あの日の事を思い出す 中編~使用人目線~
はぁ。
疲れたー
短いのに疲れるって何なんだ私は
アキ……
リーゼロッテは深くため息をつく。
使用人の顔はおかしい汗でびしょ濡れ。
この質問は使用人達にとって地獄の質問なのだった。
答えたーー答えない
どちらも死刑。
首が飛ぶのは間違いない。
誰もこんな質問には答えたくなんかなかった。
「ねぇ?どう思う?………」
使用人達の喉をとおる唾の音。
「…………皆」
え?皆?
使用人達は全員顔を見合わした。
ミンナ。
そんな簡単な言葉。だが、使用人にとっては
最悪な言葉だった。
「早く答えて~」
嫌な汗が止まらない。
一方リーゼロッテはずっと笑っていた。
なんで笑っているのか。
それはリーゼロッテにもわからない。
「アキ?誰ですか?その人?なのでーす。」
突如口を開いたのは新人のレン・アルフォート
ほかの使用人は
終わった
そんな顔をしていた。
だが、リーゼロッテは死刑の言葉を口にせず。
ただ
「貴方気に入ったわ」
それだけいって
その場からさっていった。
レンには歓声がおこる。
やったな新人!
命の恩人だ!!
皆みんな讃えた。
「僕は本当にアキという人の事を知りたかっただけなのでーす。」
男とは思えない口調。だが、それも気に入られた理由のようだ。
「アキ?の事聞いてもいいですかでーす?」
使用人達は顔を見合わせ、代表者としてナミ・ラングウッドが
アキについて話しはじめたーーーーー