ことのおわり
いままでほんとうにありがとうございました
久しぶりにアクセス解析してみたら
意外とみてくれるようなお優しい人もいて
本当に嬉しかったです
「ふーきもちー」
少女は風に連日のみつあみの癖のついた髪をなびかせる。そして、大きく息を吸いそしていっきに「やっほー」との声と共に吐き出す。
「一度、やってみたかったんだよね。やまびこ」
そう一人で勝手に呟くと笑う。幸せそうに楽しそうに――どこか邪悪に。
◆ ◆ ◆
キーンコーンカーンコーン
「え、えっとそのこっこれから……はっぁ朝のかひぃをはひへはふ……」
今日の日直の少女――四年生のとても恥ずかしがりやの少女――は、何時ものように顔を真っ赤にしながら話す。
だけど、その声をまじめに聞くものはやはり誰一人もいない。クラスの雰囲気は相変わらずガヤガヤした感じが消えない。――あんなことがあったすぐ後なのに、何故。みんなおかしいよ。絶対におかしいよ。どうして何も無かったように生きているの? だって私の斜め後ろの席の上には花が置いてあって……え? なんで? なんでそこに人がいるの? なんでネオ君の席に誰かが座っているの?
ネオ君の席には確かに座っていたのだ人が。タンクトップに短パン姿の背の小さい年の男の子が。じゃ、じゃあ葱の席にも!? いる……人がその席を確かに使っている。
なんで……ってもしかして、でもそんなことありえる?
とりあえず聞いてみよう。だれかに。
「あきちゃん、最近死んだ人といえば……?」
隣の席の二年生のあきちゃんこと宮沢亮にとりあえず聞いてみる。
「ちゃんづけでよばないでよ~。僕もう二年生なんだよ? 」
「だから、最近死んだ人っていえば?」
「うーん、そうだ三ヶ月前に三日月のおっちゃんが死んじゃったよね~」
やっぱりだ。やっぱり……忘れられてる。無かったことになってる。あの一連の全ての事件は。私以外の人はみんな忘れてる。
「どうしたんだよ? ぬーちゃんさん……。顔が真っ青だよ」
「あっごめん。ありがとう」
私はあきちゃんを安心させるために笑ってみせる。そうするとあきちゃんはその様子を見て安心したようにふっとおおきな息を吐き出した。ふっ甘いな。
でも、何故……何故みんなあの一連の出来事を忘れてしまったんだろう?
葱たち一家がネオに殺され、そしてネオのお父さんもネオに殺され、最後にみんなで集まって――えっ、なんで集まったの? 私たちは誰かを犯人って決め付けててそれで私がその人を弁護して……でもその人のことが何も思い出せない。何故か私の中にその人の記憶が抜け落ちている。
みんながその一連の悲劇を忘れなかったことになってしまったように……。
ちょっとまって、あと一人……いた気がする。あと、一人。
でも、きっとみんな覚えていない。だから、もうこれ以上考えるのは止めよう。これ以上考えたって何にもならない。きっとそう……。
その時、私のポケットから美しい浅葱色の刺繍の入ったハンカチが舞い落ちた。あくまで一瞬なのにとても長くゆっくりと時が流れている気がする。それを拾うと何故かとても懐かしく悲しいような気持ちになる。心のそこで感情という絵の具がグチャグチャと混ざって行くような錯覚に襲われる。
でも、その思いもある先生の一言を聞いたらすっと引いていった。
「えっと、そのあの、て……転入生がいます。ええっとみ――みればわかると、思います……が、その、あえっと」
確かに先生の隣には一人少女が立っていた。
嗚呼、デジャブ……。
まぁ、とにかくその少女を観察ってえ?
「はじめまして!! 猫耳魔法少女こと兎孔南羽って言います★ ヨロシクにゃん~」
……変なのが来た。
空気が凍って行くのをみてまたデジャブを感じる。どうやら、その人というのは変な転校生だったのかな?
◆ ◆ ◆
「ヘックション!! うあぁぁ、また誰かに噂された。今度はぬーみんかな?」
なんてね? 嗚呼、面白い面白かった。まったく仕事だと思ってたからここまで楽しいとは思ってもみなかったよ、本当に。嗚呼、楽しい楽しい。愉快愉快。
やっぱ人間サイコー。これだから地球の訪問は止められない。あーもう本当に天使ってずるいよ。いつでも楽しく人間と共に生きていけるんだから。尤も私にかかればそんな楽しい日々すぐに終らせられちゃうけどね。
本当に私に逆らって人間なんかを助けちゃうなんて馬鹿みたい。私の隣にいていいって資格を与えたのにそれを人のために捨てちゃうなんて本当にばか。もっとも私はそんな天使たちだから、そんな人間たちだから好きだってこともあるんだけどね。
だけど、今回は少し反省しなきゃ。たいして体力は使わないだろう何て油断して、生気のストックを多めにしなかったからあんな失敗しちゃったのよね。キャベツやら死んじゃった肉から生気を奪うなんてことしなければあんな大事にはなんなかったんだけどね~。やっぱ反省は大事。反省反省。
ま、そろそろ仕事場にもどんないとね。いつまでも光姫が不在だと光の国の奴らもだらけちゃうもんね。早く行かなきゃ。
ってアウチ!! うぁまたぶつかっちゃった。とりあえずこっちから謝ろうってえ?
「あえっと、ゴメンなさいにゃん……。きゃ、犬!! 逃げなきゃあぁぁっぁー」
そこにいたのはまがいも無く化け猫だった。
あー、面倒くさいことになりそう。でも、帰るしかないんだよね~。ちょっと名残惜しいけどさ。
んじゃ、あとは天使に任せた。
『取りあえず完』
http://novelnewwind.zashiki.com/
にて番外編書きました
にまちゃんの心理解析ですね
『隣』をよんでいれば、より分かりやすく読めますよ♪ 天使の話ですから
うぁ、ネタバレじゃん。
では気が向いたら続編書きます(今はちょっとVOICEで手一杯です)




