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第二戦記 フォールダウン
轟音の航空機の中を走った。
走った。
走った。
全ては生き残るため。
全ては故郷の平和を守るため。
全ては家族と会うため。
思い出した。
思い出せない。
そして数分前を思い出す。
話しかけられた。
「なにしてる!?フォールダウンの準備をしろ!死んでもいいのか!?」
私はその言葉をきいてSCTを予備機とのペアリング。シリアルナンバーを入力し、スーツを着た。
ここで言うスーツは青山で売ってるような紳士スーツではなく、前はオレンジ色。背中部分には謎の膨らみ。腰の後ろには精密機器。そして肩から腹にかけてのラインへとかかる長さ30センチ程度の袋。腰にはハンドガンホルダーのついたベルトが備わっている。
そして私は走った。
脱出ポッドへと。
教官は言った。
「お前たちのような奴らの教官になれて私は心の底から幸せだった。敵を内側から殲滅してこい!」
皆は応答しなかった。
皆は知っているからだ。
高度800フィートからの脱出ポッドでのフォールダウンの成功確率は15%だということを。
そして皆が叫ぶ
「フォールダウンスタンバイ!」
轟音が響く。
そして
落ちた