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―プロローグ―⑦
「やっとこの日が来たわ!」
満面の笑顔でシロナはヤマセを見る。
ヤマセは鼻で笑いながら
「かかって来ぃや!万年書記〜」
と叫んだ。
それを聞いたシロナはよっぽど悔しかったのか頬を赤らめ、拳を震わせながらヤマセを睨んだ。
「ほな行くで〜」
くるっと後ろに振り向くと,ヤマセサイドの皆サマにぱちんとウインク。
「きゃあぁぁぁッッ!!」っとものすごい黄色い歓声が沸き起こった。
呆れ顔のシロナは
「ヤマセの女タラシッ!!」
と吐き捨てると、指先で弧を描いた。
「くらえ!シロ魔法・セイントアースクエイク!!」
白く光始めた地は地震を起こし、跳ね上がる石を白い礫に変え地面を滑らせヤマセへと放つ。
ヤマセはシロナの魔法を解りきっているため、防御魔法など使わずいとも簡単に体術だけでかわした。
「相変わらずの魔法やなぁ」
ヤマセは再び弧を描き始めているシロナを後目に指先で魔法陣を描く。
緑色の光がうっすら光り、
「ほんなら俺は…風・斬!」
魔法陣から放たれた風の刃。シロナは時間のかかる魔法陣を描いていたのか気付くのが遅かった。
シロナに向かって放たれた刃はスピードを上げる。