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城の変貌

スイマセン……やっと更新しました。あらすじは出来ていたんですが……とにかく宜しくお願いします。



 「……上手く逃げられたけど、次はどうなるか判らんよね……」


 キュビは安堵の溜め息と共にエミュとアインの方へと振り返り、



 「……でさ、そろそろ城に着くけど……手、繋いだまんまなの~?」


 ……ジットリと湿度高めな視線を二人に向けたので、赤くなって二人はお互いに手を離すと後ろ手に組みつつ、


 「いや、俺は……その……」

 「キュビさん!!もう……こんな時に茶化さないでください!!」


 慌てて取り繕う二人を前に(……仲いーんじゃないの?)と思いながら、キュビは視界に入った城へと歩き始めた。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 「……ねぇアインさん、このお城って……前からこんな感じだったの?」

 「いや、そんな筈はないけれど……準備が良いと言うよりは……」

 「……まるで、知っていたかのような……ですね」


 三人は徐々に集まりつつある周囲の住民と共に城へと近付いていったが、その様相は試合の時に訪れた際とはまるで違っていた。



 城壁の周りを囲むように先を尖らせた木杭が組み上げられ、城門の前では複雑に組み合わされて突入を防ぐ構造になり、その間を抜けるように人々が不安な表情で城内へと避難していた。


 城門の両端の上には、いつか学校で見たことのある四連装バリスタが取り付けられ、射出準備を整えられたまま兵士が睨みを効かせて魔物の出現に備えている。傍らには新たな長槍を準備する控えの兵士が、クロスボウを構えながら油断なく監視し続けている。



 「……確かに凄い構え方だね……でも、バリスタは揚げるだけならホラ……脇にある揚力機で吊り下げれば直ぐに……って、ことは……やっぱり?」

 「あぁ……そうだよ!騎馬止めだって運ぶだけならともかく……組み立てる準備とかは前から進めていないと不可能だね」

 「つまり……このお城は……いえ、ゴルダレオス王は……この事態を、予め予測していたって事ですね……」



 城内への回廊を進みながら、三人は互いの意見を擦り合わせてみたものの……結論は同じだった。


 ……この城は……いや、ゴルダレオス王は、この事態を予測し備えていた、と言うことだった。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 「アイン!!無事だった……おぉ!!キュビさんにエミュさんも……よかった……!!」


 城の中庭へとやって来た三人に声を掛けてきたのは、他でもない近衛兵団副長のコーデリアだった。


 「コーデリアさん!無事だったんですにゅっ!?はわっ!?」


 キュビは彼の声を聞いてその方へと身体を向けた瞬間……視界を遮るように立ち塞がったコーデリアに抱き上げられて、言葉が続かなかったのだ。


 「……無事で……よかった……心配してたんですよ?」

 「……う、裏漉ししたジャガイモに生クリームを注ぎ入れて良く攪拌して合わせねっとりとした舌触りがががががが……っ!?」


 先程のお返しとばかりに二人で並び立ちながら、コーデリアに抱き締められたキュビをジットリとした視線を感じつつ……心中で大汗を流しつつ落ち着こうと努力した彼女は、必死に脳内を引っ掻き回して何故か思い出した【ビシソワーズの美味しい作り方】をダダ漏れさせながら、軽く混乱していった……。




 「……成る程な。アイン、悪いが細かい事は後程報告してくれ……二人はとりあえず城内に留まっていて欲しい……まだ外は危険だろうからな」


 アインから状況を聞いたコーデリアは、後に続くように促しながら、しかし二人には待機するように告げつつその場を離れていこうとして……



 「キュビさん、くれぐれも()()()()()()()()()()……間違っても城外へは、出ていかないで下さいよ?」

 「はいはぁい……判ってますからぁ!!ハグしないでいーですからぁ!!もーっ!!」


 危うく捕まりそうになったキュビはヒラリと身を避けながら、けれど少しだけ悪戯っぽい笑みを浮かべて自分からコーデリアの腕の中へと飛び込んで、


 「……んへ♪……そっちこそ無理は嫌だからね?判った?」

 「……!?も、勿論さ!……勿論……!」


 はにかみながら彼の胸へと頭を預けつつ、キュビはねだるような眼差しで懇願し、コーデリアは不意を突かれて戸惑ったものの……小柄な彼女をしっかりと抱き締めて誓った。


 (……小悪魔だな……)

 (……小悪魔よね……)


 そんな二人を見たアインとエミュは、力強く頷きながらキュビの属性を脳内で即座に書き換えた。



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳



 「キュビさん!エミュさん!こちらでしたか!!」


 直ぐにコーデリアの後を追ったアインを見送った二人は、聞き覚えのある声に振り向くとそこに、ゴルダレオス王付きの小姓のレミが走り寄ってくる。


 「はぁ、はぁ……探しましたよ?……エンリケさんに【あいつらなら必ずやって来る】って聞いていたけど、ホントでした!さっすがエリート集団ですね!」

 「え、エリート!?……違うと思うけどなぁ……エミュちゃんはエリートだけどさぁ?」

 「はぅ!?わ、私は違いますっ!!……たぶん、ですけど……」


 そんな二人の言葉を聞きながら、レミがハッ!と思い出したかのように表情を変えつつ、


 「いえ!それはいーんです!お二人には《装備》をご用意してあります!勿論体型は確認してありますから直ぐに使えます!」


 少し離れた詰所を指差しながら、……ご心配なく!女性用の着替え室が用意されてますよ?と先立ち進みながら、二人を促した。



 「……装備?ってことは……私達も前線に出るってことよね……」

 「うん……きっとそうだと思いますが……」


 「「……それって、もしかして先生も知っていた!?」」


 二人は互いの顔を見合いつつ、知らぬうちに周囲も合わせて動き始めていることを認識し、表情を強張らせた。



飛び飛びですが、頑張ります!目指せ!完結を目標に……!それではまた次回!

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