第一章 「目標=スタンダード」-01-
初投稿となります!拙い文ではありますが、生暖かい目で見守っていただければ嬉しいです。
第一、転校なんて私は嫌だったんだ。
「アイル、お前こっちに帰ってこい」
「は?」
突然私のいるアメリカに飛んでやってきたと思えば、日本に戻れなどという暴言(?)を吐いてきた叔父に言葉を失う。
「え、いや、無理。ていうかお母さんは?」
「まあそれでだな」
「いや無視しないで!?」
私、天麻アイルは中学時代の部活動で脚に重度の怪我を負い、約一年に渡ってアメリカの医療技術に頼っていた。
身体的なリハビリを終え一応軽い運動なら出来るまでには回復したと思う。勉強なら通信教育で欠席は免除されていたはずなんだが、なぜここで日本に戻る必要があるのか。確かに英語喋れないけど!喋れないけど病院は日本語喋れる人いるし、日本人でも過ごしやすかったはずだ。ま、まあこっちの人に英語で話しかけられても「アイムフロムジャパン」としか答えられなかったけども…この一年は楽しかったと思うよ!多分!それをなぜに今更向こうへ戻らなければいけないんだ!少なくとも高校生のうちはこっちで良くない?良くない!?
「とりあえず、お前もうここにいる意味なくね?」
「いやありますね。そもそも今から向こうに戻ったら確実にぼっちじゃん!?私自らぼっちになれるほど心強くないからね!?」
いくら私がコミュ力の塊といえど、あの学校で私がコミュ力を発揮するには、とある条件が必要となる。
"私立桜瀬学園高校"私が本来通うはずだった学校だ。今はアメリカにある桜瀬学園の兄弟校にお世話になっている。兄弟校なら尚更戻る必要ないじゃん。ぼっち反対!
「アイルがぼっちになろうとどうでもいいんだけどさ」
「どうでもいいのかよそこはもっと気付かえよ可愛い姪だぞコラ」
さっきからキツイこと言ってくるこの男は真田皐介。私の母の弟、つまり叔父にあたる存在である。そして奴は桜瀬学園日本校の教師だ。それ故に私を日本校に編入させようとしている。それ故にとか言ってみたがどんな故にかはよくわからない。言ってみたかったのだ。
「でもお前まだ引きずってるだろ、陸部のこと」
「そうでもないけど…」
「そうでもあったということにしよう」
「お、おう」
ちょっとよくわかんないことほざいてるぞコイツと言いたげな目で見ると逆に睨まれた。ヤダこの子怖い。
「お前、うちの学校が部活動に力を入れてることは知ってるな?」
「そうだね」
そんなこと初耳です。めんどくさいから言いません。はい。
「そこでだ。アイル、更生部に入れ」
「う、うん」
ぶっちゃけもうめんどくさくなってきたから、相槌を打っておけばなんとかなると思っていた。しかし、それは私の人生を大きく変化させるということにこの時気がついていれば良かったんだと思う。
「よし、じゃあ退院届け出しとく」
「じゃあ私は寝るね、バイバイ」
取り敢えず自分は12時間に渡る深い眠りについた。