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吸血鬼の噂
広東の深山
川が流れている
小枝の間から寺が見える
少林寺
境内で僧達が少林拳、棍法など武術の修行に励んでいる。
李英風は足刀、後ろ蹴り、後ろ廻し蹴りなど繰り出し見本を示し、僧達に指導していた。
「李先生、大師がお呼びです」僧が李に近ずいて来て言った。
室内
「最近、街に吸血鬼が現れたという噂が出ている」大師が言った。
「キョンシーですか?」李が聞くと大師は「いや、宣教師の姿をしている西洋人だという噂だ」
と言い、「何か陰謀めいた物と感じる」と加えた。
「陰謀ですか」李が言うと「街に行って真相を究明してきてくれ」と大師は言った。
「わかりました」と李は答えた。
大師は箱を手に取り開けた。
中には銃が入っていた。
「西洋人は銃を使う。念のため、これを持って行くが良い」と李に銃を渡した。
李は銃を手に取り「では、これから出発します」と言った。