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真夜中の教会
李は教会の前で気配を伺った。
人の気配は感じ取れなかった。
ここで扉を開けたら自分が不審者になる。かといって、扉を叩くのも深夜であり気が引けた。
結局、宿に戻る事にした。
その時。
いきなり、扉が開き、宣教師が出てきた。
宣教師は無表情に「何をしているのですか?」と李に聞いた。
返答に困った李に対し宣教師は「早く帰って寝た方が良いですよ」と言い扉を閉めた。
「怪しい」と李は思い、教会から離れ、しばらく様子を見ていた。
が、教会の様子は変わりなく、夜も更けてきたので宿に戻った。