元の世界に帰れない
「ん……」
目が醒めるとそこは草原だった。
何もないところだ。 いくら最強スキルを持っていたって人がいなくては意味がない。
街に行って仕事を探したい。
ギルドとか無いのだろうか?
(そうだ!最強スキルを作ったんだからそれを活用すればいいんだ!
魔力が無限にあるのだからスマホを具現化すれば良い。だがネットが使えない。
ネットもスキルで元の世界と繋げれば……
あ!そもそも魔力で帰れるんじゃないか?)
日比野は全力で元の世界に帰るイメージをした。だが、何も起きない。
(無理か……でもスマホの具現化とネットぐらいなら)
なんとスマホの具現化に成功した。
更にネットも接続出来た。
(よし、これで街に行こう……)
予想時間は30分だ。
15分ほどで街についた。
途中で足が速くなっていることに気付き走ったらすぐについてしまった。
(足まで速く出来るなんて魔力すげえ)
ここの街は東キャピタル市というらしい。
(マップでギルドを探そう、あった)
ギルドについた日比野は係員に話しかけた。
「あの初めてなんですけど」
「初めての方はまずギルド登録をお願いします」
登録を終えると
「ではこちらがギルドカードです、討伐したいモンスターの神を掲示板より剥がして持ってきてください」
「はい」
(何にしようかな? まずは弱そうなのからかな?
これだ、スライム5体で報酬が銅貨1枚)
銅貨って日本円でどれくらいの価値なんだろ? まぁ、いいやこれやろ)
スライムの神を剥がすと
「あの、私と一緒に冒険しませんか? あなたも初心者ですよね?」
後ろから声を掛けられた。 振り向くとそこにはとても可愛い女の子がいた。
「いいよ、でも銅貨1枚だと報酬が分けれないね」
「それは次に一緒に行った時に報酬を銅貨1枚分けてもらえれば」
「それ、いいね!」
「所で君、名前は? 僕は日比野」
「変わった名前ですね、私はルナです。」
「そうなんだ、いい名前だね!」
「日比野さんって外国の方ですか?」
「うん、そうだよ」
「どこの国……」
「ギルドの人にこれ渡してくるね」
(どこの国って聞かれても困るんだけど、どうしよう)
取り敢えずギルドの係員の人に紙を渡す。
「お願いします」
「では気を付けて」
「スライムって東キャピタル郊外にいるんだって」
「そうなんですね、日比野くん」
「うん、行こっか」
郊外に着いた。
そこにはスライムが沢山いる。
(リアルで見るとキモ)
「緊張しますね」
「そうだね!頑張ろう」
取り敢えず手に魔力を込めてスライムを殴る。 スライムが吹き飛んだ。 どうやら死んだようだ。
「やった!」
「凄いですね!」
他の奴らも全員殴るだけで倒すことが出来た。
「日比野くん、凄いよ! こんな簡単にモンスターを倒すなんて、それも素手で」
「そんなことないよ、相手が弱かっただけだよ」
ギルドへ戻ると係員にすぐに紙を渡した。
「倒してきました」
「お疲れ様です」
「こちら報酬です」
「ありがとうございます」
「今日の報酬は日比野くんがどうぞ」
「え、いいの?ありがとう」
「あの、これからも一緒に冒険してくれませんか?」
「え、いいよ! あ、所でさ今日泊まる所ないんだけど、どっか宿屋知らない?」
「あ、私の泊まる宿屋ならまだ空いてる部屋あるはずですよ」
「本当?案内してくれない?」
「いいですよ」
宿屋に着きカウンターにいた店員に話しかける
「今晩泊まりたいんですが」
「お料金が銅貨10枚となります」
(銅貨10枚!? 1枚しか持ってない…… そうだ具現化すればいいんだ 魔力使うし具現化ってバレないよね?)
「はい」
「ありがとうございます」
「また明日、ルナさん」
「また明日、日比野くん」