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李英風勇戦吸血魔王  作者: 東武瑛
13/15

吸血鬼か?

教会では讃美歌を皆で合唱するなど不穏な様子はなかった。

李は宿に戻り、夕暮れ時、丘の上の教会へ出発した。

夕陽が李の白い上衣を紅く染める。

教会に着く頃、すっかり辺りは暗くなっていた。

李は中の様子を窺った。

人気は感じ取れなかった。

用心深く扉を開ける。

中には誰もいなかった。

中に入って歩く。

ギシッギシッと床が音を立てる。

ぽつぽつと雨が降ってきた。

雷が鳴り、稲光が走る。

雨が窓を叩きつけた。

バギッと音を立て床から男が現れた。

青白い顔をして目と鼻と口から血を流している。

李の額から汗が流れ落ちる。

男は李に近ずいて来る。

李が棍で叩いても男は動じない。 

李の首を掴み掛かって来た。

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