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一人で完結の生産者※仮題  作者: 銀狐@にゃ〜さん
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探索からの〜?



「おぉ…すごいな…」


俺はクラフト&サバイバルの東から出たフィールドへと出てきていた。

ここは荒野のようなフィールドだが、イメージとしてはグランドキャニオンの様な風景のフィールドだ。

ここでは主に【鍛治師】で使う鉱石が豊富に採れるフィールドの様でそこかしこに【採掘師】であろうプレイヤーがツルハシを振るって採掘をしている。

それと同じ様に所々でモンスターも湧いており、採掘しているプレイヤーは【採取職】共通の気配を薄くしてモンスターに察知されにくくなるスキル《ハイディング》を掛けて採集作業をしている様だった。


「なるほど、レベル上げのつもりで来たけど基本的にフィールドは【採取職】の職場って感じかな?モンスターも湧いてるけどそこはスキルでカバーしてるのか…ってあの人、《ハイディング》切れてないか?」


周りの様子を見ていると《ハイディング》の効果が表れているプレイヤーの見た目は薄っすらと半透明になっていて、近くにいるモンスターに気付かれずに採集しているが、目に留まったプレイヤーはスキルが切れたまま採集しているようでそれに気付いていない様子だった。


「あんな状態で目立ってたら…あぁやっぱりか…」


近くを通りかかった角を生やした兎のモンスターに気付かれて襲われていた。

戦闘に向かない職業である【生産職】や【採取職】にとってモンスターは天敵である。

一発ダメージをもらったところですぐにやられたりはしないが、それでも【戦闘職】に比べれば防御力なんて無いに等しい。


「きゃぁぁあ!!」


流石にマズイか。

自分達の作業に集中していた他のプレイヤー達は悲鳴が聞こえた方を見たかと思うとそれぞれ、やっちまったか、欲を出すとあぁなるんだよなぁ、といった様子で、特に助けようとかは思っていないようで作業に戻っていた。

まぁ助けようとしたところでどうにもならないのが俺達の職業だからそれも仕方無いのかもしれんけどなぁ…


でもまぁ…


「あれくらいだったら届くかな?」


俺は足元に転がっていた拳大の大きさの石を拾うと狙いを定める。

【投擲】のモーションを取ると背景が薄暗くなり、目の前に『的』のようなものが出現した。

周りの動きがひどく緩慢になったような、なんかゾーン的な物に入った感じだ。

出現した『的』のような物をよく見てみると、的の中心に向かうように赤い枠が収縮し、中心に来たと思ったら今度は外側に向けて赤い枠が広がっていく。

それを繰り返しているのだが、中心に向かえば向かうほど収縮速度が速まり、外に向かって広がるほどにゆっくりと広がって行くようだ。

要するに…


「中心を狙えってことね…」


あんまり余裕は無いな…

けどこれくらいなら何とでもなる。

中庭の検証の時にもこの的は出現してたんだろうけど、何の気なしに投げちゃってたから気付かなかった。

ともあれ、俺は中心に枠が向かったところでココだと思った時に枠の収縮は収まり、ピキーン!という効果音が鳴る。


「よし完璧!行け!!」


動作補正されながら石を投げつける。

するとプレイヤーに襲いかかろうとしていた兎のモンスターが吹っ飛んだ。

無事命中したらしい。

2、3度バウンドして動かなくなった兎のモンスターは光の粒子になって消えていき、俺の目の前にリザルト画面が表示された。


「おぉ、一撃か…経験値とお金と素材か。『もこもこの綿毛』ってこのままじゃ使えないんだろうな」


俺がリザルトを確認していると、襲われていたプレイヤーが駆け寄って来た。


「あ、ありがとうございました!おかげで集めた鉱石をロストしないで済みました!」


「うぇ?あぁそりゃ良かった。ロストってフィールドで死ぬと集めたアイテム無くなるの?」


「そうですよ?正確には周りに全部散らばるだけですけど、ある程度の時間が経つと消滅しちゃうんです…私達【採取職】だと急いで戻って来てもモンスターにやられて死に戻りしちゃうので実質ロストと変わらないんです」


「なるほど…」


そりゃ確かにそうだな。

一定の時間アイテムが残ってたところで回収出来なきゃそれまでだもんな。


「でも本当に助かりました。ちょっと無茶してたので…」


「あぁやっぱりか、MP切れかなんかです?」


「お恥ずかしながら…《ハイディング》が切れてたのは知ってたんですが、もうちょっともうちょっとと思って…」


「無茶はダメですよ。もし差し支えないなら少し離れてますし街まで一緒に行きます?送りますよ」


「良いんですか?助かります!」


俺が提案すると嬉しそうに了承してくれた。


「俺はアースっていいます。街までの短い間だけどよろしく」


「私はライカです。こちらこそよろしく!でも本当に良かった〜。どうやって帰ろうか困ってたんですけど【黒魔術師】さんが一緒なら平気です!」


んん?【黒魔術師】?

いや俺は【戦闘職】じゃないよ?


「あぁ〜…いや、俺は【生産職】だよ?【採取職】でもあるけど【戦闘職】は取ってない」


「え?でもさっきのって【黒魔術師】が使う魔法の《ストーン》じゃないんですか?」


そういう魔法がある事すら知りませんでした。

何だか騙しているようで嫌だったので俺は先程行った事をやってみせる。


「さっきのは魔法じゃないよ。これで…こうやって、ほい倒した」


足元の石を拾いあげ近くにいたモンスターに投げつけると、これまた一撃で倒すことが出来た。

お?レベルが一つ上がったな。

ラッキー


「も、もしかして今のって【投擲】ですか?」


「正解。魔法じゃないからMPも使わないし遠距離攻撃出来るから割と便利だよ」


「でも当たらないと意味がないってスキルだったんじゃ…」


「いや、当たるよ?DEXがあれば」


「DEXがあればって…【生産職】でDEX…あっ!」


気付いたようだ。

そういったところに気付けるかどうかが明暗を分けると俺は思っている。

たとえ使えないと言われているスキルでも、何かしら利点があるから残されてるんだろうしな。

この【投擲】だって、今投げたのは石だったけど、本来の性能は『アイテムを投げる』事だ。

広い講義で言うなら武器だってアイテムだからきっと投げられる。

存在するかは知らないけど、手裏剣や苦無とかがあればそれは立派な投擲武器だ。

もしかしたら鉤爪みたいなのがあれば、それを使わなければ行けないような場所もあるかもしれない。

そう考えると可能性はどんどん広がって行くじゃないか。

だから【投擲】に限らず、死にスキルと言われてるスキルだって使い道はあるはずなんだ。


とまぁ俺はこのように考えている。

大っぴらには言わないけどな。

そんな事を考えていたら、ライカさんは感心したような様子でこちらを伺っていた。


「【投擲】スキルにこんな使い方があったなんて知らなかった…もしかしてアースさんはβテスターだったんですか?しかも有名な!」


憧れのようなキラッキラした視線を向けてくるライカさんだが、ごめんなさい。

右も左も分からない本当の初心者です。


「いや、俺は本当に初心者ですよ。さっき始めたばかりでまだログイン時間も一時間ちょっとしか経ってないし」


「またまたご謙遜を〜」


全然信じてもらえてないなこりゃ…

まぁ遊び方なんて人それぞれだし、どう思われようが俺は俺だ。


そうして歩いていると街の入り口が見えて来た。


「到着ですね」


「ですね。本当にありがとうございました!…あの、もし良かったらなんですけどフレンド登録しませんか?」


なぜかモジモジした様子で俺を伺うライカさん。

別にフレンド登録なんて大したことじゃないだろうに…


「もちろん良いですよ。俺も色々と手は出してますけどいちおうは【生産職】なので【採取職】の友達は助かります」


俺がそう返すと少し残念そうな表情を浮かべたものの、すぐに嬉しそうな表情をするライカさん。

何か気に触る事でも言ったかな?


「ありがとう!じゃあ早速…」


「あぁ来ましたね。了承…っと…これで大丈夫かな?」


「うん!こっちも登録されてるよ。改めてよろしくね!」


「こちらこそよろしくライカさん」


「ライカでいいよ。友達なのにさん付けとか敬語嫌だし…」


拗ねたような感じで頬を膨らませたライカさん、いや、ライカはこちらにジト目を向けてくる。

年齢は分かんないけどなんか可愛らしい人だなと思った。


「あぁ分かった、よろしくなライカ。俺もアースでいいよ。


「分かった!よろしくねアース!」


「じゃあこれはお近付きの印って事で…受け取ってくれ」


俺はライカの職業のことを考えて有用になりそうなアイテムを選び、譲渡しようとアイテム交換申請を送った。

その中身を確認したライカが急に慌てだす。


「こ、こんな凄いの受け取れないよ!!」


「こんなのいくらでも作れるから貰っとけって。うっかり攻撃されてもこれ使えばしばらく保つだろ?」


俺が送ったのはさっき試しに片手間で作成したポーションだ。

ライカは【採取職】のためフィールドに出る機会が多い。

何かの拍子でさっきのようにモンスターに襲われる可能性も無くはない。

一撃でやられてしまえばどうしようもないだろうけど、回復さえ出来ればそれで逃げ切れる事もあるだろうと思ったのだ。

ゲームとはいえ友達がモンスターにやられるのは流石に寝覚めが悪いからな。

それにこのポーションもほぼほぼ元手の掛かっていない物なので遠慮せずに貰ってくれればいいんだけど。


「だってこれ…」


「まぁまぁいいから貰っといてよ。保険と思っておけばいいさ。それにタダで手に入ったようなもんだしな、気にすんなって」


「うぅ〜…分かったよぅ…その代わり、何か必要な鉱石素材とかあったら教えてね!私も協力するから!」


「分かった。その時は俺もライカを頼らせてもらうよ」


ようやく渋々といった感じでライカはポーションを受け取ってくれたのだった。

俺はライカと別れると、本来の目的であるレベル上げのためにフィールドへと戻って行き、ライカは街の冒険者ギルドへ納品するためにギルドへと向かっていった。



「アースかぁ…とんでもない人だったなぁ…」


ライカは冒険者ギルドへ向かう道中、先程知り合ったアースを思い返していた。


ほとんどのプレイヤーが見て見ぬ振りをする中、といっても周りにいたのも私と同じ戦闘能力の無い【採取職】だったので仕方ないのだが、そんな中、私を見捨てずに助けてくれた挙句、街まで送ってくれた優しい人…

しかも嫌な顔一つせずにフレンド登録も受けてくれて、おまけに私を心配してアイテムまでくれる気遣いの出来る紳士とか…



「超絶イケメンキターーーーーー!!」



思わずライカは叫んでしまった。


こういったゲームに出てくる男性NPCは大体が美形だったりするが、そのNPCに負けないどころか凌駕する様なイケメンがアースだった。

イケメンアバターは作ろうと思えば容易に作成することが出来るため、そういった美形プレイヤーも多いこの『アースガルズ・オンライン』である。

好奇心に負けて聞いてみたところ、アースのアバターはいちいち考えるのが面倒だったからリアルモジュールのままで作ったのだと言う。


優しくて紳士的で気遣いも出来る超絶イケメンという、アース本人は全く意識していないが、天然物でのあのアバターである。

ライカでなくとも街行くプレイヤーであれば絶対に気になるレベルのプレイヤーがアースだった。


「このポーションは宝物にしよう…」


インベントリの中身を確認するライカのにやにやはとどまる事を知らない。


ライカが見つめていたのはアースから貰うことになった『虹』色に縁取りされたポーションのアイコンであった。



いえす、ふぉ〜りんらぶ


書いてて思いました。

御都合主義だなぁって…

アースもげろ(←おい作者


面白い、続きが気になる、アース処す?と思った方は↓の☆をポチとな!ですよb


ちなみにポチッとな!してもアースが爆発する事は無い(と思います)

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