私と初の告白
「好きなんだけど、付き合って欲しい」
私、川崎 眞菜は特に目立ったところもない普通の高校生だ。そんな私が人生初の告白をされた。相手は同じクラスの相原。特に仲が良すぎるわけでもないし全く接点が無いわけでもない。何故に私?
「返事は?」
相原の言葉にはっとする。相手はこっちの様子を窺ってるみたいだ…当たり前か。
「いいよ」
「マジで?じゃあ、これからよろしくな」
笑って言われた言葉に私も笑って頷く。
嫌いではないし、仲も悪くない。私に断る理由なんてないのだから、これがベストだと私は疑ってもみなかったのだ。
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が、どうやらそうでは無かったようで。
「彼氏?!眞菜に?!」
帰っておねえに彼氏が出来たことを言ったのだ。別に報告の義務もないけど、なんとなく黙ってることでもないからと思って。あわよくば、大学生のおねえなら困ったときにアドバイスとかもらえるだろうなんて軽い気持ちで。
結果、めちゃくちゃ驚かれた。
「えー、そんな驚く?」
「驚くっていうか、ちなみになんでオッケーしたん?」
「いやだって、嫌いじゃなかったし、仲も悪くないし」
そう答えると、おねえはおでこに手を当てて上を向いた。いわゆるアイタタなポーズだ。
「え?なんで?悪いの?」
「いや、まあ、アリはアリなんだけど」
おねえは唇に人さし指を押し付けた。考え事をするときの癖だ。
暫くそうしていると、パと指を離す。
「あんた、執着心無いのに付き合えるの?」
確かに私は執着心が薄い。殆ど無い。
物を姉弟たちに譲っても何も惜しくない。欲しいものがあっても入手困難なら別にいいかなと思う。どれだけ好みド真ん中の物も、高かったら別に要らない。友達も去るものがいたら引き留めないし、来るものはいつでもウェルカム。
でも。
「え、執着心って必要なの?」
ビックリしておねえに聞き返すとため息をつかれた。