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新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


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本腰を入れる男



ガイルス辺境伯領の領都に戻った翌日、俺は、ベンさんの案内で、商会関係者に挨拶周りをしていた。


頑張って会長らしいこともせねば!


サラとガルも今日は冒険を休みにして、俺に付き合ってくれている。


「サラお土産の〈テイマーの腕輪〉と〈アイテムボックス〉の具合を見なくていいのか?」


とサラに聞いたら、


「兄貴と冒険する時にするから要らない。」


と言っていた。


まずは、孤児院からだ。


院長先生に大変感謝され、


「卒院生の就職先だけではなく、孤児院の子供達の収入も考えて頂き誠に有り難うございます。」


と言っていたが、


「就職するのどの子?」


とベンさんに聞いたら、


「端の少女で名前はベラと申します。」


と紹介してくれた。


少女に近より、


「えーっと、ベラちゃん、

初めまして、バロンマヨネーズ商会の会長、ユウ・ツチヤ・マヨネーズで、

ついでに男爵もしています。


宜しくね。」


と言うと、ベラちゃんはゼンマイ式のオモチャの様に、ぎこちなく歩み出て、


「お世話になっており、おり、おぉぉぉ。」


ヒップホップ系なのかな?


真っ赤になり黙ってしまったベラちゃんに、


「ベラちゃんの得意な事とか、好きなことを教えてくれるかな?」


と優しく聞くと、パァっと笑顔になり、


「コッコちゃんのお世話が好きです。

アイテムボックスが有るので、卵を1人で運べます。


…すみません、それだけです。」


と急にしょんぼりするベラちゃん、


俺は、ベンさんに、


「素晴らしい職員を採用したな!」


と褒めたあと、ベラちゃんに



「ベラちゃんには、マヨネーズ工場への材料運搬責任者になって貰います。


毎朝産みたての新鮮卵を工場に運ぶお仕事で、たまに植物油やお酢を運んで貰いますが、毎日コッコに逢えますよ。」


と伝えると、花が咲いた様な笑顔で、


「本当ですか、早く職員になりたい!」


とはしゃぐベラちゃんに


ベラちゃんが早く成りたいのが…職員…。


と要らぬ事を考えながら孤児院を後にした。


次は、お酢醸造所に使っている倉庫…って、


工房組の職人通りの左側の裏通りのデカい倉庫だった。


ベンさんに、


「ここもどれくらい買いました?」


と聞くと、


「職人通りの左側から次の大きい道迄全部です。」


と答えたベンさん、


怖い、怖い、古くなって再開発とはいえ、ほぼ丸々買いとってるよ?!


「ベンさん、お金は足りるの?」


と聞いたら、


「ユウ様、プリンの人気が各領地に広がり、商業ギルドからかなりの使用料が毎月入っておりますし、スポンサーからの出資金に、ユウ様からの大金貨三十枚で、ここら辺一帯は買収済みです。」


と怖い事を言っていた。


資金不足も怖いので、大金貨50枚の革袋をベンさんに渡したら、ワクワクしながらマジックバッグにしまっていた。


修道院の院長さんにお酢醸造所の倉庫で初対面したのだが、


「修道女達は男性が怖い者が多く、挨拶も出来ませんが、お仕事はキッチリ致しますので、何卒宜しくお願い致します。」


と、頭をさげてくれた。


仕方ないよ、苗床経験があるから男は怖いだろうし、子供を見ても思い出すだろうから…


受け取りは〈ベラちゃん〉に頼むから大丈夫だろう。


お酢醸造所の奥にも倉庫があり、植物油の工場になる予定だが、絞り機等も目処が立っていないらしい。


〈イスタさん〉親子に相談するかな?



その次は、牧場で馬用の厩舎と、ホランさんの家を作ってくれている大工さんと親方さんに挨拶をするが、忙しそうなので、


「宜しくお願いします。」


と声をかけると、


作業をしながら、「おうよ!」

と答えてくれた。


最後に、オリーブ畑と、専属契約農家の三家族に挨拶した。


次回は〈パーシー君〉も連れてきて植物油の取れる作物選びをしよう。


一通り回ってお腹が空いたので、宿屋に挨拶がてら何か食べさせて貰おうかな?


と、宿屋に向かうと、レストランに宿屋が付いてるみたいな建物になっていた。


忙しそうに仕込みをしているオヤジさんに弟子の人?かな、


邪魔したら悪いから、また今度にするか…


と、立ち去ろうとすると、買い物帰りの女将さんに見つかり、


「冷たいねぇ、挨拶もなしかい?

マヨネーズ男爵様。」


と言われた。


「いゃあ、宿屋が変わり過ぎて、ビビったし、オヤジさん忙しそうだから…ね。」


と、苦しい言い訳をしてみたが、


「つれないねぇ、せめてアイシャやユウの事を兄と慕うタタンには一声掛けてやって欲しいのよねぇ」


と…知ってる、女将さんご立腹モードだ、この雰囲気は間違いない。


「お邪魔でなければ、サラとベンさんと一緒に何か食べたいんですが大丈夫ですか?」


と女将さんに聞くと、


「夜には100人からの客が来るから、ユウが十人前食べても問題ないわよ。


料理人が増えたから何か作ってくれるわ。」


と宿屋に招きいれてもらった。


「お久しぶりです。」


とオヤジさんに挨拶をすると、


「アイシャ!想い人がきたぞぉー」


と茶化しアイシャさんにポコポコ叩かれながら笑っているオヤジさん


それと、真っ赤になっているアイシャさん


「お兄様、王都はどうでした?」


とキラキラの眼差しのタタンくん


実家に帰ってきた感覚だ。



オヤジさんが、弟子の二人に、


「おい、俺の料理の先生がお越しだ、お前らの腕前をみてもらえ。」


と指示をだして、俺と喋りにキッチンから出てきた。


王都のお土産に


オヤジさんには名工の鍛えた包丁


女将さんには、自然修復はついていないが、大好きなオレンジ色の買い物用のマジックバッグ


アイシャさんには、王都で人気のアクセサリーショップで瞳の色と同じなルビーのネックレスを


タタン君には〈クリーン〉〈ドライ〉〈プチフリーズ〉の生活魔法セット


を渡した。


オヤジさんは弟子に自慢しにキッチンに戻り、


女将さんは鞄を掛けて、タタン君に「どう?どう?」と聞いている。


アイシャさんはネックレスをつけてニコニコしていたと思えば、いきなりサラにネックレスを見える様にしながらドヤ顔をしている。


静かな女の戦いだ…


サラはどうするかと見ていたら、


〈フンス〉と鼻息を出して、左手の〈念話の指輪〉を見せる。

そして、そのまま袖口を下げて、〈テイマーの腕輪〉を見せてからドヤ顔返しをした。


アイシャさんが崩れ墜ちた。


「ふ、2つ…」


もう、面倒臭いから放置しておこう。


女性のマウンティング合戦は難しいからね



オヤジさん、昼御飯まだですかぁー?




読んでいただき有り難うございます。

「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

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― 新着の感想 ―
[一言] 描写があっさりしていてうっかり見落としそうなので、サラにお土産を渡してアイテムボックスのスクロールを使いスキルを覚えたシーンがあった方が状況が分かりやすいかな?と少し思いました。
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