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死にきれなかった愛と歌  作者: 片言つづり
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さよなら

皆様初めまして、片言つづりと申します。

初めての小説、精一杯頑張らせて頂きますので、応援宜しくお願いします!

定期的に更新していく予定です!

…僕は、何を立ち止まっているのだろうか。

あと一歩、あと一歩踏み出すだけで、すぐに楽になれるのに。こんな世界に生きるつもりなんて微塵もないのに。あぁ、誰か僕の背中を押してくれ。こんなにも臆病で弱くて醜い僕を殺してくれ。

僕の存在を認識してくれる人なんて、もう居ないんだった。


その「あと一歩」は踏み出されることはなく、硬直する身体と世界を余所に涙だけが零れ出ていた。

はは、やっぱり僕は、弱虫なんだ。何も出来ない弱虫なんだ。みんなの言った通り、クズ人間なんだ。強張る身体をどうにか動かし、屋上から引き返そうとしたその時だった。何かが背中に触れる感触がした。その「何か」は次の瞬間僕の身体を力強く押した。

「うえぇ!?!?」

思わず声が出てしまった。いや呑気にそんなことを考えている暇は無い。どんどん地面との距離が近くなっていく…



『どうしてこんなことも出来ないの!?』

『勉強も運動も何も出来ない出来損ないの癖に!』

『やだごめんなさいごめんなさいごめんなさい殴らないでごめんなさいごめんなさい』

『お前に存在価値なんてない!!』


『ねぇ、あいつまじキモくね???』

『ほんとそれなぁ、笑笑 明日も楽しみ爆笑』

『…』

『あっれぇ??上靴が無いねぇ??あ、トイレの中とかにあるんじゃね???爆笑』

『こんくらい初歩の初歩なんだよ笑笑いいから便器綺麗に舐めておそうじしましょうね!爆笑』


…これが、走馬灯って奴か。僕の15年間の記憶が次々に思い出されていく…

いい思い出なんて一つもなかったなぁ。どうせなら、1回は仕返ししたかったな、なんて。

鈍い音が響く。痛い。でも、これが最後の痛みなんだ。どうせなら、と最期に僕は口に出して呟いた。

「さようなら、このクソみたいな世界」

段々と意識が遠のいていった。

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