表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ 始まりは星の綺麗なそんな日。

プロローグは簡潔に。



異世界転生。

最近よくそう言った物語が多くある。

平凡な高校生や中学生が神の悪戯か異世界に飛ばされる話。

よくある話だが、個人的には嫌いじゃない。

だって異世界だぜ?夢が広がるよな?

俺だって1度か2度想像したことはある。

自分が異世界で活躍してハーレムになってモテモテになるなんて、最高じゃん?

だけど……実際異世界になんて行きたくない。

別に今の世界も不況だ何だ言われてるけど、この世界から違う世界に行きたいなんて思わない。

アニメや漫画の続きも見たいし、なによりこの世界で培った思い出がある。

それを全部丸投げて、異世界に行ったって嬉しいなんて思えない。


それに、器が小さいと思うかもしれないが、俺は家族が好きなんだ。

父さんがいて母さんがいて、姉がいて、ポチもいる。

そりゃ、家族なんだから喧嘩もするが、一生離れて過ごしたいとも思わない。

だからせめて。




せめて……異世界に行くことがあるなら家族と一緒がいい。


……なんて、そんな非現実な事起きるはずもないけどな。

____


「……なぁんでこんな事になったんだろうな」


「さあね。神様のせいなんじゃない?」


「いやいや、姉ちゃん。流石に楽観としすぎじゃない?これどう考えても非常事態だよ?」


「こんなこと簡単に受け入れないんだから、ヤケよヤケ」


「こらこら。新太も舞も喧嘩しない。こんな時こそ冷静になりましょ。ね、あなた?」


「か、母さんの言う通りだ。新太も少し落ち着きなさい」


「そうは言うけどよ父さん」

1度首を回しそこらを確認する。


「どう考えても落ち着ける状況じゃなくね?」

俺たち家族5人。俺、姉、母、父、それと犬は今、山奥にいた。



少し考えて欲しい。家族で家の外に出て、星を見ていたらいつの間にか山奥に移動していた。



……いやいやいや。どう考えてもおかしいよね?


「本当にどうなってんだよ…これ」

頭が抱えたくなったその時、1つの声が聞こえた。


『ようこそ皆様。初めまして、神様です』

声と共に現れたのは、えらく派手な見た目の女性は笑顔を浮かべて近づいてくる。

髪は金髪、服は真っ白。背中には羽まで付けてやがる。


「星野家集合〜!」

俺がいきなり現れた自称神に声を発せずにいると、母さんが俺たちに集合を命じた。家族で食事をする時など、俺や姉さんも呼ぶ時のそれだ。


「な、なんだよ母さん。いきなり集合だなんて」

自称神さんを無視して家族で円になる。

呼びかけに応じて犬のポチも円に混じる。


「あの人、どう考えても変な人よ。逃げましょう」

母さんがひそひそ声で提案する。

「そうね。自分を神なんて絶対ヤバイ薬使ってる人よ。なんとか隙をついて逃げましょ」

姉もそれに同意する。

「お、お父さんも逃げるのには賛成だ」

「ワン!」

父もポチも関わり合いになりたくないようだ。

「だな」

かく言う俺もあんなのには関わりたくない。


「じゃ、新太があの変な女に注意を引きつけて。その間に私達は逃げるから」

姉はそんな無慈悲な事を提案する。

「ちょまてや!俺だけ置いて逃げる気だろ!」


「しょうがないじゃない。何とか隙を突いて1人で逃げて?後で合流しましょう」

こ……このクソ女。俺を餌にして逃げる魂胆か!なんて卑劣な……!


『お取り込み中すみません。早く話を進めたいのですが』


『⁉︎』

自称神は俺たちの円の中ににゅると現れた。

まるで瞬間移動したかのように。


『理解するのに時間はかかりません。ただ一言貴方たちには知って欲しいことがあるのです。それを伝えるために私はここにいるのです』

そう言って自称神は淡々と、俺たちにとっては大事な事を平然と。


『貴方たち家族は貴方たちのいた世界とは違う、いわゆる異世界に訪れました』




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ