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融合魔物の冒険英雄記〜融合してみたら人間になれたオレ(ボク)、なんか特殊な能力【無力化】に目覚めたみたいなのでこのまま冒険するぞ!!〜  作者: みけ猫 ミイミ
第一章

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③☆冒険者登録と因果応報

冒険者登録をするためケルティムは書類に記入しようとするも……。

 少しの沈黙のあとラキセアは口を開き話し始める。


「相当、強い魔物と戦ったのね。気を失うほどの衝撃を受けて記憶の一部を失ってしまったなんて……さぞや、ツラいでしょう」


 心配に思いラキセアはケルティムをみつめた。

 その言葉を聞きケルティムは、なぜか申し訳ないような気持ちになり胸を締め付けられる。

 ・

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 ★

 ♧

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 間が長く続き堪えられなくなったケルティムは口を開いた。


「そんなに気にしてない」

「そう、それならいいのよ」

「そういえば冒険者登録ってできるのか?」


 そうケルティムは問いかけラキセアをみつめる。


「冒険者登録をしたいのね?」

「ノルンから聞いて登録したいと思った。だが育った国が分からないと駄目かもって言われたんだ」


 そう言いケルティムは不安な表情を浮かべる。


「考えても思い出せないのですか?」

「どうしても無理だった」

「それは困ったわ。書類には生まれ育った国を書くことになっているのよねえ」


 眉をハの字にしてラキセアはケルティムをみた。


「そんなん誤魔化しゃいい」


 背後から聞こえた声に驚きラキセアは振り返る。

 そこには、ボサボサの髪で髭面の体格いい男性が立っていた。


 この男性は、このギルドのマスターでゼサルーク・クロセアグである。年齢は四十六歳だ。


「マスター……ですが冒険者協会を欺くことになるのでは?」

「そんなことにゃあ、ならんだろう。そもそも冒険者なんちゃ、みんな名前や国なんて正確に明記してるヤツなんていねえぞ」

「そうなのですか?」


 今まで冒険者が登録の記載を真面目にしていると思っていたラキセアには理解できないようである。

 まあ全員が誤魔化していないのだろうけれども一部の者は色々な理由で偽り冒険者登録しているのだ。

 それらを冒険者協会が気づいたとしても黙認している。まあ問題を起こせば冒険者登録は抹消されるのだが。

 それらをゼサルークから聞きラキセアは、なんとか理解することができた。


「そういう事なら、まだ理由的にはケルティムさんの方がマシですね」

「そういう事だ。それで登録するんだろ?」

「勿論だ! これから旅をするのに必要だってノルンから聞いてるからな」


 満面の笑みでケルティムが応えるとラキセアは「分かりました」と下から書類を取りカウンターの上にのせる。


「それでは、ここに必要なことを記載してください。国に関しては、この島【コジスマリ島】と記載してくれればいいわ」

「今いる所って、そういう名前なんだな」

「居る場所も分からないのですね」


 そう言いラキセアは余りにもケルティムを不憫に思い涙を浮かべた。


「相当な魔物とやり合ったようだな。そんだけ立派な装備を纏ってんだ……かなり強えはずだ」


 見た目で判断してはいけない。


「強い?? このオレが? いや……そんなことない」

「ううん……ケルティムは強いよ。この村に来るまでにゴブリン……私と一緒に倒したんだから」


 それを聞きケルティムは「それってオレが全て倒したんだろ!」と言いそうになるも堪えノルンシェスをジト目でみる。


「そうなのですね。それでは闇魔水晶を持っているのですか?」

「……あーええと。知らなかったから持ってこなかったんだ」

「……ノルンシェスさん、まさかとは思いますが。ケルティムさんが倒したゴブリンの闇魔水晶まで持って来てませんよね?」


 そう問われてノルンシェスの顔から大量の汗が流れ落ちた。因果応報、自業自得である。


「そ、それは……ごめんなさい! その通りです」


 シュンっとなりノルンシェスは俯いてしまった。


「ボ……オレは元々闇魔水晶の価値を知らない。それに知ってたって冒険者登録もしてないのに持ってても仕方ないしな」

「確かに、その通りだ。だが、そうだとしたって嘘はよくねえわな」


 と言い放ちゼサルークは、ギロリとノルンシェスを睨みつける。

 涙目になりながらノルンシェスは一歩下がって床に跪き土下座をして「ごめんなさい」と何度も繰り返し謝った。

 それをみてゼサルークは深い溜息をついたあと「仕方ねえ……今回だけだぞ。次やったら冒険者カードを没収すっからな」と言い、ジト目でノルンシェスをみる。


「ぴゃい! もうしません」


 そう言いノルンシェスは今にも泣き出しそうだ。


「あ、あの……文字が書けなくなったみたいだ」


 ノルンシェスとラキセアとゼサルークが話をしている間に書類へ記載しようと思ったケルティムだったけれども文字を書けないのを思い出し困った。

 そのため誤魔化す理由を考え悩んだ挙句、辿りついた答えが一部の記憶を失ってるなら書けなくなったと言えばいいと脳内で話し合い纏めたのである。


「それは困りましたわ」

「……頭の打ちどころが悪かったみてえだな。そんじゃあ仕方ねえ。これは異例だが代筆してやる」


 そうゼサルークが言ったものだからラキセアは驚き目を丸くした。


「マスター……本気で言っているのですか?」

「ああ、マジだ。記憶がなくって書けんのじゃ仕方ねえだろ……違うか?」

「それは……そうなのですが。これでは規則があってもないと同じになってしまいます」


 眉をハの字にし困った表情になりラキセアはゼサルークへ視線を向ける。


「元々規則なんてあってもねえと同じじゃねえか」

「その発言よくないと思いますわ。それにギルドのマスターともあろうお方が言っていいことではないです!」

「ラキセア……お前は真面目すぎだ」


 そう言われラキセアは呆れた表情になった。


「いいえ! マスターが適当すぎるのです!!」

「オレの何処が適当だって言ってやがる!」

「私の代わりに受付をしてもらった時にだって、ちゃんと確認せず書類に受領印を押したり依頼書を適当に渡したりしてますよね?」


 意外に思ってることを口にするラキセアにゼサルークは、たじろいでしまい何も言えなくなる。

 理由はそれだけじゃなく、ラキセアの言っていることが本当だから余計にだ。


「まあ……今回は大目にみるとしましょう。しかし書くのは保証人としてノルンシェスさんお願いできますか?」

「はい! 勿論です。でも……そうなるとパーティーを組むことになるんですよね?」

「ええ、そうなるわ。そうしないと正規の手続きをすることができませんので」


 それを聞きノルンシェスは理解し頷いた。

 そばで他人事のように話を聞いていたケルティムは、ヤット解決したかと安堵している。


「じゃあケルティム! 分かる範囲でいいから教えてね」


 そう言われケルティムは、コクっと頷いた。

 その後ケルティムはノルンシェスに色々と聞かれ応えていく。そして段々ノルンシェスの顔が疲労で青ざめてくる。


「……説明どんだけすれば分かるのよ……疲れるんだけど」


 そう記入する度に色々と聞いたり、どういう意味なのかを説明したりで疲れてしまったのだ。


「もういいのか?」


 そうケルティムに問われてノルンシェスは、ゲッソリした顔でユックリ頷きラキセアをみつめる。


「ノルンシェスさん、お疲れ様です。それでは確認させていただきますわね」


 そう言いラキセアは書類を確認し始めた。


「記入もれはなさそうね。それでは冒険者カードに書類を収納します」


 新規の冒険者カードをカウンターの上にのせる。次いで冒険者カードに手を翳しラキセアは円を描いた。

 すると冒険者カードが発光し魔法陣が浮かび上がる。すかさずケルティムの書類を冒険者カードの上にのせた。

 それと同時に、ピカッと光ったあと書類と共に消える。


「凄い!? こんなことができるのか」


 そう言いケルティムは驚き目を丸くしていた。

読んでいただきありがとうございましたo(^_-)O


では次話もよろしくお願いします(*^ω^*)

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