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新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


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仲間を野生に返す男

感想にブックマークなど、ありがとうございます。


反応があることを嬉しく思っております。



サトラの国の兵士さんには、

俺は王国の貴族だが、姫を〈精神的にも〉助けたのは間違いなく冒険者仲間の〈ガルドさん〉だから、


俺の事は、秘密でお願いします。


とお願いして。


ガルドさんのマジックバッグ〈特大〉に

オークの集団とオークナイトとオークキングを詰め込み、


馬の死体と壊れた馬車に、布にくるんだ兵士達の遺体も入れた後に、


ガルドさんに、


「このままサトラの国に行けば、冒険が出来ないまま社交シーズンになってしまう。


街が粗方出来たから、今年はお貴族仕事をしなきゃ駄目になるから時間が惜しい。」


と告げると、「ピン」と来ていない様子で、


「はい…」


と答えるガルドさんに、


「だから、ここから別行動です。」


と告げると、


ガルドさんは、真っ青な顔になり、


「申し訳ありませんでした。

どうか、お怒りをお鎮めくださいませ。」


とすがりつく。


「えっ?

お、怒ってないから、

やめて、お姫様が出て来て、憧れの騎士さまが〈これじゃ〉マズイから。」


と焦っていると、サトラの兵士さんが、


「ユウ様、多分姫はガルド様の為にメイクの真っ最中でしょうから、まだまだ出てきませんので、ゆっくりとお話を…」


と気を利かせて教えてくれた。


ガルドさんは、


「ご主人の足の早さに追い付けずに、参戦が遅れた事、誠に申し訳ありませんでした!」


と謝る。


「えっ、そんなの別に何とも思ってないよ。」


と答えると、


「では、オークキング戦に参加しなかった事でしょうか?」


と足元から、よじ登り

俺の腰に抱きつきながら泣きそうな顔のガルドさん。


「それも、姫様を守るのを優先しただけだから気にしてないよ。」


と答えると


胸までよじ登り、胸元から見上げてくるオッサン


「女性を助けるという憧れの状況を楽しんだ事でしょうか?」


と、聞いてくる。


べつに、需要と供給がガッチリ噛み合った結果だし〈胸焼け〉はしたけど、怒る事でもないしなぁ…


と考えて返事が遅れたら、


「ご主人様、やっぱりそうなんですね…」


と言って、俺の胸に抱きつき


メソメソしている。


…うーん、七面倒だし気持ち悪い、

中身がオッサンにまるごとオジサンが胸にすがりつく光景って…


ガルドさんは、


「あぁ、こんなことなら、ご主人様を巻き込む事を恐れずに、オークキングに〈スラッシュ〉を叩き込めば良かったぁぁぁぁぁ!」


と泣いているが、


〈おいおい、こわい、こわい、!

俺ごと逝くから止めてくれて良かったよ…〉


チラリとサトラの兵士さんを見ると苦笑いをしている。


ガルドさんは、


「ご主人様に見放されては、このガルド武人としての恩返しがまだ…」


と言ってるので、


「別に解雇でもないし、いつでもマヨネーズの街に帰って来たら良いけど、多分帝国も〈社交シーズン〉が来るでしょ。


このまま、こっちに居て、〈姫を助けた騎士さまチーム〉としてパーティーで挨拶まわりする訳にはいかないでしょ?」


と説明する。


ガルドさんは、


「では、1つだけお願いを聞いて下さいませ、


一旦マヨネーズの街に帰り、共を連れた後に狩りに出かけて下さいませ、


ご主人様の心は、ソロの冒険者でしょうが、


すでにその両肩には何人もの職員達に使用人の生活が掛かっているのですから…」


と心配するガルドさん、


「それもそうだね。


解ったよガルドさん、


ほら、姫を助けた騎士さまがこんなんじゃ、姫さまがショックだから。」


と、ガルドさんを立たせる。



暫くして、

マジックハウスの扉が開き、バッチリメイクのお姫様が出て来た。


〈さぁ、ガルドさん野生に返る時間だよ。


もう、悪い人間に捕まっちゃ駄目だよ〉


とラスカルと別れる主人公風の気分を味わっていた。


マジックハウスをアイテムボックスにしまい、


クロイを召喚すると、


サトラの兵士さんが、


「テイマーさんでしたか、オークキングを倒すとは、さぞや立派な従魔をお持ちなのですか?」


と聞かれたので、


「馬や牛や卵鳥ですね。」


と答えると、兵士さんは、


「テイマーは契約した魔物ステータスの一部を借りて強くなるらしいですから、もしかしたらドラゴンでもテイムしているのかな?と思ったのですが、


はずれましたか…」


と残念そうだ。


えっ、新事実、そうなんだ…




これ以上居ても仕方ないので、


「それでは、私はベンさんに報告に帰りますので、姫様をお願い致しますよ


ガルドさま」


とガルドさんに〈わざとらしく〉頭を下げてクロイに乗りその場を去った。



サトラの兵士さんは笑顔で頭を下げてくれ、

お姫様はガルドさんの腕に絡み付きながら小さくハンカチを振っていた。


当のガルドさんは、死にかけの魚の様な目で呆然としていた。




さぁ、ややこしいのはパスだから逃げよう。


さらばだ!勇者ガルドよ。





読んでいただき有り難うございます。

「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

宜しければ 「ブックマーク」 をお願い致します。


「評価」や「感想」を頂けましたら、

とても嬉しいです。


頑張って投稿しますので応援ヨロシクお願いします。




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― 新着の感想 ―
[良い点] テイムだけして放置でも、意味はあったのね~
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