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世界が赤く染まる日  作者: 夜桜
第一章 入学編
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学園生活

学園生活が始まりました。

クラスメイトの登場ですね。

俺たち新入生が舞神学園に入学して一週間、特に変わった出来事もなく平和な学園生活を過ごしていた。

部活動の勧誘も少しずつ落ち着いてきており、もうすでにどの部活に参加するか決めている生徒も少なくない。

俺は特に部活動に入る気はないので、勧誘をなんとか断り続けている。


授業はといえば、まだまだ基礎的な部分のみではあるものの、舞神学園特有の能力開発に関する授業はここでしか受けられないものであり、みんな真剣に取り組んでいる。

そして俺は今もその授業を受けているのだが、正直なところこの内容はすでに習得しており確認程度に聞いているという状況だ。


「皆さん知っての通り、能力を使用するためには自分の精神力を消費します。その精神力は鍛錬によっても成長しますが、生まれ持ってのものに大きく依存しています。次に能力の属性ついてです。属性としては水系、風系、大地系、炎系、光系、闇系、空間系、強化系、回復系といった系統に大きく分類されます。これらの系統以外の系統は現在確認されていません。また、5年前に亡くなった人物を最後に炎系能力者は確認されておりません。これは世界能力者開発局が発表しているデータです。それぞれの系統の能力は、名前からある程度予想できますね。」


能力基礎を担当している柏木誠先生は淡々と授業を進めていく。

俺はその内容に動揺しないようになんとか心を静めていた。


「それでは空間系能力について少し誰かに聞いてみましょうか。そうですねー、では神谷君お願いします。」


いけない、授業に集中しなくては。


「はい。空間系能力はその名の通り空間に対して干渉し、改変を加える能力です。例えば、指定した空間の大きさを任意の大きさに変更したり、違う空間から物を取り出すことなどができます。しかしながら、欠点がいくつかあり、他の能力に比べて精神力を非常に多く消費してしまうこと、空間に対する干渉にある程度の制約がつくことなどがあります。」


俺は自分の知っている知識を淡々と述べていった。


「はい、ありがとうございます。完璧ですねー。先生の教える手間が省けて助かります。」


そんな冗談を交えながら柏木先生は再び説明を続けていった。


「私たちは基本的に一つの能力に対する適正しかでませんが、まれに二つ以上の能力適性が出る場合があります。しかし、多くの場合はそのうちの一つの能力しか強い適性が出ず、補助的に使うにとどまるのが一般的です。おっと、もう時間ですね。それでは今日はここまでにします。」


先生のこの一言で午前の授業が終わり、昼休みに入った。






昼休みでは各々が好きなように過ごす。

弁当を持参している者もいれば、購買に走る者、食堂へ向かう者と様々だ。

俺は普段食堂を利用するようにしている。


「日影、食堂行こうぜ」

「おう達也、行くか」


声をかけてきたのは、俺の前の席に座っている朝倉達也。最近は二人で食堂に行っている。


「ねえ神谷君、私たちも一緒行っていい?」


二人のクラスメイトが近寄ってきて尋ねてくる。


「二見に加藤か、もちろんだよ。一緒にいこっか」

「やった!さすが神谷君」

「ありがとうございます」


話しかけてきたのが二見美紀、落ち着いた雰囲気でお礼を言ったのが加藤千恵だ。

今まで特に話したこともなかったのだが、どうしたのだろう。

まあ、特に断る理由もないので一緒に行くことにした。


4人で食堂まで移動すると、そこはもうすでに人でいっぱいだった。

とはいえ非常に広いので、いつもすぐに食べれるんだけどな。

案の定、すぐに食事にありつけることができた。


「加藤たちは、どうしてまた急に飯について来ようと思ったんだ?」


俺が聞きたかったことを達也が先に聞いてくれた。


「いやー、一度神谷君と話してみたかったんだよねー。ね?千恵」

「うん」


俺ですか。

俺と話して特に何かあるとは思えないのだが。


「やっぱり日影かよ。あーいいなー日影はモテて」

「俺は別にモテてないぞ」


俺はそのような自覚はなかったのでそう答える。


「いやいやー、神谷君女の子からの人気すごいよ?自覚してないの?」

「そういわれてもなー」

「だってすごいかっこいいし、頭もいいし、ね?千恵」

「うん」


加藤はものすごい静かな子なんだな。

それに比べて二見はものすごいお喋りだ。


「神谷君今失礼なこと考えたでしょ」

「え、いやそんなことないよ」


女の勘恐るべし。

そんな雑談をしばらく続けながら食事を続けていると、


「日影君!」


と横から声が聞こえたので俺はそっちへ顔を向ける。


「咲先輩。こんにちは」

「うん!なかなか学園にも慣れたみたいだね」


俺と咲先輩が親しげに話していることにみんなはすごく驚いていた。

横に座っている達也が、俺の肩を思いっきりつかんでくる。


「おい日影、これは一体全体どういうことだ。学園のアイドルでなおかつ生徒会長の水野先輩となんでそんなに仲良さげなんだよ」

「入学式の日に学園を案内してもらうことになって知り合ったんだよ」

「なにー!?俺も誘えよ!」


達也、みんな引いてるぞ・・・。


「ところで咲先輩、なにかありましたか?」

「ううん。見かけたから声かけたくなっちゃって。よかったらご飯一緒にいいかな?」

「はい、喜んで。みんなもいいかな?」


そうみんなに聞くと、


「「「はい!」」」」


といい返事が聞こえた。加藤も意外にいい返事をする。

そうしていると、やはりあの人も現れた。


「私も入れてもらうよー。やあ神谷君久しぶり。他のみんなは初めましてー」


はい、立花先輩です。


「咲ったら日影君を見た途端飛び出してっちゃうんだから困っちゃうよねー」

「なっ……違う、違うから!」


相変わらず咲先輩いじられてますね。


「水野先輩に立花先輩まで知り合いだなんて、やっぱり神谷君只者じゃないね。ね?千恵」

「うん」


そんな感じでにぎやかな昼休みとなった。


「そういえば、あと2週間もしたら一年生の闘技大会だね。最初は入学していきなりだから大変だよね。日影君たちは大丈夫?」


咲先輩がそう話し出した。


「俺は一応問題ない程度に準備はしているつもりです。達也は?」

「俺はぶっつけ本番タイプだしなー」

「私たちはこれから準備します。ね?千恵」

「うん」


とまあ、一年4人はこんな感じだ。


「日影君の戦うとこ、ちゃんと見とくから、頑張ってね!」

「はい。咲先輩に恥ずかしい姿は見せられませんから」


そんなことを言っていると


「おーおー、相変わらずお熱いねー」

「穂香!だから違うんだってー」


お決まりの展開です。


俺は不思議とこの雰囲気が嫌いじゃなく、むしろ心地よく感じた。

咲先輩がいるとなんとなく落ち着く。

そう感じている自分がいる。

でも自分は咲先輩やみんなに言えずにいることが沢山ある。

それを考えた時、俺はずごく苦しくなった。

だがこれは俺の問題、みんなに言うべきことではない。

俺はそう、自分に言い聞かせた。


「日影君どうしたの?大丈夫?」

「あ、何でもないです。大丈夫ですよ」


俺は何とか笑顔を作り、咲先輩に答えた。

彼女は、それでも少し心配そうにしており心が痛んだ。


「何でも相談してね?」

「はい。ありがとうございます」


俺はやはり彼女は巻き込みたくないなと、そう思った。




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