔で彼女たちを迎えようとした。


 そこは。

 真っ赤に染まっていた。


 天井、壁、床にはいくつも血だまりが生まれていて、ぽたぽたと血が垂れていた。とんでもない力で何かが叩きつけられたよう。そこいらに骨や皮膚の欠片が散らばっていて、猟奇的。

 机や鏡、紙類もばらばらの粉みじん。その空間では、何も原型を留めてはいなかった。


 ぞっとして、息を飲んで。


「……まりあ」


 声が聞こえた。


 いつも聞いている声。


 私の大好きな声。


 部屋の隅。


 真っ赤なイヴァンがそこにいた。両腕が重いものに潰されたかのようにぺっちゃんこで、片足は引きちぎられたかのようで、顔じゅうが血で真っ赤に染まっていて。


 いつかの、アンナのようだった。

 つまり、死にかけ。

 いや、死ぬ一秒前。


「い、」


  声が出せないくらい。

     全身の毛が逆立って、

   一瞬で鳥肌が立って、

      最悪の結末を想像した自分の頭を握りつぶしたくなった。


 私は隣のミラージュの首を掴んで、壁にたたきつけた。


「殺す」

「ち、ちがう! 私じゃない! 私には、こんなことできない」


 必死な様子は嘘ではなさそう。確かに、こんな暴力的なことができれば、私との戦闘で見せていたはず。


「まりあ。おちついて……わたしはだいじょうぶだから」


 イヴァンの今にも掻き消えそうな小さい声。

 私はすぐさま駆け寄って、ぐちゃぐちゃな体を抱きしめた。


「こんなになって、大丈夫な訳、ないじゃない……。やだ、やだ」

「だいじょうぶなの……」


 やめて。そんな声出さないで。貴方が死んだら、私は生きていけない。

 貴方といるときが、幸せなの。それだけが、私が一日を生きていく理由なの。


「なかないでよ」

「どうすればいい? どうすれば貴方は生きてくれるの? 教えてイヴァン、お願いだから、一人にしないで……。何でもする、なんでもするからぁ」


 イヴァンのことを愛している。

 そして、アイしている。


 彼女はもう、私なのだ。彼女の死は、私の死。

 やだやだやだやだやだ。目の前の愛しい人の顔がぼやけてよく見えない。


「だいじょうぶだってば。いまのわたしは、だいじょうぶ。マリアがまもってくれてるから。だから、なかないで」


 イヴァンの手が、私の眼から溢れる液体を掬った。綺麗な右手が、私の頬をさする。

 私は、それを掴んだ。さっきまで潰れていた右手を。


「あれ、イヴァン……」

「大丈夫。マリアが愛してくれたから、私も、エリクシアも、バレンシアも、大丈夫だから。ただちょっと、マリアのようにうまくはできないだけ」


 私と同じように、イヴァンの身体が治っていく。スピードは遅いけれど、瞬きをするたびに意識の隙間に溶け込む様に、着実に元の姿を取り戻していく。


 イヴァンが指さした方向を向けると、少し離れたところ、同じように部屋の隅ではエリクシアとバレンシアがぐちゃぐちゃになっていた。ただ、ゆっくりと元の形を取り戻し始めている。眼は閉じているが、息はしているみたい。


「どういうこと……?」

「マリアにもらった力なんだよ。私は付き合いが長いから、回復が早いんだ。私が一番マリアと長く付き合ってるからね。ふふ、嬉しい」

「イヴァンが嬉しいなら嬉しいけど。……私が、あげた?」

「うん。でもごめん、話しているのは後かも」


 イヴァンが視線を投げた先。

 そこには私の良く知る子がいた。私が愛している子がいた。奥の扉が開かれ、そこから出てきたみたい。


 笑顔になる私を、周りの環境が抑止した。

 白黒の身体、それはいつも見ている彼女。ただ、その体が安定していなかった。膨張したかと思えば収縮して、弾けて溶ける。そして、元に戻る。繰り返すその体は、歪だった。彼女の下には血だまりがあって、誰のものかもわからない臓器が転がっている。


「……シクロ?」


 私が声をかけると、こっちに振り向く。

 無感情な瞳で首を傾げると、次の瞬間。


 私の体は四散していた。


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