腰が痛い男
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ガイルス辺境伯様の馬車で、王都に向かって一週間、もう腰がボロボロです。
〈お貴族様〉の馬車といえど、サスペンションも何も無い馬車は豪華な幌馬車なだけで、ダメージ量は変わらない、
これをあと一週間続けたあと、王様にご挨拶して、また二週間馬車に揺られないとサラ達が待つ自宅に帰れないと、考えるだけで暗い気持ちになる。
「ガイルス辺境伯様、」
とガタガタ揺れる馬車のなかで、話かける俺、
「なんだ?マヨネーズ男爵殿」
と茶化す辺境伯様に、
「もし、〈余り揺れない馬車のアイデアがある〉と言ったら辺境伯様はどうします?」
と質問してみた。
「そのような物が出来れば国の物流からなにからがひっくり返る大事になるな、
王家や大貴族がこぞってその馬車をかうから大儲けできるぞ。
まぁ、実際にそんな夢のようなアイデアがあれば…だがな…」
と答える辺境伯様に、
「仮にアイデアが有ったとして作れる技術が有るのでしょうか?」
と俺が聞くと、
「空飛ぶ馬車みたいに〈おとぎ話〉のような物でなければ、王都の鍛治師ギルドなら腕も確かだし、大概の物なら作れるはずだぞ。
金さえ払えば何でも作ってくれるから頼んでみてはどうだ?
良いものが出来たら帰りの旅が楽に成るかもしれないぞ。」
と答えたが、〈そんな事無いだろうがな〉とゲラゲラわらうガイルス様、
金かぁ…
王都で金策さえ何とか成ればいいのかぁ
と考えていれば、
ガイルス様が、
「マヨネーズ男爵殿、そなたも貴族に成るのだから、今回王都で馬車を作ってはどうだ?
あまりゴテゴテした細工をしなければ半月くらいで仕上がるはずだから、
金が足りなければ貸してやるぞ。」
と言ってくれたので、板バネサスペンションの馬車とか何かで見たと思う、〈記憶〉スキルで鮮明に思い出したのは、中学の時の技術の授業で車好きの担当の教師が熱心にサスペンションの歴史とエンジンの機構を説明してくれたのを思いだした。
〈こんな授業いつ使うんだよ、くるまの整備士に成る奴意外要らないだろう!〉
と思っていたが、先生ご免なさい。
異世界で使う為に必要でした。
イギリスの王族のパレードの写真の馬車など思い出せるだけの板バネについての記憶を引っ張り出して紙に書き出した。
おかげで盛大に酔い散らかしたが、書き上がった資料を見ながらガイルス様が震えている。
「マヨ、いやユウよ、実際にこの馬車は出来るのか?」
と聞くが、
「王都の鍛治師の腕次第ですね。」
と答える俺に、
「ユウよ、此度の王都行きは少し長く成るかもしれんぞ覚悟しておけ。」
と不穏なことを言ってくる。
「えー、早めに自宅に帰って冒険者に戻りたいです。」
と膨れてみたら、
「どうしても冒険したければ、王都の冒険者ギルドで依頼を受けるなりダンジョンに潜ってみるなりすれば良い、
この馬車が出来上がり、王様に御披露目するまでは諦めて、私の王都の屋敷でゆっくりして貰うからな。」
と言いきるガイルス様に、諦めて王都での生活を楽しもうと心に決めて、酔った俺を心配しているリオの背中をトントンと叩き感謝を伝える。
ガイルス様が不思議そうな顔で、
「ユウは、知らぬ料理に知らぬ知識をどの国で学んで来たのだ?」
と聞くので、一瞬考えたが、お世話に成っている辺境伯様に嘘や隠し事もアレなので、
洗いざらい、旅の時間潰しに話たが、
辺境伯様が真っ青な顔をしている。
「酔いました?」
と聞いたら、
「驚いておるのだ!」
と何故かキレられた。
…理不尽な…
「ユウよ、そなたが〈流れ人〉なら神からの使命を受けておるのか?」
と、ガイルス様に聞かれたので、
「悪霊になるより、冒険者として頑張って生きてみなさいと言われただけです。
アイテムボックスぐらいのスキルで、世界は救えませんよ、辺境伯様。」
と答えた。
「たしかに…」
と納得するガイルス様に、
「でも、〈賢者〉程ではないにしろ、生活に役立つ知識はまだまだ有りますし、王都で調味料や食材を探したら、もっと色々な料理を披露できますよ。」
と伝えると、何やら考え込んでいる様子だ、
もう、ほっといてあげよう…
〈腰が死んでしまう前に王都に着けば良いなぁー〉
と、ボンヤリ外を眺めて酔いと戦う俺であった。
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