私の敵出没 ーーキャス視点
ふんふんふん。 楽しいお散歩ルンルン。 最近、ずっと悩んでいたこと。
お母様の病気のことが解決して、私は嬉しくて、ニンマリしてしまう。
今日は、なにしようかなぁ? 魔物退治もいいけど、おめかしして、のんびりピクニックに行きたい気分だな~
いつもはズボンだけど、スカートにしちゃお! 持っているのに一切履かないのは、もったいないしね〜
「キャス? 出かけるのかい?」
「うん! お母様はまだ、安静にしてなきゃ駄目でしょ?」
「ふふ。 そうね。 お前には、ずっと世話をかけたね⋯⋯」
「もう! やめやめ。 湿っぽいことは言わないで! じゃ行って来ます!」
この前来た、お医者さんにお母様を診てもらったんだ。 なんでも、勇者が生まれた場所に住んでいるんだって。 そして、今は再建中なんだよ。
会ってみたいな! 勇者さん! きっとかっこいいんだろうな~
そして、恋に堕ちるの! とても、ロマンチックじゃない?
そんなことを考えていたら、あっと言う間に到着!
ここは、私の秘密基地。 昔は立派な教会だったんだけど、今はもう廃墟だね。
私は、ここでのんびり過ごすのが好きなんだ!
「やあ! お嬢さん」
「え? 誰?」
ここは、秘密基地なだけあって、誰も近ずかないのに! 私の警戒レベルが上がります。 ーーまだ決めつけは早いかな? 迷子って可能もあるから。
「あれ? ズボンじゃなくてスカートを履いてる! あのキャスが⋯⋯」
はい。 変人確定です! 怖い、見ず知らずの人が私の名前を呼ぶなんて、しかも私の服装を勝手に、決めつけてくるし。 合っているのが余計に怖い。
私は、恥ずかしいくて、スカートの裾を抑えます。
「あ、貴方はなんですか!」
「⋯⋯名前なんてない。 あるのは称号だけ⋯⋯」
なるほど、黙秘権ですか。 じゃあ、適当につけてあげる。
「わかりました。 貴方の名前はゆう君ですね」
「⋯⋯ゆう君? どうしてその名前を!」
驚いた顔をする、彼。 ゆう君。
略さずに言うと、有罪変態だ。
「ところで君はどうして、ここにいるのかな?」
「⋯⋯君に逢いに来た」
「ちょっと待っててね。 ⋯⋯あ、このご飯食べてていいから」
「わかった。 待ってる⋯⋯」
私は、大急ぎで家に帰る。
「キャス? もう帰って来たのかい?」
「ううん。 ちょっと敵が現れてね」
「⋯⋯そうかい。 気をつけるんだよ」
「わかった」
私はスカートを脱いで、いつものズボンを履く。 そして、背中に大剣を背負った。 準備万端。 討伐開始だ!
「あ、キャス。 美味しかったよ。ご飯」
「⋯⋯そう。 最後の晩餐には丁度よかったようね⋯⋯」
「え? ⋯⋯あ! いつもの服装だ! やっぱり君はその方が落ち着くよ」
私は、両手で体を抱きしめる。 相手はとんでもない変態だ。 大剣を構える。
「うん? どうしたんだ? そんな剣呑な表情をして⋯⋯敵か?」
「敵は、お前だ!」
私は、彼を鷲掴みにするのであった。




