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新しい自分に生まれ変わる!とは言ったけど…  作者: ヒコしろう


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修行中誘惑に負けそうになる男


高原地帯の村に着くと、とても歓迎された。


王様からの緊急支援物資と俺からの寄付金も届き、この冬の食糧の心配は無くなったらしい。


あとは村人総出で冬用の薪の切り出しをして乾かしている最中だと言っていた。


もう、〈トレント〉はほとんど見かけなくなったので安心して伐採ができると話していた。


〈マーキング〉を済ませてから奥の高原に移動する。


〈ユキさん〉お手製の〈クロイ〉の鞍は長時間乗っても痛くない一級品だった。


おかげで、ダメージも少なく遠征ができている。


高原の小川近くをキャンプ地と定めて、先ずは少し早い昼飯にする。


俺はサンドイッチとリオは鹿肉ブロック

そして、クロイには野菜をあげようとしたら、その辺の高原のフレッシュな草を腹一杯食べて満足していた。


アイテムボックスから片手剣と小型盾をだして、高原地帯の魔物を狩っていく。


〈サーチ〉を掛けて

赤く動く影を追ってゆっくりと周り込み、反対側からリオに追いたてて貰い、撃ち取るのを繰り返す。


山羊型の魔物が多いエリアだったのかほぼ山羊だった。


たぶんコイツは〈エスケープゴート〉という魔物で群れで行動するが、群れで一番高齢な個体がわざと戦いを挑んできて時間を稼いで仲間を逃がす習性が有る、一体づつなので修行に最適である。


〈高原ギツネ〉は毛皮が高い魔物だから、狙っていたが一匹しか取れなかった。


夕方になり、初日の狩りは終了にした。



2日目の朝、小川でペガサスが水を飲んでいた。


初めてみるペガサスに興奮しながら、


〈アイツ捕まえたら、空を飛んで帰れるかな?〉


と考えていたら、


〈ご主人様…〉


と〈クロイ〉が悲しい目で見つめていた。


〈うそ、嘘、冗談じゃん!〉


と取り繕うが、拗ねてしまった〈クロイ〉に野菜を手渡しで食べさせながら撫で回してやっと機嫌が直った。


クロイにかまっている間にペガサスは何処かに消えていた。


朝からしんどいイベントを終わらせ、狩りを始める。


〈サーチ〉で索敵をかけるが、獲物がいない、少し進み〈索敵〉、また進んで〈索敵〉とやってるうちに魔物を見つけた。


狼の魔物〈高原狼〉だけど、一匹だけだ。


「一匹狼か?」


と呟くと、


〈アイツはメスだよ、多分新しいリーダーと仲が悪いから群れから離れたんだ。〉


と、ウチのリオさんが、複雑な狼の群れ事情を教えてくれた。


〈ご主人、殺っちゃう?〉


と聞くが、何だか可哀想な程獲物を求めてウロウロしているので、昨晩解体したキツネの肉を投げてやった。


高原狼はクンクンと匂いをかいだ後で、肉を咥えて走り去った。


アイツがウロウロしてたから魔物が散ったのだろうから、お互いWin-Winな取引だと言い聞かせて、また獲物を探し回る。


もう、今日は駄目かな、素振りでもしてから寝よう。


3日目の朝、またペガサスが水を飲んでいたが、あまり反応すると〈クロイ〉が拗ねるので、軽く会釈だけして歯を磨き始める。


するとペガサスの方から近づき、俺にすり寄ってきた。


〈はいはい、歯磨き中だから〉


と首もとをポンポンと叩いてリアクションしていた現場を〈クロイ〉に見られ、


〈ご主人様が、何処の馬の骨か解らないヤツをポンポンしてる!〉


とショックを受けていた。


〈馬の仲間だけど骨じゃないよぉ〉


と言ったが、


〈不潔よ!!〉


と走って行ったクロイ…


浮気現場を見られたみたいなやり取りを見ていたリオに


〈追いかけて!〉


と言われて朝から走る事になるが…


追い付ける訳がない…だって馬だもの…


振り向くとペガサスはもういなかった。



何だか急にアホ臭くなった。


「もう、本当にペガサスに乗り換えようかな?」


と呟くと、


〈えーん、捨てちゃヤダ!〉


と遠くから走って来る〈クロイ〉、

子供達を守って、傷だらけになりながらも戦った、あの勇姿は見る影もない。


〈怖いのぉ、この幸せを失うのが、怖いのぉー〉


と「ひひーん、ひひーん」泣いている。


昼ドラか、


〈はいはい、捨てない、捨てない。〉


「俺の愛馬はクロイだから」


と、首もとをポンポンしてやったら、


やっと落ち着いた。


何か、浮気男がエッチで彼女を黙らせるみたいで少し罪悪感が有ったが、


〈挨拶しただけだよ!〉


みたいな事を言ったら修羅場になるんだろうな…


とキャンプから放れて〈上薬草〉を採集しながら考えていた。


〈ご主人が悪い、見境なくメスに優しくするから、あの狼だって…〉


と俺の横で説教をしてくるリオ、


違う狼に肉をやったのお気に召さなかったのね。


今言うんだ…


メス怖い。


薬草を採集しながら歩き回っていると、


〈何か嫌な匂いがする〉


とリオが言い出した。


クンクンと匂いを嗅ぐと、甘い良い香りがする。


「えっ、いい匂いだけど?」


と、俺は香りの出所をさがした。


〈ご主人、行っちゃ駄目〉


とリオが吠えているが、何故か香りがきになるので進む。


日当たりの良い草むらの中にある花畑に裸の女性が立っていて、俺を手招きしていた。


物凄く美しく、飛びっきり妖艶で、エロが服を着ずに立っているような女性の手招きに誘われて花畑にはいる。


〈駄目って言ってるでしょうがぁ〉


と、リオに脛を齧られて我にかえり、


「鉄矢かよ!」


と突っ込む俺の前方には、蔓をウニョウニョと動かす土偶スタイルの女性?がラフレシアの真ん中から生えていた。


うへぇ、キモい


あの、パネマジの地雷嬢みたいな魔物は


〈アルラウネ〉という雄を誘い絞めあげて、死ぬまでイカして、自分の子供達の養分にする魔物だ。


香りで幻覚を見せて、その雄の好みのメスに自分を誤認させて誘惑するのだが…


足元から広がる紫の花畑は全部子供の〈マンドラゴラ〉みたいだ。


薬になる高級素材だが、雄の性液や血肉が養分のキモキモ素材だが、


…アルラウネさんのテクニックは世界一らしいと図書館の本に書いて有ったし、


一回ぐらい良いかなぁぁぁぁぁ!


〈だから、駄目だって言ってるでしょうがぁぁぁぁ!〉


と反対側の脛も齧られて激痛で我にかえった。


〈ヤバい、ヤバい、色々考えてるうちに魅了に再度かかったらしい。〉


さっさと殺っちゃおう。


「ウィンドカッター!」


と、すぐにアルラウネを足元から切り離してやった。


「きゃぁぁぁぁぁぁ!」


と叫ぶが、図書館の資料で十五メートル程離れたら最後っ屁の〈叫び〉スキルは効かないのを知っているから被害なしだ。


アルラウネ部分をアイテムボックスにしまい、下の花部分もアイテムボックスにしまう。


両方に薬効成分があり薬になるらしい。

レア素材ゲットだぜ!!


問題は〈マンドラゴラ〉だが、コイツらも〈叫び〉スキルがあり掛かれば、錯乱していまう。

高級素材なので、残さず狩りたいが…


ロープで馬に引っ張らせて抜くとか書いてあったが、


数が多いし面倒だ。

親のアルラウネが十五メートルだからそれくらい放れて、念のため耳栓に食糧の人参の先をナイフで削り耳につめた。


そして、「ピットホール」を軽めに掛けて穴をあけた。流す魔力を少なくすれば浅い穴があく。


すると、


「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

「殺されるぅ」

「呪ってやるぅぅぅぅ!」

「もっと、もっと強くぅぅぅぅ!」


と有効範囲外でも精神が削られそうな叫びが聞こえた。


耳が良いからと更に離れているリオですら渋い顔をしている。


60センチほど窪んだ穴に命と引き換えに放てる自爆スキルの〈叫び〉を使い終えたミニサイズ土偶型の根っこの頭から生き生きとした葉っぱが繁るフレッシュマンドラゴラが手にはいった。


まだまだあるので、全てをフレッシュマンドラゴラにするまで10回程度の〈ピットホール〉を使った。


マンドラゴラが100以上あるので一財産だ。


でも、相棒がメスの〈リオ〉で良かった。


ガルなら二人並んで今頃アルラウネ嬢に色んな物を絞り出されているところだな、


おー怖。



読んでいただき有り難うございます。

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