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デレ女神とする異世界転生  作者: りょーか
ー異世界転生・レベリング編ー
4/11

1-4  どうやら出会った美少女は毒舌さんらしいです

ここまでのあらすじ


事故に合う

モテなかった原因は義妹と幼馴染

何故か異世界に転生

レベル1←今ここ


さて今回はヒロインとの邂逅回でした。


毒舌系ヒロインが主人公にだけデレる・・・そういうのが好きなの、私だけでしょうか?


いやぁ、このヒロインさんも筆者が私であったのが運の尽きですね。

何故なら・・・(ゲス顔

はい!どうも皆さんこんにちわ!


私の名前は大沢 信と言います!



本日私が来ているのは一見何の変哲もない道!

周りは見渡しのいい草原で、目に映るのは緑、緑、緑!目に優しい色合いの景色が大変素晴らしいですね!


さて、何故私がこんな場所に来ているか皆さんは不思議にお思いではないでしょうか?

かくいう私自身も不思議です!


何故私はこんな所にいるのでしょう?


というか、一体この道は何処へ続いているのでしょうか?


全く分かりません!


たまにはあてのない旅も良いという神からのお告げなのでしょうか?

兎にも角にも、進まなければどうしようもないという事だけは分かります!


なので一先ずはこのまま何処へ続いているかも分からない道を一歩、また一歩と歩んでいきたいと思います!


この先に、何かがあると信じて!


以上、中継でした!



・・・・・

・・・

・・


「おお!!」


俺は今、地味に感動していた。


歩いても歩いてもゴールの見えない道をひたすら歩き続ける事二時間。


いつまで経っても変わらないように見える景色に気が滅入ってきた俺は気分転換がてらに走って移動する事にしたのだが・・・何と一向に疲れないのだ。


しかも走っている速度はマラソンランナー並だ。

日本にいた頃では考えられないような体力である。


まず間違いなくこの世界に来た影響、もっと言えば恐らくステータスの影響なのだろうが一体何のステータスが影響しているのかが分からなかった。

怪しいのは「力」と「素早さ」の項目なんだけど・・・。


いずれ落ち着いたら色々と検証してみる必要がありそうだ。


だが何がともあれこの無尽蔵に思えるような体力のお陰もあってスタート地点よりかなり進むことが出来ていた。

まぁとはいっても未だ視界に広がるのは変わらず緑一色な草原なんだけど。


だが幸い今のところ危惧していたような魔物やモンスターなどといった異形の方々とも遭遇していないし何だかんだ言いつつ順調なんじゃないだろうか。



そんな事を思っていた時だった。


「んお・・・?」


ポツンッ、と。


一粒の冷たい雫が空から落ちてきたのだ。


最初は走っていた俺から流れ落ちた汗かとも思ったのだが額を拭ってみても汗らしきものはかいていない。

と、言う事はもしかして・・・


「雨・・・・?」


そんな事を考えている内に空から落ちてくる水の量はどんどんと増えてくる。


「うわっ、マジかッ」


疲れない事に気分よく走っていた俺だったが天候の事については全然考えてなかった!!


幸い気温的には春先くらいの穏やかなものだから凍える事はないだろうけど・・・いつ人のいる場所に辿り着けるのかが分からない現在風邪を引いたり病気になったりと言ったような不安要素は出来る限り取り除いておきたい。


「ヤバイヤバイ!!」


焦ったようにそう言った俺はステータスのお陰で強化された身体能力を活かし何処か雨宿りが出来そうな場所を探すのだった。






「いやー、こんな開けた草原にこんな大岩があってくれて助かったわマジで」


どんどんと早くなってくる雨脚に対して慌てて避難場所を探し出した俺はたまたま道から少し外れた場所にあった大岩に身を潜める事が出来ていた。


この大岩、全長がおおよそ20~30メートルくらいある巨大なもので丁度中央付近に窪みというには大きすぎる穴のようなものが開いていたのだ。

ステータスの補正といいこの大岩といい、ツイテいないようでツイテいる異世界ライフだった。


「さて、取り合えず雨が止むまでこの場所で待機してますか・・・ん?」


特に持っていた手荷物などもなかった俺は少し濡れてしまった服に苦い顔をするもこれ以上濡れないよう穴の奥へと足を向けた。

しかし、そこで何者かの気配を感じて立ち止まる。


すると俺の足が止まるのと同時に薄暗くてよく見えない穴の奥から思わず聞き入ってしまうような透き通る声が聞こえた。


「あら、こんな場所に何か御用でしょうか。まぁ用があろうとなかろうとこんな場所に来ている時点で人生の大半を無駄にしているごく潰しのような人であることには変わりありませんけど」


そんな水を連想させるような綺麗なソプラノボイスで告げられたのはとても辛辣な言葉でした。


え、なんで俺知らない人に、しかも一言も喋ってない状態でディスられてんの?

おこだよ?確かにー?普通に考えたらこんなところに来る奴なんてろくな奴じゃないだろうけどさ。


ん?待てよ。

この声の人物は俺の事情を知らない。


つまりはこの人から見れば俺はろくでもない奴ってことか!なる程!

いやなる程じゃねぇよ。


あまりに突然の暴言に思わず混乱する。


だが少なくともこの奥にいるのは魔物や動物といった会話も出来ないような異形の方々ではないという事が分かったので恐る恐る近寄ってみる。


「おや、身動きの取れない女の子に近寄ってくるとはごく潰しの人生を送っている変態さんだったのですね。死んだ方がこの世界のためになりますよ?」


すると、先程の暴言より更に棘が増したようなセリフが俺を待っていた。

そんなメンタルへのダメージを無視して無理やりにでもその姿見てやろうと進んでいくと・・・そこにいたのはシルフィさんに負けず劣らずの美少女だった。


少し青味がかったようなセミロングの髪にまるで人形のように整っている目鼻のパーツ。

そして薄暗いためハッキリとは分からないが魔法使いのローブのようなものからチラチラと覗いている素肌は雪のように真っ白だった。


そんな超の付く美少女が、何故か幾重にも鎖を巻かれ大岩の壁に磔のような形でいたのだ。


ついでにいうならこの美少女スタイルもかなり良く、巻かれた鎖の一部がその、眼福というか何というか・・・胸部を強調するようになっている上に着ている魔法使いのローブのようなものはチャイナ服のようにスリットが入っていて・・・一言で言うなればとってもエロい格好だった。


童貞かつこの前まで非リア充日本代表だった俺にはとっても刺激の強い光景だ。

いや、非リア充に関しては原因が分かっただけで現在進行形か。虚しい。


と、今はそんなことどうでもいいんだ。

大事なのは強調されているそのお胸で、いや違う。

スリットから露になっている真っ白だろうその太もも・・・でもないッ!


「うぐっ」


戒めるために一発自分の頬を殴っておく。


今大事な事はなんだ俺?


そう!何故こんなところにエロ可愛い少女が鎖を巻かれて磔にされているかじゃないか!!


まだちょっと煩悩があるような気もしたけれど先程よりは大分マシな思考になった気がするので改めて少女の方へと向き直った。

うむ、エロい。


「えっと・・・君はなんでこんなところでそんな格好してるの・・・かな」


「むしろ私からお尋ねしたいですね変態さん。貴方はなぜこんな場所に来たんですか?暇なんですか死にますか?」


意を決して話しかけてみたはいいけれど相変わらず言葉が絶対零度だ。

だが挫けない。


俺は強い子だもん!


「んーと、俺がこの大岩に来た理由は雨宿りするためかな?あれ、雨宿りってこっちでも使う?合ってる?」


考えてみればこの世界に来て初めての接触だ。


ワールドトーカーさんのお陰で普通に話せてはいるものの、雨宿りって単語が共通言語かは分からないからな。

そう思った俺は念のため確認しておくことにする。


そんな俺の言葉を聞いた美少女さんは「ああやはり」と頷いた。


「途中から雨の臭いがすると思っていましたが、やはり降りましたか。ちなみにあなたの疑問に対する答えはイエスです。そんな初歩的な言葉を聞いてくるという事はもしかしてごく潰しな変態さんの上に言葉も不自由なんですか?」


うーん、俺は挫けない、挫けないぞぉ!


「あ、そ、そっか。うん、そうだよね。そう、雨宿りに来たの俺。えーと、それで君は結局こんなところで何やってるの、かな?もしかして趣味だったり?」


「馬鹿なんですか」


「ごめんなさい」


俺の言葉を聞いた美少女は今までにないくらい冷たい目で見つめてきたので平謝りする。


そうですよねッ

俺も自分で言ってて途中で思いましたよ!!


何ですか趣味って!言ったやつはきっとバカだろう!つまりは俺はバカだッ

知ってた!


「え、えーと、それで何でなのかな?自分で望んだ事じゃないんだよね?」


雨の影響なのか目の前にいる美少女から放たれるプレッシャーなのか、数度下がったように感じる空気の中改めてそう尋ねる。


というか、今更ながらに気付いたけどこの子滅茶苦茶レベル高い。

いや容姿のレベルも勿論メチャメチャ高いんだけど、そっちではない。


この世界の「レベルさん」の事だ。


俺がレベル1なのに対して少女の左上にさも「わいはこの少女の使い魔やで!」と言いそうな佇まいでいるレベルさんは37と表示されていた。

・・・あれ、俺もしかしてこれ以上バカ言ったら死ぬ?死んじゃう?


改めて気付いた事実にサッと青ざめる。


そんな俺に気付いたのか気付いていないのかは分からないがはぁ、と一つ溜息をついた少女はやれやれとでも言いたそうな感じで口を開いた。


「自ら望んでこんな姿になるわけないじゃないですか。もしそんな人がいるならきっとあなたくらいでしょう?」


「いや、俺も自ら進んでは・・・いえ、何でもないです」


こんな説明にもチャッカリ入っていた毒に対して思わず反論しかけるも「なんですか?」と言わんばかりの眼光に負け最後まで言い切ることが出来ない俺。


いつの時代だって女さが一番強えぇてオラのお母ちゃんが言ってた!

だからこれはしょうがない事なのだ。うん。


「じゃあ一体なんで―――――」


男の弱さに思わず悟りを開いた俺だったがそれでも諦めずに美少女へと質問をしようとする。


だがまたしても俺の言葉が終わらない内に返答が返ってきた。

しかしそれは少女からの返答・・・ではなく。


「グルルッ・・・!」


という、何とも野性味溢れる唸り声だった。

よろしければ評価ブクマなどよろしくお願いいたします!


余談ですはありますが投稿二日目にして200PV突破したようです!

数字だけが全てというわけではありませんが読んでくださってる皆様もいるという事を実感でき非常に嬉しく思いました。


ブクマの方も何名かの方がしてくれているようで、ありがとうございます!

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