俺と妹
静まり返った、教会の中に二人の男女が立っている。
「綾香。
俺と結婚してくれ。」
返事はすぐに帰ってきた。
「はい」
こうして俺らは結婚した。
第一章
その電話は突然かかってきた。
ぷるるるるがちゃ
「はい、もしもし」
「兄さ〜ん。
ドクペパなくなったからうえに持ってきてえ〜」
声の主は上の階の妹だった。
「まだ飲むのかよ。
もう買いに行かなきゃないぞ!」
「じゃあかってきて〜」
「ハイハイしばらく待っててくれ」
ぷち。
ハア〜
なんでおれっていつもこうなんだろうな。
そう考えながらも、財布を持って外に出る。
向かう先は、近くのコンビニだ。
ため息をつきながら俺はコンビニまで歩き始めた。
ここからコンビニまでは、歩いて約三分。
割と近いが、真夏の日光が照らすこの道を歩くのはとてもつらい。
じりじりと照らす太陽の中を俺は歩き出した。
俺の名前は、黒野時雨。現在高校二年生だ。
俺には三つ年下の妹がいる。
妹の名前は、黒野綾香。
俺のことを嫌っている中学二年生。
学校には通っていない。
だが、学校に行ってないのにどうしてだか、
とてつもなく頭が良い。
学校に行かない妹は、毎週末先生から届くテストで成績をつけてもらっている。
一応、カンニングとかしないように見てるんだが、とにかく問題解くのが速い。
しかも全問正解。
不思議になった俺は前に一度、
「お前、学校にも行ってねえのにどうしてそんなに頭良いんだ?」
と、尋ねたことがあるんだが、帰ってきた答えがなんつうかそのヤバかった。
「へ。何言ってるの。あんな簡単なのバカでもできるでしょ。」
だって。
中二の問題ってそんなに言うほど簡単だったっけ。
なんか、むちゃくちゃ面倒くさくてだるい記憶しかないんだけど。
それって俺だけかな?
そうこうしてるうちに、コンビニに到着。
ガラガラガラ。
「「いらっしゃいませ〜」」
店内には、店員のほか客が三名。
そのうち二人は普通のサラリーマンだが、もう一人は仏頂面のひげぼうぼうの男性だった。
俺はクーラーの聞いた店内を急ぎ足で歩く。
飲み物コーナーに行き、カゴの中にドクターペッパーを数十本入れる。
かごは、一気に重くなる。
俺は必死にかごを持ちながらレジへ向かう。
しかし、さっきの仏頂面のひげぼうぼうの男性が、ポッケとにてを突っ込んで先に並んでいた。
かごの中には、山のように商品が入っている。
「お会計、1万6212円でございます。」
レジのお姉さんは商品を袋にしまい始めている。
だが男は、まったく動かない。
「あの。どうかなさいましたか・・」
レジのお姉さんが、尋ねると男はポッケとから腕を出した。
その手にはピストルが握られていた。
気がついた時俺の意識はもうなかった。