林業を始める男
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高原地帯の入り口の村…と言っても十世帯ほどの小さな集落で、村人は林業の傍ら狩人として、鳥魔物やキツネ魔物を狩って暮らしているのだが、
今年は森の奥にいるトレントが入り口付近まで押し寄せ、普通の木のふりをしているので、危なくて森に入れないらしい、討伐出来るだけ討伐して欲しい、という依頼だ。
〈サーチ〉の索敵があるので問題なく〈トレント〉を探し出せるから、木を切り倒す火力さえあれば問題ないだろう。
トレント木材は軽い上に耐久性に優れているので、馬車の材料としてもってこいだから今回の依頼を受けたのだが、
村人の話では、かなりの数が確認されている様子だ、
魔物が住み家を移動させる場合は、大概ろくでもない理由があるのだが…。
〈トレント〉木材を手に入れたらさっさと切り上げたほうが良さそうだな。
リオと一緒に、集落から一時間ぐらい離れた森を目指して歩き出す。
森の入り口に差し掛かると、リオが急に立ち止まり、
〈ご主人、それ以上近づいたら駄目!〉
と警告の意識を飛ばしてきた。
俺はその場で〈サーチ〉〈索敵〉を使うと、サーモグラフィーのように赤い光を纏う樹木ばかりだ、木と〈トレント〉半々ぐらいの割合だろうか?
森の全ての〈トレント〉が森の入り口に集まっている様だった。
なんかヤバそうだな…
絶対森で異変が起きているタイプのヤツだろうこれ…
しかし、俺の依頼は〈間引き〉なので、早速手前の奴から切り倒していく。
リオに警戒を任せて、〈サーチ〉に引っかかった〈トレント〉の根元に〈ターゲット〉をつかった〈集中・ウィンドカッター〉を放つ、
「ぎゃぁぁあぁぁぁっ」
と嫌な断末魔の声を上げて倒れるトレント
次々に倒すが森の入り口付近の一部分を倒しきるのがやっとだった。
サーチで確認するが、近くのトレントは倒した様なので、倒したトレントを回収して回るが、
魔力が減りすぎて眠く成ってきたので急いで村に引き返す。
役20発で魔力が空になるみたいだな、〈ターゲット〉の発動をやめたらあと数発射てそうだが、外したら勿体ないし…悩ましい。
アイテムボックスに〈トレント〉が18入っているので、もう十分なのだが、2日も馬車に揺られたこともあり、あと数日は〈トレント〉を狩ることにした。
村長さんに、
「入り口の木の半分ほどが〈トレント〉でした。」
と報告したらとても驚いていた。
俺の魔力では1日20匹程度しか倒せないので、一週間狩りまくっても、140匹しか倒せないが、サーチで見える範囲で、すでに200匹近い〈トレント〉がいた…
村長さんに、ギルドに追加クエストの発注をして追加の冒険者を頼んで欲しいと相談するが、村にそんな金がないと話していた。
ガイルス辺境伯様に
〈高原地帯の森に異変あり、トレントが森奥から入り口に、移動しており、森の奥で生態系を壊す存在の可能性あり、国の騎士や魔法使いの派遣を依頼します。〉
と、お手紙を書く、
そして、アイテムボックスから全財産の大金貨十枚をだして、
冒険者ギルドに緊急の追加クエストの依頼の手紙を、合わせて出す。
大金貨一枚で定員十名、高原地帯の森の〈トレント〉の間引きと調査の依頼を定期馬車の御者さんにチップを渡して、
二通の手紙をお願いした。
魔力ポーションも買ってくれば良かった…。
と後悔するが、
もう眠くてたまらないからテントの用意もそこそこに村の空き地で眠る事にした。
目が覚めたら朝だった。
夕方前に寝たが、魔力が回復するのにこんなに時間がかかるのか…燃費がわるいな。
腹ペコのリオにアイテムボックスから生肉を出して与えた。
「ごめんなリオ、魔力不足で晩飯抜きにしてしまって」
と頭を撫でてやると、
〈いいですよぉ、ご主人。〉
とお肉を頬張りながら答えていた。
12時間ぐらい寝たな…
定期馬車が町に着くのが2日後、手紙を読んで助っ人が来るまで最速でもそこから3日後、最速で5日以上か…
今日から10日は粘るぞ!
10日経って助っ人がなかったら街にかえろう。
そうと決まれば、今から〈トレント〉の間引きに向かい、夕方まで寝てから夜襲を掛ければ1日二回程度狩りが出来るはずだ。
俺はそれから空っぽ近くまで魔法で〈トレント〉を狩って、村まで戻り、12時間眠る、を繰り返した。
起きてる間はほぼ木を切り倒して、アイテムボックスで森から運び出している。
「林業の人でもこんなハードスケジュールではないぞ!!」
と文句を言いながらも、
数日この生活を繰り返した時に、ある変化に気付く、
空っぽ近くまで魔力を使うとヒドイ眠気に襲われるのだが、
今回二十匹倒したが眠気が来ない…
追加で、6匹〈トレント〉を倒した時に眠気がやってきた。
フラフラでリオと村に向かう道中で、魔力の総量が増えているようだな…
と考えながら歩いたが村の丸太の壁の内側に着いた途端に眠ってしまった。
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