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I am dreamer
僕はリアルで負けた。つまり、のろまで人付き合いが大の苦手でいじめられっ子で童貞で友達すらいない。
...ったら...だったらせめてこの世界でだけは勝たせてくれ!夢を見せてくれ‼︎
暑い。
もう9月であるというのに毎日猛暑日に熱帯夜でうんざりだ。
優輝は飲みかけのヘプシを口に注ぎ込みゴミ箱に空き缶を投げると吸い込まれるようにうまく入ってゆく。
「やっぱあっちの能力がこっちに影響するっては本当だったのか。」
ふと時計に目をやると昼の1時きっかりを矢印が指している。
「そろそろ潜るか。」
昨日と今日の正午までは月に一回の睡眠世界のサーバーメンテだったのでこっちで久々の夜を過ごしたがやはり暑いし蚊はいるし最悪だな。
優輝は専用デバイスを手にとり潜る準備を始める。
ログインウィンドウが開きパスを入力する画面に切り替わる。優輝は手記モードから音声入力モードへ切り替える。
音声案内がパスワードを入力してくださいと機会音で言うと優輝は「ただいま」と我が家に帰ってきたかのようにこう言い放った。
「Hell My World」