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―プロローグ―⑥
「両者が揃ったところでぇ〜《今年度生徒会戦inA校舎特別グラウンド》を開催いたしまぁ〜す!」
快晴の空の下、ただっ広いグラウンドに一斉に歓声が上がる。
候補者の二人を囲むように生徒達は立ったり座ったり、波のように動いている。
「では!選手を紹介します」
「我等が兄貴!ヤマセ先輩!!」
刹那、黄色い声が一斉に木霊した。
相変わらずヤマセファンクラブは熱烈なアピールをする。
「続いてぇ〜学院一のアイドル!シロナ先輩!!」
「シロナちゃぁ〜ん」という歓声とカメラのフラッシュが激しく飛び交った。
「この生徒会戦には学院一の秀才コンビ☆シンラスとサリアがサポーターとして付きます」
「校舎の破壊等を防ぐための盾です!」
サリアはにこやかに手を振っていたが、今頃自分の役割の意味に気が付いたシンラスは口を半開きにしながら立ちすくんだ。
「では〜!」
「死なない程度にスタートぉッ!!」
今年度の生徒会戦が始まった。