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新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


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露天風呂を作る男

累計 10,000 PVを超えました。


ありがとうございます。


羊泥棒騒ぎで昨夜は大変だったが、

一夜明け、羊達はモリモリと元気に草を食べている。


川で歯を磨きながら、目ではペガサスの姿を探してた。


〈来てないなぁ…〉


すこし、がっかりしながら朝飯の準備にうつる。


マジックハウスからサラと高原狼が仲良くでてきて、


「いっぱい食べなきゃだよ。」


と何かサラが話しかけている。


仲良くなったみたいだな。


朝日の下で見た高原狼は、よくぞ生きていたと云うくらい、


ガッリガリだった。


コリャ栄養価の高いおやつでも特別で用意してやるかな?


などと考えながら仲良くなった二人を眺めていた。


〈名前を決めてやらなきゃな


高原狼のメス…プラトーウルフ…


〈プラ〉で良いかな?〉


考えていたら。


「良いと思う!

プラだって、ヨロシクね。」


とサラに発表されてしまった。


「名前はプラでいいかな?」


と本人に聞くと、


〈勿論です。ありがとうございます。〉


と言った後で、プラはリオの前に行き、ゴロンと腹を見せた。


リオの下についた様子のプラ、


困ったのはガルである。


俺を見て、サラを見て、

リオを見てから、もう一度俺を見る。


そして、プラの前に行き、

〈ヨッコイショ〉と腹を見せるガル…


女性陣の下につくと決めたらしい。


〈偉いぞ、威張らずにプラに気を遣ってくれて。〉


と思っていると、


「本家のナンバー2が分家のリーダーより格が上なのは当たり前だよ。」


と、サラが難しい狼の事情を教えてくれた。


そ、そうなんだ。

頑張れガル…



朝飯を食べて、クロイを荷馬車モードにして、〈モコモコシープ〉を荷台に積み下の村に向かう。


村長にモコモコシープを二週間ほど預かって欲しいと頼み、小金貨五枚を渡した。


「こんなに沢山要りません」


と村長は三枚返してきたので、


「村にいる間にモコモコシープ達の毛刈りを頼みます。」


と改めて三枚渡すと、村長が、


「お任せ下さい、男爵様」


と引き受けてくれたので安心してキャンプ地に戻った。


さて、昼になってしまったが、今からミルキーカウ探しも厳しい、


リオとガルに

〈自由に狩りをして良いけど


牛を見つけたら報告すること、


無茶はしないこと、〉


と注意して〈つまみ食い有り〉の狩りに行かせる。


〈わーい!〉


と走り出す二頭、


プラはまだお休みで、俺たちとオヤツタイムである。


屋敷にいる時に作った〈バタークッキー〉を食べている。


プラにもやってみたら〈ポリポリ〉と食べて、


〈美味しい、ご主人様これは何の魔物ですか?〉


と聞いてくるプラ


まぁ、野生だから仕方ないよね。


「作物を使って作ったんだよ。」


と説明したらビックリしていた。


野生の熊がリュックを奪って食べたお菓子の味を求めてリュックを持った登山者を襲う話を聞いた事があるが、


野生に無い味を食べたプラは今、凄い衝撃を受けているのかな?


今も余韻に浸っている。


よっぽど旨かったみたいだ。



さて、夕食迄に風呂の準備を始めるか、


と、オヤツタイムを切り上げた俺は、

スコップ片手に小川の横に穴を掘っていく。


〈ピットホール〉なら一発だが、埋め戻す土まで無くなるので、汗を流しながらせっせと湯船を掘っていく。


良い感じの穴が空いたら川から水路を引き穴に水を貯める。


もう、今すぐ風呂を沸かして入りたいけど〈クリーン〉と〈ドライ〉で我慢した。


夕方、リオとガルが戻ってきた。


〈お土産デス。〉


と口に咥えた魔石をくれたが、中々の大きさで、身体中を返り血でベトベトにさせながら


〈げふぅー、晩飯は要りません〉


とゴロンと草原で寝転んでいる。


なに食べてきたの?


風呂に入れたいが、もう動きたくないみたいだから、〈クリーン〉をリオとガルにかけておく。


クロイは高原のフレッシュな草をたべて腹いっぱいになりリオ達の側で座り込んでいる。


プラにブロック肉をだして、

サラと俺はパンとスープで済ます。


釜戸で河原の石を拾い焼いてから湯船に鉄バケツで運び放り込む


〈ジュゥゥゥゥ〉と音が成り、水温が上がるが、


調子に乗って、少し大きく作り過ぎたようだ。


〈コリャあと何往復だろう?〉


と悩んでいたら、


「兄貴、なにしてるの?」


とサラが聞いてきたので、


「焼いた石で水の温度を上げているんだけど、ちょっと大きく作り過ぎたから、お湯にするまで大変だなぁー


ってなってたんだ。」


と説明したら


「兄貴、まかせて!」


と言って、湯船の真ん中に〈ファイアランス〉をぶちこんだ。


〈ばっしゅうぅぅぅぅぅ!〉


と音が成り少し熱めのお風呂が出来上がった。


「さぁ、兄貴先に入って、アタイは後から入るから。」


と師匠思いの弟子が〈一番風呂〉をすすめてくれた。


「いいのかい?


ありがとう、先に入らせて貰うよ。」


と言ってから、小川の側の木の下で服を脱ぎ布を腰に巻き、ゆっくりと湯船に浸かる。


「あぁぁぁぁ

いい湯だぁぁぁぁ。」


魂の奥底からの声がでる。


「最高だな。」


と呟くと、


「本当に最高。」


とサラが答える。


サ、サラ!


「なんでサラも入ってるの?」


と素朴な疑問を投げ掛ける俺に、


「何いってるんです。〈後から入る〉って言ったじゃないですか。」


としれっと答えるサラ


〈忍び足スキルまで使った確信犯だが、

デカく作り過ぎたし、冷めても良くない…仕方ないな。〉


「上がる時は言えよ、あっち向くから」


というと、


「布巻いてるから大丈夫です

むしろ、兄貴に見せに来たぐらいなのでご心配なく。」


と俺に告げるサラ


これこれ、オッサンをおちょくるのはダメだよ。


と思いながら見上げた夜空に、こぼれ落ちそうな数の星が、煌めく。


「サラ綺麗だよ見てごらん。」


と星を指差す俺、


「い、いきなり〈綺麗だよ〉って

ど、どうしよう!!」


と頭から湯気が出そうな真っ赤な顔でアワアワしているサラ


「いや、星、星だよ。」


と説明したのだが、


「アワワワッ、欲しいだなんて…


あと、二年待って下さい!」


と言ってソソクサと風呂から上がってマジックハウスに帰っていった。


なんだか盛大な勘違いをされた様だが…


年頃の娘さんは良く解らないな…



もう、風呂を楽しんで寝ることにした。


その夜、いつも以上にサラがくっついてきた。



やっぱり暖まりきらずに、お風呂から上がるから冷えたのだろう。




読んでいただき有り難うございます。

「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

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