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―プロローグ―⑧
「うわッ ちょ…ちょっとヤマセ!」
焦るシロナは魔法陣をさっと消し去り、足元を指差し右へスライドさせた。
「泣きよんな」
ニヤリと笑うヤマセ。
「シッ…シロ魔法!セイントディフェイス!」
白い粉塵が巻き起こり、シロナは間一髪で撥ねのけた。
「お前敵の魔法ぐらい見てから行動せぇや…」
痛いところを突かれたシロナは言葉を詰まらせる。
「…にしてもいつからそんなはよぉできるようなってん」
「…うッ うっさいわね!!」
「お二人とも始めから飛ばしてますねぇ〜」
「シロナちゃぁ〜ん!ヤマセくぅ〜ん!」
「…てめッ 実況しろッ!!」
このようなやりとりをかれこれ二時間ほど続くこととなる…