昇級とかに慌てる男
領都ロゼリアに戻り、冒険者ギルドに向かう。
受付の職員さんに、
「地竜倒したので買い取りをお願いたいのですが、
皮と鱗と角と爪と牙は売らずに、あとの肉とかは丸ごと買い取りお願いしたいです。」
と伝えると、
「ユウさんアイテムボックス持ちでしたよね?」
と確認されて、
「はい、時間停止してあるので新鮮ですよ。」
と答えると、
職員さんは、他の職員さんに、
「親方に新鮮な地竜が入ると伝えて。」
と伝言を頼み、
「血と目玉と心臓は買い取りで良いのよね?」
と真剣に聞いてくるので、
何に使うんですか?
と聞くと、
「高名な錬金術師が、良いマンドラゴラが手に入ったから、病気は治せないが体は完璧に治せる〈エクストラポーション〉を作りたいと依頼を出しておられてまして、なかなか新鮮な竜の血が手に入らなかったので…」
と説明してくれた職員さんに
「討伐、納品の依頼料金は要らないから、完成した〈エクストラポーション〉を一本分けて欲しいと、依頼主にお願いできませんか?」
て聞いたら、職員さんは
「お願いはできますが、お約束は出来ないですよ。」
というので、
「構いません!」
と返事しておいた。
そして、
「それと、〈山ネズミ〉が五百ほど…」
と、切り出したら、
職員さんが、
「フッフッフ。
そんな事だろうと思いました。
しかし、ギルドもただ〈ユウさん〉の乱獲ぐせの対策をせずにいた訳ではありません。
王都の本部に相談したところ、何故か幹部職員さんが出て来て、アイテムボックス持ちの職員を派遣してくれましたから、
どーんと置いて行ってください。」
と怖いくらいの笑顔でいわれた。
地竜の一部の素材と、山ネズミの魔石を50ほどは売らずに、解体後に受け取りになる、
料金も後日だが、結構な金額になりそうだ。
よし、帰るか!と思ったが、
ギルド職員さんが、
「次の手続きですね。」
と言い出し帰らしてくれない…
なんだろう?
「〈C級〉サラさん、
ポイントが貯まりましたから、〈B級〉昇級の対応依頼を達成で〈B級〉になれますがどうなさいます?」
とサラが聞かれた。
「今帰ってきたばかりだから次回考えます。」
と答えていた。
「師匠みたいに一年以上〈C級で十分〉とか言わないでくださいよ。」
と職員さんに嫌味を言われたが、サラは
「アタイ、師匠っ子だから真似するかも…」
と職員さんにやり返してくれた。
〈良くやった、サラ〉
職員さんが、「止めて下さいよぉ」
と懇願していた。
よしよし、気分がいいから帰って晩飯にするか。
と思っていたら、
「ユウさんもまだですよ!」
と言われた、
?…
「ユウさんは、数々の〈A級〉推奨依頼やダンジョン20階層のボス撃破、遺品回収など、あとは、馬鹿みたいな魔物の買い取りの成果により、
〈A級〉に昇級しますと本部から通達がありました。
おめでとうございます。
それと、本部の遺品管理課の職員から、〈数名の家族が向かいましたので、宜しくお願いします。〉と伝言がありました。
以上です。」
と報告を受けて、ギルドカードを提出した。
帰ってきたカードは金色に変わっていて〈A級〉の文字が刻印されていた。
A級は嬉しいが、
サラのB級昇級依頼もあるし、
冒険者遺族が来るのか、
仕事は有るが、家が無いかも…
ベンさんにお願いしなきゃ。
どれからやるのが良いだろう?
とりあえず〈ネズ〉の登録しとくか…
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