表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「その力は呪いだ」と婚約破棄されましたが、実は伝説の【星詠みの魔力】でした。今更戻ってきたい? もう遅すぎます  作者: 九葉(くずは)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

最終話

あれから、二年。


「奥方様ー! 今年もおかげさまで、麦が大豊作ですぞ!」

「星詠み様のおかげで、うちの孫の熱もすっかり下がりましただ! ありがてえ、ありがてえ」


ヴォルフェン辺境伯領は、かつてないほどの活気に満ち溢れていた。

わたくしの【星詠み】の力で天候を予測し、土地に適した作物を育てることで、痩せていた土地は豊かな実りをもたらす黄金の大地へと変わった。

時には、その力で病気の予兆を読み、人々を救うこともある。

領民たちは、わたくしを「星降る地の奥方様」と呼び、家族のように慕ってくれていた。


わたくしは今、公爵令嬢の窮屈なドレスではなく、動きやすいけれど上質な生地で作られた、シンプルなワンピースを好んで着ている。

髪も、きつく結い上げることはなく、緩やかに編んで背中に流しているだけ。

けれど、王都で完璧な淑女を演じていた頃より、今の自分の方がずっと好きだった。


「セレスティナ」


背後から、愛しい声がして振り返る。

そこには、領地の見回りから帰ってきたのだろう、少しだけ日に焼けた夫――リアム様の姿があった。


「おかえりなさいませ、あなた」


「ああ、ただいま。……また、領民たちに囲まれていたのか?」


彼は、少しだけ呆れたような、それでいてひどく優しい顔で笑う。

今や辺境伯領で、彼にこんな表情をさせられるのは、わたくしだけだということを、わたくしは知っている。


「仕方がありませんわ。皆、あなたのことが大好きなのですもの。……もちろん、わたくしも」


そう言って微笑むと、彼は少し赤くなりながらも、わたくしの腰をぐっと引き寄せ、その唇に優しいキスを落とした。

日々の、ささやかで、けれど何物にも代えがたい、幸せな時間。


「そういえば、王都から手紙が届いていたぞ。第二王子ご夫妻に、第一子がご誕生されたそうだ」


アルフォンス元王子に代わり、王太子となった弟君は、聡明で心優しい人だった。

彼はたびたび、辺境のわたくしたちを気遣う手紙を送ってくれる。


「まあ、おめでたいことですわね」


「……俺たちも、そろそろ……」


リアム様が、少し気まずそうに、わたくしのお腹のあたりに視線を落とす。

その言葉の意味を察して、わたくしの頬がカッと熱くなった。


「……あなたったら」


「はは、すまん。だが、本気だ」


彼は、わたくしの耳元で、囁いた。


「君と俺の子だ。きっと、夜空で一番輝く、美しい星のような子になるだろうな」


その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

わたくしたちは、顔を見合わせて、どちらからともなく笑い合った。


かつて、自分の力は呪いだと信じ込み、孤独の闇の中で生きていた。

けれど、今は違う。

偽りの評価に惑わされず、自らの真価を信じること。

そして、自分を理解し、愛してくれる人の手を、決して離さないこと。


わたくしは、この星降る辺境の地で、本当の幸せを見つけたのだ。


空を見上げると、昼間でも見えるという、この土地だけの特別な一番星が、ダイヤモンドのようにきらりと輝いていた。

それはまるで、わたくしたちの未来を、永遠に照らし続けると約束してくれているかのようだった

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

★~★★★★★の段階で評価していただけると、モチベーション爆上がりです!

リアクションや感想もお待ちしております!


ぜひよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ