やることが多い男
謁見とお茶会が無事に済んだのだが、やることが多く狩りに出かけられない…
ごめんよリオ。
まずは、朝イチの〈スタンプボア〉の納品、〈本日は5頭の日です〉
を済ませてから、
王様や大貴族の方々からの推薦状を持って、鍛治師ギルドに出向く。
流石は王様の推薦状、ギルドマスターが出て来て対応してくれた。
〈揺れにくい馬車〉の資料を見せながら、試作の依頼をするのだが…
ギルドマスターの鼻息が荒くなり目は瞬きを忘れたかの様に見開き、穴が空く程俺の書いた資料を見ている。
…怖い…
暫く資料とにらみ合いをしたギルドマスターから質問責めにあったが、
ギルドマスターは何かを掴んだ様子で、
「任せてくれ!
二週間で試作品を作ってみせる!!」
と鼻息荒く宣言をした。
「では、ヨロシク」
と前金の大金貨を払おうとしたら、
「特許を取って下さい、このアイデアを使う場合には鍛治師ギルドに小金貨一枚と、マヨネーズ男爵様に小金貨三枚を払う事にして頂き、国の鍛治師達が〈揺れない馬車〉が作れる様にして下さいお願いします。」
と頭を下げるギルドマスターに、
「王様も本当に揺れにくい馬車が出来たら見たいと仰っておられたので、試作品が出来て、王様に認められたら良いですよ。」
と答えておいた。
代金は後で良いと言われたが、
「研究にもお金がかかるから…」
と、大金貨十枚渡して、
「足りなかったら言ってください。」
と伝えて鍛治師ギルドを後にした。
ガイルス様のお屋敷に戻ると、料理長が首を長くして俺の帰りを待っていた。
ユウ様、〈バラ肉の塩抜き〉既に完了しております。
と漬け込み済みのバラ肉を渡してきた。
「じゃあ、燻製してベーコンを作ろう。」
と庭のバーベキューコンロでバラ肉を温燻していく。
今回はガイルス辺境伯様も参加して燻製を見学しながら料理長が作った〈燻製ナッツ〉や〈スモークチーズ〉でワインを楽しんでいる。
「マヨネーズ男爵よ、この燻製とやらは何とも男心をくすぐる味わいだな、制作風景も実に楽しい、火を囲み酒を飲むような高揚感がある。
のぼる煙を眺めながら燻製されたナッツやチーズでワインを楽しむ…
これは、狩りのシーズンの催し物に持ってこいだな。」
とご機嫌なガイルス様をよそに、
燻製の匠と化した料理長がベーコンの燻製をメモを取りながら観察している。
料理長が、
「燻製に使う木材が〈卵鳥〉の時と違うのは何故ですか?」
と聞くので、
「俺も、木材の香りとか詳しくないから手探りなんだけど、同じ食材を燻製するとしても燻す木材で味が変わるんだよ。
毎回同じよりか違うの使ってみたいからだよ。」
と答えると、
料理長は「ほうほう」とメモを取りながら感心していた。
厚み違うのバラ肉を燻して、良い厚みと、良い温度と、良い燻製時間を探りながら数時間かけて試作一号の〈ベーコン〉が仕上がる。
ガイルス様が〈待ってました!〉とばかりに仕上がって粗熱が取れた何種類かの燻製時間や厚みが違うのベーコンを食べ比べを始める
「甲乙つけ難いが、この厚みの薄めでしっかり燻した物が一番ワインにあうな。」
と、言い出すが、俺的には、
「俺は、この厚切りで少し浅めの燻製のものが料理に使いやすそうで好きだけど。」
と答えた。
料理長はメモをとりながら試食をしている。
リオにベーコンを見せたら
〈臭いから嫌〉とそっぽをむかれた。
…悲しい…
アイテムボックスから鹿肉ジャーキーを出してリオのご機嫌を取ったが、最近構ってやれなかったから、明日から王都の外に冒険に出るかな?
その前に、スキルショップでスキルを買ってからにしよう。
馬車は足りなかったらガイルス様が貸してくれるから、明日〈スタンプボア〉の買い取りがすんだらスキルショップに行ってから冒険の準備をして、少し遠出するのも良いかもしれない。
最悪二週間後の馬車の試作品発表迄に帰ってくればいいから…
よし、リオとキャンプだな!
と考えていたら、
〈待ってました!〉
と尻尾を振り回す相棒がいた。
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