学校一の美少女、実は僕の◯◯◯◯◯◯だった件
放課後。夕焼け空が綺麗な光景を作りだし、ふわりとした緩やかな風が吹いている。そして、僕はついさっき靴箱で『とある手紙』を見つけ、こうして屋上で待っている。
その『とある手紙』の内容はこうだった。
『赤谷先輩。屋上で待ってますよ! 小桜より』
小桜と言えば、学校一の美少女とされている人だ。そのような人が何故? と思う一方、少しながらも期待してしまうモノだ。
学校一の美少女が「好きです!」って言うと、想像するだけでニヤニヤが止まらない。
っと、そんな事を考えてたら来てしまったじゃないか。
「赤谷先輩、待たせてごめんなさい! 本当は言おうか迷ったんですけど折角だから言うことにしました」
ごくん、と唾を飲み込み、リラックスをしようと試みるもやはり心拍数がとんでもないことになっていた。なので平常心、平常心と心の中でひたすら唱える。
「実はーー。え? 赤谷先輩⁉︎」
僕は心臓への負担をかなり感じてしまい、倒れてしまった。
◇ ◆ ◇
「赤谷先輩、大丈夫ですか?」
横たわっている僕のすぐ横の椅子に小桜は座っていた。どうやら僕は保健室にいるらしい。
「ーーえ? 何が?」
小桜がすぐ近くにいる事によってドキドキせざるを得ないよ。
「急に倒れたから先生呼びにいったの。ついでに怒られてしまって」
「ごめん、僕のせいでそんなーー」
「ううん、いいの。元々屋上に行っちゃダメなのに呼んだ私がいけなかっただけですから」
「それで、言いたかったことは?」
恐る恐る俺は気になっていたことを聞いてみた。
「ごめんなさい! ここでは言えないの」
キタコレー! 告白をしようと思ったけどタイミングを逃してしまったパターンだと予測できる。ここは冷静に、落ち着いた声で話さなければ。現に小桜は後輩なんだし、先輩らしさを醸し出す必要がある。
そして俺は小桜の目をしっかり見て話す。
「大丈夫、言いたい事は分かるよ」
「も、もしかして気付きましたか?」
「うん」
告白の事ですね。分かるよ。
「じゃあ、そういう事ならもう心配しなくてもいいですよね?」
うん、うん。大丈夫だよ。って、おっとぉ! 保健室の先生が来てしまいましたよ。邪魔するな、空気読め! と凄く言いたい。
「赤谷くん、少しの間意識失ってましたけど大丈夫ですか? 何かあれば病院に行ってもらいますよ」
病院……。松下先生、それは嫌ですよ。もう大丈夫な筈だし。
「心配はいりません。もう平気ですから」
「そう? 何かあれば隠さずに先生に言いなさい。分かりました?」
「あ、はい!」
「では二人とも、もう外も暗いから寄り道せずに帰って下さいね」
「「はい!」」
その後僕たちは校門を出てそれぞれ自分たちの家の方向へ向かおうとした瞬間、背後から肩を掴まれ、小桜がこう切り出した。
「と、突然なんですけど私の家に来てもらえますか?」
ま、まさか初日からそっちの家に行くことになるとは。キタコレー! と叫びたい。
「別にいいけど……」
「じゃあ、それで決まりですね!」
でも、何か引っかかるものがあった。それは小桜の反応。普通は嬉しい感情が顔に自然と出る筈なのに、そのようなものは一切感じられないということ。
そう、この時の僕は後に信じられない事実を聞かされる事となるとは予想外だった。
これはもう自分の彼女になったでいいのかな? と疑問を抱えながら小桜の家に行くことになった。
〜この先の展開が気になる方へ〜
安心して下さい。時間が空き次第、連載版で改めて書きます! ここまでお読み頂き、ありがとうございます。