開かれた扉②
サリアとシンラスは顔を見合わせ頷くと、シンラスは口を開いた。
「かくかくしかしかで…」
シンラスはベタな方法で手短に話しをする。サリアも横から言葉を足しながら話した。
「あら〜大変だったわねぇ」
「…ったく…気付けばこんな意味解んねぇとこ来てるし」
「ココは何処なんですか?」
ミミルンはくるっと回ると、魔法で椅子を出した。自分だけ座り込むと、
「次元の狭間よぉ。こんなとこめったに来れないのに…余程すごい魔法だったみたいねぇ〜」
暫くミミルンは黙り込むと手をパチンと合わせ、
「ティアル!シュアラ!」
と呼んだ。
天使の羽根と悪魔の羽根を持つ二人の女の子が現れ頭を垂れる。そして手元に大事そうに抱えている物をミミルンに手渡した。
「ありがとぉね〜」
「それ…何ですか?」
「《エイブソーブ》っていう小瓶よぉ〜。その世界でこの小瓶が反応するモノの、何かスゴイエネルギーを入れると何処かの次元に繋がるから、これで元の世界に帰れるかもぉ〜」
「・・・直帰で帰れる方法はないのかよッ」
シンラスはまさかの言葉に叫ぶ。
「次元を渡るかぁ〜まぁ楽しそぉだしいぃんじゃない?」
笑顔でしれっと言うサリアにシンラスは項垂れた。