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新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


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ドラグーンとゾンビと男

日間 転生・転移ファンタジーで、202位に成っていました。


皆様のお陰です。


誠にありがとうございます。


サンダーに格好良く〈まかせておけ!〉と言ってはみたものの、


〈ドラグーン〉だ、


前足が翼のワイバーンの最上位種で、


ドラゴンの一歩手前のランクの魔物。


ワイバーンとの一番の違いは、その大きさと、ドラゴン程の威力はないが、何かしらの〈ブレス〉を出せる事だ。


空を飛び、ブレスを出すだけで、


〈地竜〉より遥かに厄介だ。


〈A級〉推奨の魔物だがら、サラを近距離で参加はさせれない


いざとなれば、クロイの〈バリア〉でサラを守るとして、


リオとガルとプラは…


空の敵にはほぼ無力、地上に叩き落としたら攻撃を与えられるが、


あと、プラはクロイの近くでお留守番して貰う。


…ほぼ一人で何とかするしかないかな?


サンダーの鞍は壊れて今は無いらしい、


空中戦は作戦項目から外れた。


皆が起きて、サラ達に状況を説明して、


作戦を決める。


サラが、サンダーの飼い主を倒してあげるだけで良いから、ドラグーンとは話し合えば?


と言い出した。


確かにドラグーンも俺もサンダーの元主人の〈ブラックさん〉が相手だから、敵の敵は見方理論が立つ、


問題は〈ドラグーン〉が人間嫌いの可能性がある、


〈魔物鑑定〉してからだな、


道案内はサンダーに頼むとして、


「俺以外は離れて布陣して欲しい、

本当は俺一人で奇襲を掛けたいのだけど、万が一が有るから、俺が殺られたら逃げて商会の皆に報告して欲しい。」


と伝えると


「嫌だよ兄貴!」


とサラがグズる。


「サラ、〈万が一だから〉落ち着いて。


ドラグーンは夫婦らしいから下手をしたらサラ達の方に向かうかも知れない、


防御は〈クロイ〉のバリアと皆の機動力による回避だ。


プラとサンダーはクロイの側を離れないでね。


ドラグーンが何とか成ったら、


少し近くに来ても良いけど、ドラグーンのブレスが怖いから最初はクロイのバリアを頼ってね。」


と作戦というか、注意事項を告げてからキャンプを片付け、サンダーの案内で、〈ドラグーンの巣〉に向かう。



高原地帯を進むとなんとも言えない深い窪地が見えてきた。


クレーターかな?と考えたが、


どちらかと云えば、地下水脈の水が無くなり崩落した様な空洞で、


中に広い空間のある、


手前が崩落したのか急は坂道になっており、空洞の底まで降りれるが、


降りた先が既に戦場だった。


「皆はここで待機してて!」


と指示を出して、〈隠密〉〈忍び足〉スキルでドラグーンと全身鎧の戦士が戦っている場所を目指す。


近づいて魔物鑑定を双方に掛けようとして、あることに気がつく。


一匹しかいない?


サーチを掛けると空洞の端にぐったりしている〈ドラグーン〉が居た。


ブラックさんに、遂に倒されたのだろうか?


あと、一匹を倒せば、残すは戦士だけなのだが…


と考えていると、中央に有る卵を見てしまった。


索敵で、卵の中の雛が動くのを…


あの子供には罪はないし、〈ブラックさん〉を倒せばいい。


パパ・ママを倒さずに何とか成らないかな?


と、考えている間にも、

ぐったりしている方のドラグーンの命が消えそうだ。


慌てて魔物鑑定を掛けると、


〈ウィンドドラグーン〉

〈ウィンドブレス〉〈飛行〉〈頑強〉〈風の牙〉


〈好感度 中〉



〈中〉って、イケるのか?

と不安になったがダメで元々だ!


と、ドラグーンの頭に近づいて、アイテムボックスからハイポーションを出して飲まそうとするが、口を開けて飲ませられるサイズではない。


アイテムボックスから改めて〈マジックポーション〉を取り出して、


ドラグーンに〈ライフヒール〉を掛けながら呼び掛ける。


「しっかりしろ、卵がもうすぐ孵るぞ!


パパかママかは知らないけど、頑張れ!」


とライフヒールを掛け続ける。


魔力がドンドン流れ出る感覚がある。


〈マジックポーション〉を飲みながら、つぎの一本を用意して、


ドラグーンを回復する。


二本目を飲んでいる最中に


〈スマナイ、人間、もう大丈夫だ。〉


と声が聞こえた。


「良かった、回復が効いて、」


とホッとした俺に


〈人間よ、なぜ我を助けた?〉


と聞いてくるドラグーン


「俺はあの戦士の仲間のペガサスに


〈彼を倒して呪縛から解放してくれ〉


と頼まれた者だ、


俺が彼を倒すから、君達夫婦には戦いを一旦止めて欲しいんだ。」


とお願いする俺に、


少し考えるドラグーン、



そして、心を決めたのか、


「グオォォォオォォォォ!」


と吠えると、もう一体がピタリと戦闘を止めて戦士を睨み付けながら空に舞い上がった。


夫婦揃って空洞から出ていく〈ドラグーン達〉


出ていくドラグーンを見送った戦士は卵の側に陣取り、岩に腰を掛けて空を睨んでいる。


…完全にドラグーンのみを狙い続ける地縛霊みたいな〈ブラックさんだったソレ〉に魔物鑑定を掛ける


〈ゾンビ騎士〉

〈装備効果上昇〉〈アンデット〉〈怨念〉


〈友好度 無〉


まぁ、会話は無理なのは予想してたけど、


〈ゾンビ戦士〉の上位種の〈ゾンビ騎士〉なのは、ちょっとヤバいかな?


このまま攻撃すると卵を巻き込む、


本当は嫌だが、ブラックさんと正々堂々の一騎打ちをするしかない。


サラ達がジリジリ近づいてくるので、


「まだ駄目だ!」


と叫ぶと、サラ達がその声に気づいたが、〈ゾンビ騎士〉にも気づかれた。



まだ距離があると油断していせいで、


ゾンビ騎士の攻撃をかわしきれずに腿をザックリ切り裂かれた。


傷口が氷っている。


〈魔法剣か!ドラグーンを瀕死まで追い込んだから遠距離攻撃が有るのが普通だ…


油断した。〉


ハイポーションを飲みながら、手で氷った傷口を温めつつ、〈ライフヒール〉も掛けていく。


二本目のハイポーションで動ける様になった。


魔法剣のクールタイムが済んだのか、また剣を構えている。


念のために〈マジックポーション〉を飲んだあと、騎士との遠距離攻撃合戦に移る。


騎士の飛ぶ斬撃を〈アースウォール〉で防ぐが、相性なのか一撃で崩れ落ちる壁、


お礼に〈集中・ウィンドカッター〉で手首を狙うが、魔法が鎧に当たった瞬間、あからさまに威力が下がり相手に傷ひとつ付けられない


驚いているとサラの声が響いた。


「鎧はぁー、風属性効かないよぉー!」


…サンダーさん、そういうのは先に言って…



試しに〈集中・ファイアアロー〉で目を射抜く。


「うぁぁぁあぁぁ!」


と苦しんでいるので効いている様子。


ならばと


クールタイムの間に近くに寄り、


「ピットホール!」


とブラックさんの足元に深い穴をあけた。


10メートル近く落ちたブラックさんは壁をよじ登ろうともがいている。


俺はアイテムボックスから〈魔杖〉を出して、


〈ターゲット〉で鎧の継ぎ目を狙い


〈集中・ファイアランス〉


を連続で打ち込む。


収束されたファイアランスはナイフ程の大きさになり、騎士に刺さっては燃え上がる。


サラが風呂にぶちこんだ〈ファイアランス〉より遥かに威力が高いのは〈魔杖〉のせいだろう。



「うわぁぁぁぁあぁぁぁぁ!」


という人間らしい断末魔に罪悪感を覚える。


しかし、肉体を燃やし、魔石を砕かなければ何度でも時間を掛けて復活するのがアンデットだ。


嫌な匂いの煙がたち昇る…


燃やされ、

骨だけになったのかガラガラと崩れ落ちる騎士、


目を凝らすと胴鎧の側に魔石が転がっている。


アイテムボックスで杖から工房特性の魔鉱鉄の弓に持ち替えて、


〈ターゲット〉を使い魔石を狙う。


「ヒュン」と鳴った弓から打ち出された矢は、10メートル下に転がる魔石を砕いた。


白いモヤが魔石から抜け出て空中に溶け込み消えていく瞬間、


〈感謝する〉


と聞こえた気がした…


後味が悪い戦いを何とか制した。



さよなら〈ブラックさん〉生きてる間に逢いたかったよ…






読んでいただき有り難うございます。

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