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世界が赤く染まる日  作者: 夜桜
第一章 入学編
6/27

幕間 鍛錬 / 彼のこと

ちょっと短いけどつなぎの話です。

鍛錬


日影視点


俺たち一年生にとって初めての闘技大会まであと一週間となり、それぞれが準備や自主的なトレーニングに励んでいた。


俺も新入生代表を務めたので、さすがに下手な姿は見せられない。

ということで日々のトレーニングよりハードな鍛錬を行っている。


朝は普段通りで、6時に起床し、まず10キロ程度のランニングをする。

次に、強化系能力を調整し、自分の思い通りの力が出せるようにする練習を行う。

朝の鍛錬はこの程度だ。


その後は学園へ行き、普通に授業を受ける。


夕方に授業が終わると、帰宅し再び10キロ程度のランニング、強化系能力の練習を行う。

これは基本的な鍛錬なので、一日2回行うようにしている。

次に、強化系能力を用いて、家の裏に広がる山の中で様々な動きをする練習だ。

脚力を強化することで素早く、長い距離を一度に移動できるようになるが、うまく調整しないと直線的な動きばかりになってしまう。予測されにくい動きをするための鍛錬というわけだ。


師匠がいればさらに実践的なこともできるのだが、今は師匠は旅に出ているためそれはあきらめる。

なのでこの内容をひたすら繰り返す。

何事も基本は反復練習だ。


そうして闘技大会までの一週間はあっという間に過ぎていった。






彼のこと


咲視点


私は日影君のことをまだ全然知らない。

この前お昼ご飯を一緒に食べた時にも、彼はすごく辛いのを隠しているように感じた。

もしかして、私迷惑に思われちゃってるかな。

……はぁ。


「……さきー……咲!!」

「わぁ!びっくりした。何よ穂香?」

「何よ穂香?じゃないよ。何回呼んでも気づかないんだから。何ぼーっとしてるのよ」


そんな何回も呼ばれてたのか。

全然気づかなかった。

日影君のこと考えてると他のことを忘れちゃうんだよなー。


「何でもないよ。」

「どうせ神谷君のこと考えてたんでしょ。はー、どんだけ好きなのよ。まだ出会って2週間くらいなのに」

「ち、違うよー!す、好きとかそんなんじゃないんだって!」

「いやいや、まあいいけどさ。咲がこんな風になるの初めてだから私は応援してるけどねー」


うー。

穂香には何を言っても無駄な気がする。

好きとかそういうのはよくわかんないけど、日影君のことはやっぱり気になるんだよね。

でも……


「私って、日影君のこと何も知らないんだよね。いつも日影君辛いのを我慢しているように見えて……。なにか抱えてるように見えるけど、私にはそれがなんなのかもわからなくて」


私じゃ力になれないのかな……。


「はあ、咲は深く考えすぎなのよ」

「そうなのかな」

「なんならとっ捕まえて話させちゃいなさい」


穂香はむちゃくちゃ言うなー。

でもなんかすっきりした。


「そんなことできないよー」


私はそう言って苦笑いを浮かべる。


そうだ。彼が何を抱えているのかまだ私にはわからないけど、いつかきっと話してくれるよね。

私、頑張って日影君の力になってみせる。






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