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―プロローグ―⑤
ピーンポーン
パーンポーン…
「そろそろ試合開始時刻です」
「ヤマセ先輩、シロナ先輩グラウンドまで来てくださぁ〜い」
ピーンポーン
パーンポーン…
「サリア、行くわよ!」
「はぁい!」
やっとサリアが来た意味を理解してもらえたサリアは嬉しくて嬉しくて満面の笑顔で返事をした。
「ちょっと!あんたホントにあたしのサポーなわけ!?」
あれッ
通じてなかったのかな…
「…サポーターです、先輩」
「よし、シロナのアホ泣かしに行こか」
ヤマセはニヤリと笑うといそいそと髪型を整えた。
「へぇい」
それを見ていたシンラスはアクビをしながら答えた。
「おい、お前ほんまに俺のサポーターか?めっちゃやる気ないやん」
ヤマセの後ろで伸びをするシンラスは
「…サポーターという名の傍観者ですから」
と呟いた。