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―プロローグ―③
―特別グラウンド控室―
「お〜ほっほっほっ!とうとうこの時が来たわ。会長はこのシロナのモノよぉーッッ!!」
自分しかいない控え室で、高らかに笑い満面の笑みを溢す少女、シロナ。
自称美少女である。
コンコン
扉を誰かがノックした。
ちょっと眉間にシワを寄せシロナはくるりと振り返る。束ねた長い髪が揺れた。
「だぁれ〜?」
「おはようございます!あたし先輩のサポーターっぽいものをさせられることになったんで、ヨロ…」
「フッ…このあたしにそんなモノいらないわよ!余計な真似しないでちょうだい」
挨拶をしに行っただけなのに…顔見ず扉の向こうで叫ばれても…
シロナに忠告を受けてしまった本作ヒロイン・サリア。
「実行委員から頼まれたんですよぅ…」
サリアはとりあえず扉を開けようと手を伸ばした。