助けを待ち続けた男
〈トレント〉伐採生活8日目
正直、トレント木材で家が建てられるほどアイテムボックスにトレントが入っている。
1日で四十体以上のトレントを倒してアイテムボックスにしまっているので300体以上狩っている。
入り口付近の〈トレント〉は少しまばらに成ったが、奥に入るとまだまだ〈トレント〉が居る。
完璧に森の奥から入り口を目指して今も移動を続けている最中の〈トレント〉達、
よっぽど嫌なヤツが居るのだろうか?
まぁ、俺一人ではどうとも出来ない案件だろうが…
しかし、森から〈トレント〉達が溢れたら下の村など一瞬で踏み荒らされてしまう、せめて数を減らすぐらいしか出来る事がない、
魔力が空に成るまで〈集中・ウィンドカッター〉で伐採を続けて、村まで帰り寝るのを繰り返しているのだが、正直もう助っ人は来ないのかも知れない、
少しあきらめムードで、朝の部が終わり、テントで夕方まで休んでいたら、夕方前にリオに起こされた。
…顔をなめ回されて…
「リオ、たのむから舐めて起こさないで…」
と言ったら、
〈お客さんだよ〉
と、俺をテントの外に誘導する。
テントから出ると、冒険者が二組到着していた。
明るい感じの槍使いが、
「よう、起きたかい依頼主さんよ。
俺らは王都の冒険者ギルドで依頼を受けて来た〈鋼の鷹〉だ。」
と自己紹介してきた四人パーティーと、
肉体派の四人パーティーが、
「ワシ等は、〈誓いの盾〉だ!
ヨロシク頼む。」
と言って来たので、
「どうも、〈B級〉テイマーのユウで、
こっちは相棒の〈森狼のリオ〉です。
この間、男爵になりましたが、ただの冒険者ですので気を遣わないでください。」
と頭を下げた。
冒険者達は〈えっ!〉と一瞬驚いたが、
すぐに落ち着き、
「で、今の状況は?」
と聞かれた。
「8日前にこの村に来たのだが、朝晩魔力切れまで〈トレント〉を狩り続けて、300体以上倒したが、まだまだ、森の奥から〈トレント〉が森の入り口迄押し寄せて来ている状況で、
奥から来た〈トレント〉に押し出され、入り口付近の〈トレント〉がいつ溢れ出してもおかしくない状態です。」
と冒険者達に告げた。
「300って言ったら中々の量だよな、森中の〈トレント〉が入り口に用が有るとも思えないし、天敵か、上位種の指示か…」
と鋼の鷹のメンバーが話す。
「上位種か、考えてなかったが有るかもしれない、
もしも、強い敵に追われて奥から逃げて来たのなら、他の種類の魔物も入り口に溜まるが、集まっているのが〈トレント〉ばかりだ…
上位種の指示かも知れないので、皆さんには、〈トレント〉の間引きと、異変の元凶の確認をお願いします。
ヤバそうならば、村人全員と退避しますのでよろしく。」
と改めてお願いした。
もしも、ヤバそうなヤツがいたら、冒険者というより、〈軍〉の仕事だろう
八人の冒険者が加勢してくれたとはいえ、この人数で森全体の〈トレント〉を相手にするなど無謀だ…
夕方の部として冒険者全員で森の入り口に、移動した。
〈サーチ〉に引っかかった〈トレント〉に〈ターゲット〉を使い弓矢を打ち込んでいく。
「矢が刺さっている木がすべて〈トレント〉ですので!」
と報告すると、
「凄い数だな。」
と、驚きながらも〈誓いの盾〉のメンバーが切り込んで行く、
「今から暗くなるから余り深入りしないで下さい。
明日の朝、本格的に奥を調べましょう。」
と、言ったら、〈誓いの盾〉のメンバーが「応!」と
答え。
「了解だ依頼主さん」
と〈鋼の鷹〉のメンバーも〈トレント〉を狩りながら返事をする
流石に助っ人が居るので、四十体の〈トレント〉があっという間に木材と成った。
今日は気絶するように眠らなくてすみそうだ。
と、心の底からホッとしながら村に戻る帰り道で初めて星空を眺めて
スゴい星が見えるんだなぁー
と、感心していた。
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