表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/179

ドラグーン子爵に変わった男



謁見も終わり、従者控え室からトーマスさんが俺の所に来て、


「旦那様、陞爵(しょうしゃく)おめでとうございます。」


と言って俺の前で頭を下げる。


「しょう、しゃく?」


とアホ面をしていると、


「男爵から子爵へ〈出世〉成されました。


領地まで賜り、大出世でございます。」


と、喜んでくれるが、


俺はいまいち〈ピン〉と来ていない、


そして、別室で領地の軽い説明と、よく解らない手続きの後、担当してくれた文官さんが、


「子爵様、領地に関する手続きは以上です、この後、国王陛下が応接室でお待ちです。」


と言っていたが、


正直、もう、お腹いっぱい・胸いっぱいでゲロがでそうだ。


トーマスさん夫婦と応接室に入ると、

王族の方々とジェルバ公爵とガイルス辺境伯が座っていた。


国王陛下が、


「ドラグーン子爵、

この度は馬鹿共のせいで、色々と手間を掛けさせた、


許せ…」


と頭を下げる王様、


「国王陛下、お顔を上げてください。


皆様に聞きたいことが数点ございす。」


と、俺が言うと


「なんだ?申してみよ。」


と国王陛下からお許しが出たので


「ありがとうございます。


では、お伺いしたいのは、帝国の男爵領より百名以上の難民が我が商会を目指していると先程の聞きましたが、私は初耳でして…」


と俺が聞くと、国王陛下が


「おや?ガイルスから聞いておらぬのか?

そなたの購入した奴隷の家族が、家財も全て奪われ、行く宛もない状態らしく、困っていると、報告を受けたのだが、ガイルスが〈家族一緒にするのが一番〉とマヨネーズ…今はドラグーンだったな。


そなたの購入した旧市街地区なら受け入れられると申して決まったのだか?」


ガイルス辺境伯めぇぇぇぇぇ!


「陛下、旧市街地に百名ほど暮らせる土地はござますが、なにぶん、建物が古く、補強や手直しが、必要でございます。」


と、俺が慌てて話すと、


陛下が、


「それならば心配いらん

王都は馬車製作の木工職人の手が足りない程だが、家などを専門に作る大工の仕事はあまり無いので、木工ギルドに言って〈ロゼリアの町〉に向かわせた。


そなたの名前を出したら大層張り切って木工ギルドマスターが派遣してくれたらしい。


いくら金が無くなったとは言え、大工の手間賃などは王国が持つので安心せい。」


と答えた。


「ありがとうございます、陛下。」


と答えてみたものの、心配だ…


「それと、トーマスよ、

弟から聞いたぞ、諜報員としての腕は落ちて無いようだな。」


と爆弾発言があった。


えっ、元執事ではなく諜報員だったの?


と俺が、驚いていると、トーマスさんが、


「国王陛下のもとで各国を飛びまわっておりましたが、私のミスで大怪我を負って以来、妻が心配しますので、引退をしました。


今は何処にでもいる普通の執事です。」


と頭を下げる、トーマスさん、


ジェルバ公爵さまが、


「フフフッ、兄上、その通りです。

トーマスは、何処にでもいる、

諜報員の養子(むすこ)達を多数育て上げただけの普通の執事ですよ。」


と笑っている。

知らない事実がポロポロと出てくる。


奥さんのシルビアさんは〈暗殺者〉とかないよね?


「それと、陛下、

私の賜った領地の事なのですが…」


と質問すると陛下が、


「それはお茶でも飲みながらユックリと話そうではないか。」


とおっしゃり、

案の定、お茶菓子を作る事になった。


お妃さま達はそれだけが目当ての様だが…。


ミルキーカウが手に入ったから我が商会の特産物にバターや牛乳が加わった。


ちなみに、ミルキーカウは出産しなくても群れに仔牛が居れば成体のメスが授乳可能になる母性愛丸出しの種族だ。


おかげで頭数の割に搾乳量が多い。



さて、何を作ろうかな?


と迷って、2品作る事にした。


ベーキングパウダーなしの


ホットケーキとドーナッツだ。


今回はもう、料理人達が俺の作業を見学している。


ドーナッツ生地を作り、絞り袋に入れて、我が商会自慢の植物油〈今回は贅沢にクルミなどのナッツ油〉を使って揚げていく。


カリっとした外側の素朴なドーナッツが完成した。


一つ作っただけで、あとは料理人達が俺よりも上手にクルリと丸いドーナッツを量産していく。


そして、ホットケーキでも同じ現象が起きている。


流石は本業、基本の性能が違うようだ。


いつもの、毒味という名の試食が終わり、皆が食べ始める。


ワイワイ、ガヤガヤとお茶を楽しみ、

ドーナッツやホットケーキについて色々と質問に答えて、


〈お茶会に使いたいので、〉


となり、商業ギルドマスターが、城に呼ばれレシピの登録する事になったが、


ドーナッツとホットケーキパーティーは続いている。


ガイルス辺境伯が、


「昨日のカレーも旨かったが今日の甘味も旨いな、ドラグーン子爵よ!」


と言ったものだから、


結局、ギルドマスターを待つ間にカレーも作るはめになった。



いい加減、領地についての質問に答えて頂く事は出来ませんでしょうか…?



読んでいただき有り難うございます。

「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

宜しければ 「ブックマーク」 をお願い致します。


「評価」や「感想」を頂けましたら、

とても嬉しいです。


頑張って投稿しますので応援ヨロシクお願いします。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ