11/15
丘の上の教会
二人が丘の上の教会に着いた時、東の空から太陽が登り始めていた。
教会の扉を開けると中には誰もいなかった。
「逃げられたのか?」李が言うと「やはり夜中じゃないと来ても無駄ですね」と宣教師は言った。
「あなたの仲間は?」
「さあ、分かりません」
「では今晩、もう一度来てみよう」と李は言い、街に戻った。
李が去った後、教会の床板が開き宣教師達が出てきた。皆、生気なく青白い顔をしていた。
「変な奴に感ずかれたな」
「フフフ。恐れるに足らん」
宣教師達は不吉な笑いを浮かべた。




