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―プロローグ―
「だりぃ〜…」
星屑を散りばめたようなキラキラしたと輝く空間にそびえ立つ螺旋階段。
無風のその空間にある階段をひたすら上り続けている二人組の姿があった。
「出口まだかなぁ〜この先どうなってるんだろッ」
「何かサリア楽しんでないか?」
「あッ わかる?」
一歩手前を歩く少女・サリア。その後ろを歩く半ば自暴自棄寸前の少年・シンラス。
このやり取りを続けながらまた暫く上ると、埃を被った古い扉があった。
サリアは目を輝かせながら扉の方へ走って行く。それを見ながらシンラスはしゃがみ込んだ。
「ねぇ、この扉の向こうが元の世界かもよ」
「そうだといいけどなぁ〜…」
シンラスは言いながら立ち上がるとサリアの横へ歩み寄った。
「こんなとこ来ちゃって…あの二人のせぇだよね」
「絶っ対そうだ。帰ったらタダじゃおかねぇ…」
「じゃぁ〜行きますか!」
そっと扉へ手を伸ばすサリア。その刹那、白い光が二人を包み込み広がった。
その扉の向こうは…