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凪のあるところは  作者: わろし
1/1

私、ナギです

基本的に3000文字前後となります。

一話一話短めです。

亀更新です。

  私の着ている服は、短いぼろぼろの腰巻と、ギリギリのブラのような水着のような胸当て。


 インドかどっかのジャマダハルと呼ばれる切るというよりも刺すということに特化した拳殴るように刺す武器と無駄にでかいロングソードの横幅も広くしたみたいな武器を背中に背負っている。動物の毛皮で巻かれているのだがきっと重さもきっと大変なことになっているだろう。


 それででかい、キャンピングカーほどのホッキョクギツネの上に乗っかってるのだから普通に考えるとかなり頭がおかしい人だろう。


 ジャマダハルとか変な知識はこれから要らないと思うので覚えなくて結構です。


 それでも私にとって、というよりは私の周りの人にとってこれは当たり前なことで、この服装などをしないということはこの一族の者ではないと言う事になる。


 さて、こころで気付いたかもしれないが私は地球という星の日本という争いごとの少ない、言ってしまえばぬるい世界ではないところにいる。


 ちなみに今の名前はナギだ。


 前世、といえば良いのか日本生まれ日本育ちだった私は虫一匹殺すことが出来ない慈愛に満ちた「良い子」だった。


 今の私は魔女ぐらい簡単に殺すことが出来るほどの精神の持ち主となってしまったが。


 それもあくまで精神の問題なので皆でやらないと無理である。


 一人で魔女を殺すなんてことはただの自殺行為にしかならない。


 この世界には魔物や魔人などそういう類のものが存在する。


 その中でも魔女は数がとても多く、一部の少数民族の間だけの話だが魔女狩りなんてことは珍しくない。


 私の転生先は狂戦士バーサーカーと呼ばれる、普通の人間には使えない場所を使ったり暴走するまで戦えたりする、とても強い戦闘民族だ。


 ガサツで乱暴なイメージだろうがあながち間違ってもいない、そんな戦闘民族だ。


 他はどうか知らないが、ここでは10歳のときに一人前になった証として一人で魔女を狩らなくてはいけない。


 私の同期の子たちはそれを難なくやってのけた。


 だが、私は10歳になっても11歳になっても魔女を狩ることが出来なかった。


 そんな私は、落ちこぼれと呼ばれ。


 いつまで経っても大人になれないといわれていた。


 確かに、前世では普通の家庭に生まれ普通の容姿で普通の人生を普通に生きて来たのだから一族全員に受け継がれている掘りの深いこの顔と青い髪金色の目や身体能力だけで満足してしまったのかもしれない。 


 それでも親や兄弟、友達に一斉に言われるのはクルものがあるのだ。


 そうやって生み出した私の秘策は、生まれたときから連れ添ってきたペギル(ホッキョクギツネ)のヴィアに乗ってそこらを散歩したりアクロバティックナギさんになって木から木へモモンガのようにぶらさがり飛び回り…。


 一見、訓練しているように見えるのだが5分でも見ているとすぐにばれてしまう。


 が、私のことを好んで見るほど暇な奴は居ない。


 見たとしても0,5秒がいいとこだ。


 そして今日もそれを実践していたところである。


 前世での私、荒川笹子あらかわささこは絶壁+骨なボディーを持ち、その上で何故か地黒というエネルギッシュのような繊細なような残念な感じであったが、今の私は苗字の無いただのナギで胸にメロン、いやスイカを2房ぶら下げたダイナマイトボディをしている色白美白になっておる。


 どちらの姿も獣のようだったが、獣といっても種類が違う。


 系統が違う。


 野獣からのプリンスみたいな、いや女だから野獣からのプリンセスか。

 

 ん、どっちも獣なんだからそれは駄目か。


 ならば、獣じゃないけどアヒルからの白鳥って感じかな。


 それはどっちでも同じなんだっけ?


 どちらでもいいが、色黒もやし(というか骨)がダイナマイト超えて戦車並みの破壊力を手に入れたわけだ。


 ところで、いつものことだが罵りタイムが始まったようだ。


 これは、私が勝手に呼んでいるだけだが一族の中でも中の下くらいの子が石を投げてきたり発音の悪い聞き取りづらい(聞いていないだけ)呪文を唱えてきたりしてくる時間がいつも同じ時間なためだ。



 「おーい、ろくでなしの役立たずー!ばーか!」


 なんというか、こう、レベルが低い。

 いつものことなのだが、いつものことであるのだが、何度聞いてもレベルが低いと思わざるをえない。

 そして、私の両親は一族の中でも最高ランクというか最強の名を誇る偉大な戦士だって言うのに、


 「おまえのかーちゃんでべそー」


 とか


 「どうやったらお前みたいなろくでなしができるんだー?親の顔が見たいぜー」


 とか。


 彼らは私より年下の7歳なので、現実的に考えると普通なのかもしれない。


 特に何も考えていない馬鹿って感じだし、いつも親などにナギのようになるなよと言われているのだろう。


 この世界では、レベルでランクをつけられる。


 例えば、私の父と母なんかはSSランクだ。


 さっきの悪ガキどもはAっていうとこだ。

 

 そして魔女一人が大体G~Aぐらいだ。

 

 なぜG~Aなのかといえば、魔女というのは魔法を使い生活している人のことでありある国では魔女や魔法使いは賞賛され称えられたりする者もいて気軽に魔女になることが出来るからでうじゃうじゃ新米魔女達がいるなかでその道を極めた魔女達は少数だがいるからだ。


 説明が下手だがとりあえず強い魔女と弱い魔女がいるわけだ。


 そして、最後に私のランクだがそれは、Cランクだったりする。


 上に行けば行くほどランクを上げるのは難しくなっていくのだがそれでもCは一族の中でも最低レベルだ。


 強さが全てのこの時代、一人悲しく苛められてるなんて言っても自業自得と言われるし、悪ガキどもが私より強いことは確かなのでそういう時はいつも最近見つけた洞窟に潜ることにしている。


 彼らが投げる石の速度は野球選手を軽く凌駕する。

 

 そんなもの当たってしまったら最悪死んでしまうかもしれない。


 それだけは嫌だ、それだけは阻止したい。


 せっかく転生できたのに近所の悪に石ぶつけられて死ぬとかマジで洒落にならない。本気で遠慮したい。土下座したい。笑い事にならない。


 そんなわけで、洞窟にやってまいりました。


 アクロバティックしたり石投げられたり洞窟に行ったり忙しいね私。


 洞窟の中は水が滴り潤っております。


 どこか青白い光が水に反射しキラキラと輝いてとても美しいです。


 いつもとは違うその風景に光のもとを辿っていくと、一人の女の人がおりました。


 

 「なっ、貴様!見たな!…ふ、ふふ、丁度良い、運の無いやつめ…この実験の最初の犠牲者になってもらうぞ!」


 …あれ、なんか展開速くない?


 「…よし、…これで人が来ても大丈夫だよね…うーん、あたし良く考えてるわー…」


 あれ?こっちに気がついてない?もしかして人が来た用の予行練習?


 誰かから逃げてるみたいだけど、話せばわかるかもしれない。


 「あ、あのーわ「き、きたぁー!わぁ、わぁあああああッ!だ、駄目だ、えっと、運の無いやつめ!貴様!じゃなくて、アタシ良く考えて、違う!…もういいや!」


 「…へ?」


 私が立っていた場所が急に青白く輝き始め、魔方陣のような形になった後、私の目の前から女の人と洞窟が消えた。


 いや、周りがどこかへ行ったのではない。


 私がどこかへ飛ばされてしまったのだ。



 

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