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はじまり


何が起きたのであろうか・・・。

目の前でいきなり眩い光を発したスマフォ。

光に目を閉じ、暗転。

目をゆっくり開けると青空。

頬に周りの草が当たる。

首だけを動かし確認するが、周りにいたはずの友人たちの姿はない。

・・・おかしい。

動かない頭を必死に動かし、少し前を振り返る。




いつものように仕事終わりにファミレスに集まり、職場の愚痴や彼氏の愚痴、くだらない話をしながら騒いでいた。みんないつもと変わらない。高校から仲の良かった5人。1人が集まりたいと言えばみんなが集まってくれる。今日は、仕事のイライラが限界に達したため私がみんなを呼び出した。

「本当にありえん。なんで俺にあたるんだって話だよ。」

「それは、あんたが反抗しないからでしょ。」

はぁとため息をつきながらあきれたような目を自分に向けるのは、鈴木瞳。

はっきりと物事を言うタイプの彼女は、化粧をすればかなり大人っぽいのだが、すっぴんだと童顔。このメンバーの中では、お姉さん的な立場。

「仕方ないよ。それが蓮だもん。」

のほほんと、言ってきたのは、濱田雅。

雅とは小学校からの腐れ縁で、小中学校は違ったが、高校で同じ学校、クラスになりずっと仲がいい。みんなから可愛がられていて、精神年齢が低い。

「でも、溜めすぎちゃ駄目だよ?」

落ち着いた声で頭を撫でてきたのは、徳本莉子。

純日本人を感じさせる黒髪で、周りのことを客観的に見れる大人っぽい人だ。

「爆発してからじゃねー。当たるなら雅にしてね」

ニヤリと笑いながら言うのは、古田雪。

雅と2人で馬鹿をやってることが多い、元気でお調子者。

「わかってるよー。」

机にぐだーっと倒れながら俺、奥田蓮は言った。

溜め込みやすいタイプだと自覚しているので、みんなから言われていることに反論はない。


「あーどっか遠くに行きたい。」

「蓮の妄想がまた出てきた。」

「いつものこと。」

このメンバーは、オタクっとゆうか腐女子が多い。私、瞳、莉子は腐った思考も持っている。だから、このメンバーで集まるとアニメや声優、漫画の話になることが多い。

「で、何時までここで話す?」

次の日は休日なので、夕方から集まりもう日付が変わるちょっと前までファミレスで話し込んでいる。

「そろそろ帰っ『ブブブッ』る?」

雪の言葉を遮るように、5人の携帯が震えた。

「グループに写真送った?」

莉子が、瞳に視線を送りなが聞く。しかし、瞳は首を横に振った。

「ねー知らないアカウントからメッセージ来てる。」

俺はアプリを開いてメッセージを確認しながら言った。

「GODって名前の人から?」

雅もメッセージを確認しながら言った。

「雅が英語読めた!」

雪が驚いた顔をすると、みんなが笑い出す。

「もーそれはいいからみんなも同じ差出人?」

頷くと、みんな同じ反応をしていた。

「あなたが別の世界に行くなら、何が欲しい・・・か。」

メッセージを声に出して読むとみんなが苦笑しながら私を見ていた。

「なんでみんなして俺を見るのよ。」

「蓮、それ返事するつもりでしょ?」

瞳は確信を持ったように言う。その言葉にみんな頷く。

「いいじゃん。暇だし解散前に送ってみない?」

ニヤリと笑い周りを促す。

「まぁいいんじゃない?楽しそうだし」

雅が、話に載ると他の3人も仕方ないなっと言いながら返事を打ち出した。



暫く無言が続く。

真剣に欲しいものを書いていた。

「終わりー。みんなは?」

俺が聞くと終わった人は携帯から顔を上げた。

「じゃあ、みんな一緒に送信ボタン押すよ?」

瞳がそう声をかけたので、頷く。

「せーの!」

5人一緒に送信ボタンを押す。

・・・なにも起こらない。

「悪戯だったね。」

莉子が小さく呟いたので笑いがこみ上げてきた。

「悪戯じゃなかったらやだよー。」

笑いながら雪が言い出した。

「そうだね。じゃあこれで解散する?」

私がみんなを見渡しながら聞くと帰ると口々に言ってきたのでファミレスのお会計をひとりひとりしていった。



最後に私が会計を済ませ、先に駐車場に行っている4人に向かって歩く。

「蓮終わったねー。じゃ、帰ろ『ブブブッ』う?」

また同じタイミングで携帯がなる。顔を見合わせ無言で、自分の携帯を見る。そして、もう一度みんなと顔を見合わせ頷き、メッセージを確認する。

〔かしこまりました。では、皆様行ってらっしゃいませ。〕

メッセージを読み終わった瞬間、携帯の画面から強い光が放たれ、目を閉じると暗転した。




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