E・O運営SIDE
いつも予告無しの更新ですまねぇ…
都内某所:『E・O開発会議室』
「いやはや〜…とんでもない子でしたね〜」
「信じられるか?あれだけperfect判定出しててBOTじゃないんだぜ?」
「そもそも〜、生産の作業に対してBOTは無意味というのは開発段階で私がプログラムしてたじゃないですか〜」
「まぁ確かにそうだな。製作過程の進捗率によってその後の難易度が変わるようにプログラムを組んだのは他でもないお前だしな」
この二人はE・O開発部門の部長と副部長である。
間延びしたような話し方をする女性が開発部門副部長の青木、もう一人が同じく部長の石動。
二人が話している内容は、先程行われたあるプレイヤーに対するスキャニング結果についての一部だった。
「俺達開発側からしちゃあ、あぁも簡単に『SQ』を作り出されたらたまったもんじゃないんだがな」
「そうは言っても〜、実際に不正も無く〜解析結果でも何も出なかった訳ですし〜…あ〜それに〜、あの子自身がリアルでも同じ事をして証明する〜とか言ってましたよね〜?」
「そうだな…こちら宛に向こうから待ち合わせ場所と時間、それに本名も添えてメールも送られて来ている」
トントンとNPCのディスプレイを指で弾くと石動は画面を青木に向けて内容を見せる。
「ほほぉ〜…これはまた…」
「俺はもちろん開発部門の代表として向かうが、お前はどうす「もちろん行くに決まってます〜」…だよなぁ」
食い気味で返事をした青木に苦笑いする石動。
解析に参加したスタッフは他にも何名かいたが、他のスタッフを出向させたとして公平な判断が出来るかは些か怪しい部分あった。
なまじ自分達の開発したものに自信があるからこその自尊心もあり、各々認めたくない部分もあるからだ。
実際テストを行った場では、認めたくないという一心で強権を振りかざそうとした馬鹿者もいたくらいだ。
それ自体はマザーAIであるフリッグに阻止された形にはなるが、運営スタッフとしては絶対に行ってはいけない処遇であり、当然そのスタッフには石動からキツイ説教が据えられる事となった。
そういったこともあり、スタッフからの意見や結果をまとめた上で、誰を彼の提案した『リアルでの証明』に向かわせるかの人選会議を行っていたのだ。
結果として、開発部門のツートップで向かう事に決まったのだが…
「何やら面白そうな気配がしたから来てみたよ」
「なぁ!?なんでアンタがここに!?」
「そりゃ僕だからとしか言いようがないかな?ふ〜む…ふんふん…これ、僕も行くよ」
「吉原さんも行くんですか〜?これって〜、出張手当とかって出してもらえますか〜?」
突如現れた軽薄そうな男、吉原とズレた事を言い出した青木に石動の表情が歪む。
「僕の立場としては当然行かなきゃでしょ?僕達だけでゲームを作ったとしても、それで遊んでもらえなきゃゲーム作りなんてただの趣味でしかない。そうでしょ石動さん?ユーザーがいてこその僕達な訳だからね。あぁそれと青木君、出張手当は出せないが、コレ、用意出来るかい?確か企画書に報告があったと思ったけど」
そう言って吉原は青木にメモ用紙を手渡した。
メモを受け取った青木は内容を確認すると頷き返す。
「コレくらいなら〜ほとんどシステムも反映されてますし〜、あとは〜シリアルコードかなんかで紐付けすれば〜…そうですね〜、30分もあれば用意出来ますよ〜」
「待ち合わせの時間には…十分間に合いそうだね。それじゃあここをこうしてこう…出来るかい?」
「ほほぉ〜…OKっすよ〜」
「何故開発部長の俺を差し置いて話が進んでいくのか納得出来んのだが…」
吉原と青木のやり取りを納得いかない表情で呟く石動であったが、そんな事は御構い無しといった様子で話が進む。
しかし、石動も開発部長としての立場もあるため、自分が知らない間にゲームに関わる内容を知らないというのも問題があったために二人の企てに首を突っ込まざるを得なかった。
「吉原さん、何をしようとしてるんです?」
「ちょうどいい機会だから、噂の彼にお詫びと依頼をしようかと思ってね。データベースを見る限り彼以上にこの依頼をこなせる様なプレイヤーはいなそうだからね」
「これは…確かにそうですね。彼なら既に条件も満たしているだろうし、クローズドサーバーと分けて利用してもらえれば問題無く作用するかもしれませんが…」
「いちおうこの事はまだ公式に発表していない内容になるから守秘義務が発生するけれど、それについても直接話をしてみようと思っているよ」
「ふむ…分かりました。彼が引き受けてくれるようならこちらとしてもデータも取れるし助かりますからね。後で書類をまとめて承認押しときます」
「うんうん。よろしく頼むね。じゃあ僕も出かける準備をして来るから会社のロビーで待ち合わせしようか?」
「了解です。今が19時過ぎだから…19時半頃でどうです?青木〜間に合いそうか〜?」
「余裕っす〜」
吉原に頼まれた内容をプログラムに落とし込む作業をしていた青木に間に合いそうか聞いてみるとそのような返事が返ってきた。
石動は一つ頷くと吉原に向き直り書類作成に取り掛かる。
「僕の方も待ち合わせには間に合うからそれで大丈夫だよ。それじゃあまた後で落ち合おう」
「「了解です(〜)」」
返事を受けた吉原は頷くと、自分の部屋へと戻って行く。
「さてさて…彼次第ではあるけれど、忙しくなりそうだねぇ」
吉原の部屋へと戻る足取りは年甲斐もなく軽く、いっそ軽くスキップでもする勢いであった。
その表情は新しいおもちゃを与えられた子供のような表情をしており、非常に楽しげな様子で出掛ける支度を進めるのだった。
吉原…一体何者なんだ〜(棒)
次回からは少しだけリアル側のお話が続きます。
たぶん2話分くらい?いや、もう少しかかるかも?
予定は未定ですが頑張って書きたい…書きます!
面白い、続きが気になる、吉◯〜!と思った方は↓からブクマ、☆評価していただければモチベに繋がりますのでよろしくお頼み申します!




