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①★融合魔物(人間)誕生!!

新連載始動


♠♠♠♠♠


スライムのスイティムとスケルトンのケルドスは暇なため話をしているとあることを思い付き……。

「この通路って、どこまで続いてるんだよ!」

「そんなの知る訳ねえだろ!? 元はと云えば、お前のせいだからな! 神殿の探索なんて言わなきゃ……こんなことにならなかったんだ!!」


 どうみても異常者にしかみえない独り言を呟き神殿の通路を、ヘトヘトになりながら歩いている。


 この独り言を呟いてる水色のミディアムヘアの男性の名前は、ケルティム・イムルトン。一応は十八歳と本人たちが言っている。

 なぜ本人たちなのか? このことについては過去へ遡って話した方が早いだろう。


 ――時は三週間前に遡る……――


 ここはサイカシアと云う世界だ。地図上では大帝国のある大陸グルマジスが中心に表示されている。

 その中心から遥か東にはコジスマリと云う小さな島があって南東側にネクライの洞窟。

 この洞窟の一階層には誰も気づかないような薄暗く何もない狭い空洞があって比較的に弱い魔物の談話室のようになっていた。


 そして現在スライムとスケルトンが何やら話をしているようだ。


「人間って強えよな」

「うん……かなりの数の仲間たちが殺された」

「ああ……話が通じねえから言っても分からねえしなぁ」


 そう言いながらスケルトンのケルドスは岩壁に寄りかかり隣でピョンピョン跳ねているスライムのスイティムへ視線を向ける。


「外から来た人間と会話のできる仲間から聞いた話だけど。人間にとって魔物は脅威だから駆除するんだって」

「あーヤダヤダ……これだから話の通じねえってのは困るんだ。戦闘なんてしたくねえ穏やかな魔物だっているんだぜ」

「そう言ったって人間に分かる訳ないだろ」


 そう言いスイティムは、ハァーっと溜息をついた。


「それもそうだ。まあ、ここの洞窟には滅多に人間がくる訳じゃねえし……こうやってのんびりできるしな」

「うん、そうそう……暇すぎて能力の使い方を忘れそうだよ」

「そういや、スライムの能力ってどんなのがあるんだ?」


 そう問われスイティムは思い浮かべる。


「仲間と同じか分からないけど……ボクの能力は分離と融合、擬態化かな。他にも耐性関係も色々ある」

「……擬態化に融合か。面白そうな能力だな」

「面白いかどうかは分からない。実際に使ったことがないし」


 この洞窟での低級魔物は殆どやることがない。そう、みんな中級以上の魔物が人間と戦っているからだ。


「それって戦闘でしか使えねえのか?」

「多分、通常でも使えると思う」

「そんじゃ使ってみてくれよ」


 そう言われスイティムは嫌な顔をする。


「えーヤダよ〜……それに何と融合するのさ」

「確かに、それもそうだ」

「そういう事……だけど融合かぁ。多分、仲間がいればできると思う」


 そう言いスイティムは周辺を見回した。


「仲間ねえ……それって、オレじゃ駄目なのか?」

「どうだろう? 分からない……でも面白いかも。それに、できないかもしれないし」

「そうそう……できなくったっていい。いい暇つぶしになりそうだからな」


 そう言いケルドスは、カタカタと笑う。


「じゃあ、やってみるね」


 ヒョイッとケルドスの頭の上にのるとスイティムは「融合〜!!」と叫んだ。

 それと同時にスイティムの体が虹色に発光した。そのあと魔法陣が展開される。次いで魔法陣が、ピカッと光った。

 するとスイティムの体は溶け出しケルドスを覆い包んだ。その後、虹色に発光しながらスイティムはケルドスの体と同化していった。

 同化し終えたと同じく虹色の光が消える。


「……なんか変な感じなんだけど」

「ああ……オレもだ」


 何が起きたのか分からず困惑した。


「って……なんでスイティムが、オレの頭ん中で話してんだよ!?」

「それは、ボクの台詞だよ。と言いたいけど……同じ口で会話してる気がする」

「ん? そういや……どうなってるんだ」


 今の状況が分からず混乱し始める。

 だが、ふとスイティムは気づいた。


「もしかして、ボクの能力のせい?」

「あーそうか……ってことは成功したんだな」

「そうだね……じゃあ今度は分離を試してみるよ」


 そう言いスイティムは「分離!!」と叫んだ。


「「……??」」


 されど何も起きず不思議に思った。


「なんも起きねえぞ!」

「能力の使い方……間違えたのかな。もう一度やってみるね」


 再び【分離】の能力を使ってみる。


「やっぱり何も起きないや」

「どういう事だ? まさか融合したから属性が変って違う能力になったんじゃ?」

「分からない……調べてみる」


 それを聞きケルドスも能力を調べ始めた。

 それにしても同じ体の中に思考が二人分とは器用である。


「能力が変ってるよ」

「そうみてえだな。オレの生き返りの能力もなくなってるぞ」

「じゃあケルドス……人間に殺されたら、もう逢えなくなるんだね」


 そう思った途端、涙の雫が頬を伝い落ちた。


「なんか変な気分だ。オレが泣いてる訳じゃねえのによ……でも、そう思ってくれてありがとな」

「うん、でも……これって良かったのかも。お互いの気持ちが分かってさ」

「お、おお……そうだな。だけどよ……知られたくねえことだってあるぞ」


 それを聞きスイティムは「確かにそうだね」と納得する。


「それはそうと……これからどうする?」

「分離できねえんじゃ、どうしようもねえぞ」

「うん……そうだね。そういえば、ボク達って今どんな姿になってるんだろう?」


 そう言いスイティムは自分の手をみた。

 それを聞いたケルドスも手へ視線を向ける。


「人間の手!?」

「オレの手に肉と皮膚が付いてるぞ」


 自分たちに何が起きたのかと困惑した。


「何か確認する手段ってないのかなぁ?」

「全身をうつすヤツがあればいいんだが」


 そう思い立ち上がる。


「水なんかあれば顔ぐらいなら分かると思うんだけど」

「水かぁ……確か奥の方に大きな水溜まりがあったぜ」

「じゃあ行ってみよう」


 そう言いスイティムは歩き始めるが何時もの癖で飛び跳ねてしまった。そのため足がもつれて、バタンっと転んだ。


「イタタタター……そうだった! 跳ねなくても足があるんだっけ」


 そう言い苦笑する。


「ハハハハハ……気を付けてくれよ。オレまで巻き込まれるんだからな」

「ごめん……じゃあ歩く時は、ケルドスに任せるね」

「そうだな……その方が安全だ」


 そう話をしながら立ち上がり奥にある泉へと向かい歩きだした。


 ・

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 暫く歩くと地の底から、ポコポコ水が湧いている場所までくる。

 泉の周辺は、キラキラと虹色に光っていた。その光は地面だけじゃなく岩壁にも広がっている。よくみると、これは苔のようだ。

 そうなると泉の水が虹色に光ってみえるのは、この苔のせいのようである。


「何時みても綺麗な水溜まりだぜ」

「ケルドス、これって神秘なる泉だよ。もしかして、ここのことなの?」

「ああ、そうだ。なるほど……そんな名前なんだな」


 それを聞きスイティムは呆れて溜息をついた。


「まあいいか……それよりも確認しなきゃ」

「なんか、ドキドキするな」


 中腰になると恐る恐る泉を覗き込んだ。


「「……!?」」


 水面にうつる自分の顔に驚き無言のまま仰け反り尻餅をついた。


「なあ……今、水面に映ってたのってオレか?」

「正確には、ボクとケルドスだよ」

「そんなんどうでもいい! それよりも、なんで人間になってるんだ?」


 あり得ない姿になっていたためケルドスは戸惑っている。


「恐らく、ボクと融合してだと思うよ」

「そうだとしてもだ。よりにもよって……人間って、あり得ねえだろうが」

「そうかな? ケルドスって元は人間だったんじゃないの?」


 そう言われケルドスは「そういえば、そうだな」と納得した。

読んで頂きありがとうございます(=゜ω゜)ノ


では次話もよろしくお願いします(#^^#)

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