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私は吸血鬼じゃありません
李は一瞬、前屈すると宣教師の両足首を掴み、引き倒した。
「ウォッ」
宣教師は仰向けに倒れ、地面に頭を打ち気を失った。
李は銃を拾い上げ、腰帯に差した。
回りの家の灯りが着き、表に出る者もいた。
「どうしました」野次馬が聞くと李は「銃を突き付けられたので倒した」と言った。
李は野次馬達と宣教師を教会に運んだ。
「銃を突き付けた以上、死んでもやむを得ん」と李は思った。が、しばらくして宣教師は気を取り戻した。
「私は吸血鬼じゃありません」と宣教師は言った。
「では、何をしていたのだ?」と李が尋ねると宣教師は黙った。